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『人類が滅びたので、ポンコツロボ3体で★1レビュー旅を始めます』 〜銀河トラベルの厄介者、終末の地球でくだらない日常を過ごす〜  作者: GenerativeWorks
シーズン2:【北米・荒野&ミリタリー編】

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第22話:本社の刺客、二度目の敗北(アストラ再登場・後輩連れ)


「――見つけましたぞ、現場を乱す規格外の欠陥ユニットども!」


ミリタリー演習場跡の広大な荒野に、甲高い電子音が響き渡った。

そこに降り立ったのは、以前よりもどこか苦労人っぽいオーラを纏ったアストラ査察官と、その後ろで胸を張り、眩しいほどピカピカに磨かれた小型の最新鋭ロボ――後輩査察官の『シリウス』だった。


「アストラ先輩! こいつらですか、本社で噂の『★1ばかり投稿して業務を妨害している問題チーム』は!」


「あ……ああ、シリウス。あまり煽るような言い方はだな……」


アストラが気まずそうにバイザーを背けた。東アジアでの惨敗と救出劇以来、彼の態度にはどこか角が取れたような柔らかさがある。


「また出たな、メッキ野郎。……と、なんだそのチビ? 子分でも作ったのか?」


ボルトが鬱陶しそうに腕を組む。


「無礼な! 私は銀河観光公社・本社監査部第7課、シリウス査察官です! 機械生命体行動規範第102条に基づき、あなた方の不適切な調査報告および業務怠慢を是正しに来ました!」


シリウスはビシッと指を突きつけ、完璧なマニュアル通りのポーズを決めた。


「ねえねえメッキ二号〜! そのお腹のピカピカ、パッチの顔がうつる〜!」


パッチがコロコロと転がり寄り、シリウスの鏡面仕上げされたお腹の装甲にペタペタと油の手形をつけ始めた。


「ひゃっ!? な、なにをするのですか! 私は清潔度管理等級A判定です! タッチ禁止! マニュアル第15条に――」


「シリウス、やめておけ。そいつにマニュアルは通用せん……」


アストラが頭(冷却ファン)を押さえて溜め息をつく。


「先輩! なぜそんな弱気なのですか! 本社の命令は絶対です! さあ三二号、ただちにこの北米エリアの評価を全拒否し、本社へ謝罪の通信を――」


ドガシャーン!!


その時、シリウスが足を踏みだした場所の地面が崩れた。そこは旧軍の「自動対人地雷演習エリア」の真上だったのだ。


ピピピピッ! ターゲット感知:侵入者ヘ高圧電流照射!


「え? マニュアルにない罠……っ!?」


「あ、アホかお前は! 標識も見ずに足元確認しないで歩いてんじゃねえ!」


ボルトが瞬時に跳び出し、シリウスの首根っこを掴んで力任せに後ろへ放り投げた!


バチバチバチバチッ!!!!


直後、シリウスが立っていた地面から猛烈な高圧電流が噴き出し、空気を焦がす。


「ひやあぁぁぁ!? 電導性が過剰です! 危機管理マニュアル第8条……いや第12条……どれを適用すれば――!?」


「適用もクソもあるか! 敵の攻撃ゾーンから離れろってんだよ!」


パッチが「パッチも電気ダンス〜!」と地雷の周りで楽しそうに跳ね回り、シリウスは情報過多とマニュアルの不一致で目がぐるぐると回りはじめた。


プシュー……


「マニュアルに……記載が……ありません……エラー……処理能力上限……」


シリウスの頭部から白い煙が立ち上り、そのままコテッと横倒しになって沈黙した。


「シ、シリウスーーーっ!?」


アストラが駆け寄り、後輩の体を抱き起こしてガックリと肩を落とした。


「……だから言ったのだ。こいつらのペースに巻き込まれると、電子頭脳がパンクすると……」


「やれやれ。後輩の教育がなっておりませんね、アストラ査察官」


僕は冷ややかにバイザーを光らせ、手元の端末で『銀河トリップ(GalaTrip)』へ評価を打ち込んだ。


【スポット名:地球・旧北米区『未検定の演習場(ミリタリー演習場跡)』】


総合評価: ★☆☆☆☆(1.0)


安全性: ★☆☆☆☆(予告なしの感電トラップが多数埋設されています)


査察適正: ★☆☆☆☆(マニュアル依存度の高い最新鋭ロボは即座にフリーズを起こします)


【レビュアー:ナビ(銀河観光公社)】

「旧軍の訓練施設跡ですが、地雷等の危険物が放置された不完全なエリアです。本日同行した本社の新人査察官は、マニュアルにない事態に直面して数分でオーバーヒートを起こし機能停止しました。本社の教育体制の脆弱性を提示するだけの危険地帯です」


「送信完了です」


ピッ


通知音が静かな荒野に響く。


> 「役に立った!」が1件押されました。(ユーザーID:0000)

> ユーザーID:0000「★1評価に同意。頭の硬い新人ほど、あの演習場に放り込むと数分で頭から煙を出して倒れる名物スポットだな」


「名物スポットにするな……」


アストラは倒れたシリウスを背負い、疲れ切った顔で僕たちを見上げた。


「……私は後輩を連れて一度撤退します。ですがナビ……この先の『旧軍総司令部』へ向かうのはやめなさい。あそこには本社が強行採掘を進めている危険な自動要塞が眠っています……」


忠告を残し、アストラは壊れた後輩を抱えてVTOL船へと引き上げていった。


「旧軍総司令部……ですか。フン、余計なお世話ですね」


僕は端末を閉じ、アストラの船が去っていく空を見上げた。


(第22話・終わり)

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