表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無能と呼ばれた私が、世界の魔法理論を書き換えます  作者: Atelier Lotus


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/161

第53話 アントワンヌ・ベルナール

 ジョルジュの講義が終わると、一人の女性が教壇へ上がった。


 青みがかった長い髪を後ろで束ね、白衣の上から研究用のローブを羽織っている。


 柔らかな笑みを浮かべ、生徒たちへ一礼した。


「初めまして」


「魔法生物学を専門としております、アントワンヌ・ベルナールです」


 落ち着いた声が講堂へ響く。


「本日は、魔法生物についてお話しします」


 黒板へ大きく文字を書く。


 『魔法生物』


「さて、皆さん」


「魔法生物と聞いて、何を思い浮かべますか?」


 生徒たちが次々と答える。


「飛竜です!」


「グリフィン!」


「バジリスク!」


「カーバンクル!」


 アントワンヌは笑顔で頷いた。


「どれも正解です」


 黒板へ名前を書き並べていく。


 ワイバーン。


 グリフィン。


 バジリスク。


 カーバンクル。


 そして最後に。


 バロメッツ。


「植物もですか?」


 一人の生徒が驚く。


「ええ」


 アントワンヌは微笑んだ。


「バロメッツは魔法植物の代表例です」


「魔法生物とは、動物だけを指す言葉ではありません」


「生まれながらに魔力を宿し、魔法的な性質を持つ生物全般を指します」


 生徒たちは感心したように頷いた。


 すると、一人の生徒が手を挙げる。


「先生」


「ガルムやオーク、ゴブリンも魔法生物ですよね?」


 アントワンヌは首を横へ振った。


「いいえ」


「それらは魔法生物ではありません」


 講堂がざわつく。


「えっ?」


「違うの?」


「魔法生物じゃないんですか?」


 アントワンヌは黒板へ新しく二つの見出しを書いた。


 魔法生物


 魔物


「皆さんは、この二つを同じものだと思っています」


「ですが、まったく違います」


 左側へ書き足す。


 飛竜。


 グリフィン。


 バジリスク。


 カーバンクル。


 バロメッツ。


「彼らは生まれた時から魔法を扱う生物です」


「これが魔法生物」


 今度は右側。


 ガルム。


 オーク。


 ゴブリン。


「こちらは魔物です」


 一拍置く。


 講堂を見渡しながら、静かに告げた。


「魔物とは――」


「魔素によって変質した存在です」


 その一言に、講堂は静まり返る。


「過剰な魔素の影響を受け、本来の生物が変質したもの」


「それが魔物です」


 ルシエの瞳が大きく見開かれた。


(魔素によって……変質?)


 その言葉が胸に引っかかる。


 今まで学んだ講義が頭の中で繋がり始める。


 魔素。


 魔法。


 物質。


 そして、生物。


 ルシエは無意識のうちにノートへ視線を落とした。


 ――魔素は、生物まで変えてしまうの……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ