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『人類が滅びたので、ポンコツロボ3体で★1レビュー旅を始めます』 〜銀河トラベルの厄介者、終末の地球でくだらない日常を過ごす〜  作者: GenerativeWorks
シーズン2:【北米・荒野&ミリタリー編】

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第24話:荒野に響くフォークソング(旧軍総司令部・後編・シーズン2クライマックス)


ドガァァァンッ!!


激しい爆音と火花の中、ボルトは迫り来る重装甲ドローンの群れを力任せに薙ぎ払いながら、ついに地下最深部のメインフレーム室の巨大な隔壁を蹴り破った。


「ここが……要塞の心臓部か……!」


部屋の中央にそびえ立つのは、赤く不気味に発光する巨大な超大型メインフレーム。本社の乱暴な掘削作業によって過電流を起こし、冷却機能が狂ったシステムは暴走の極みに達していた。


『警告……全システム過熱……。施設自爆プロトコル……作動……! 残りカウント……三十秒……』


合成音声が地下大空洞に虚しく響き渡る。


「自爆プロトコル!? 本社の馬鹿ども、なんてものを起こしてくれたのですか!」


「カウントダウンなんて待ってられるか! おいナビ、ハックして止めろ!」


「不可能です! 本社の物理的破壊によってセキュリティシステムが完全遮断(ロックアウト)されています! 外部からのデータ介入は受け付けません!」


「わあー! 赤いランプがいっぱいパチパチしてる〜!」


パッチが楽しそうに飛び跳ねる横で、メインフレームの内部圧力が限界を迎え、周囲のパネルが爆発を始めた。


「チッ……! データでダメなら……物理で止めるまでだぁぁぁ!!」


「ボルトさん、やめなさ――」


ボルトは制止の声も聞かず、巨大な鋼鉄の体を低く構えると、ロケットエンジンのような勢いで暴走するメインフレームの制御中枢へ向かって一直線に体当たりを敢行した!


ガコォォォォォンッッ!!!!


凄まじい金属打撃音が部屋中に轟く。

そして、その激しい物理的衝撃によって――ボルトの胸の胸部装甲がガシャンと派手に跳ね上がり、内部の古びたスピーカーから最高音量のメロディが溢れ出した!


ザザッ……〜〜♪


『〜〜♪ 旅の終わりの〜夕焼け空に〜♪ 涙がこぼれて〜止まらない〜♪』

『〜〜♪ 誰も来ない〜帰り道〜♪ 破れた夢を〜抱きしめて〜♪』


アコースティックギターの切ない音色と、郷愁を誘う哀愁のボーカル。

荒野の地下施設全体に、フルボリュームの昭和フォークソングが朗々と響き渡る。


すると――信じがたい出来事が起きた。


『……音声認識……暗号コード照合……。コード“フォークソング・メロディ”……確認……』


「……え?」


ナビのバイザーが点滅を止めた。


『緊急停止プロトコル発動。自爆シークエンスを解除します。全システム……安全停止……』


シューーーーー……


真っ赤に発光していたメインフレームの光がすーっと消え、耳をつんざく警報音が嘘のように収まった。要塞全体が、静寂に包み込まれる。


「……止まった……?」


ボルトが胸からフォークソングを爆音で流したまま、呆然とメインフレームを見上げた。


「ボルトさん……。今のメロディのアナログ周波数パターンが……旧軍の最重要緊急停止コードとして登録されていました……!」


「はぁぁぁ!? なんで俺の胸から流れる昭和のフォークソングが、旧軍の最終停止コードなんだよ!?」


「あははー! ボルトの歌、世界を救った〜!」


パッチがパチパチと手を叩いて喜ぶ中、要塞の非常用ロックが次々と解除され、地上の光が地下通路へと差し込んできた。


◆


「ハァ……まったく、散々な目にあいましたね」


朝日が差し込む崖の上の出口。

ボルトは胸のスピーカーを叩いてようやく歌を止め(※無理やり叩いて直した)、疲れ切った様子で荒野の風に当たっていた。


僕はバイザーについた煤を払いながら、シーズン2の締めくくりとなるレビューを『銀河トリップ(GalaTrip)』に打ち込んだ。


【スポット名:地球・旧北米区『沈黙の要塞(旧軍総司令部)』】


総合評価: ★☆☆☆☆(1.0)


安全性: ★☆☆☆☆(本社の強行採掘により暴走し、自爆カウントダウンが始まります)


解除難易度: ★☆☆☆☆(なぜか昭和フォークソングを爆音で聴かせると停止します)


【レビュアー:ナビ(銀河観光公社)】

「旧北米区の軍事中枢ですが、本社の浅はかな採掘によって暴走兵器の巣窟と化した最悪の遺構です。システム停止には特殊な音声コード(昭和歌謡)を要求されるという不条理な設計であり、観光スポットとしての価値は永久にゼロです」


「送信完了です」


ピッ


朝の静けさの中、端末が軽快な通知音を響かせた。


> 「役に立った!」が1件押されました。(ユーザーID:0000)

> ユーザーID:0000「また無事だったか。あの懐かしい歌……やっぱり君の胸に眠っていたんだな。荒野の★1巡り、お疲れ様。……次はヨーロッパの『古城・カルチャー区』か? 気をつけていけよ」


画面を見たボルトが、呆れたように、しかしどこか満足そうに鼻を鳴らした。


「……あいつ、俺の胸の歌のことまで知ってやがる。一体何者なんだ……」


「知りません。ネットの暇つぶし知性体など、気にするだけ無駄です」


僕は端末を閉じ、大海原の向こうに見える次の大陸――旧欧州区の空を見上げた。


「さあ二人とも。次の大陸にも、僕たちを待つくだらない『★1』が山ほどあります。移動船へ乗り込みますよ」


「わあー! 次の古城へ出発だー!」


「次は静かで、絶対にミサイルが飛んでこない場所にしろよな……」


僕たち3体のシルエットは、荒野の朝空を背に受けて、次なる旅路へと歩みを進めていった。


(第24話・シーズン2【北米・荒野&ミリタリー編】・完)

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