↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デモンズ・リベレーション~俺は転生して魔人となり、くそったれな世界に叛逆する~  作者: 宇月ナギ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

77/80

70話 焼け焦げた村と真実

 ヒルファと街道を歩き続けて数十日。


 俺とヒルファはついに、カルラの生まれ故郷と思われる辺境の村にたどり着いた。


「ようやく着いたなアラタ。しかし、酷い…」


 ヒルファの言う通り、その村は酷い光景だった。


 焼け焦げた家屋が立ち並び、村の中央広場には丸太がいくつも打ち込まれ、その根元には焼け焦げた薪のようなものが積まれている。


 広場の丸太…これは一体何なのだろう。


 そして、その広場の脇には、無数の墓標が並んでいた。


 墓標の手前に土が盛られているところを見ると、彼らはそこに埋められているのだろう。


 もしかして、全部カルラが埋葬したのか?


「ひでえもんだな…おそらく、あの丸太に括られ、生きたまま火で焼かれたのだろう…」


 ヒルファは悲痛そうな表情を浮かべると、無数の墓標に向けて手を合わせ、黙祷を捧げていた。


 聖職者らしい一面もあるんだな。


「一応言っておくぞ。これは神に祈ってるんじゃねえ。犠牲になった方々へ、冥福を祈っているだけだ」


 ヒルファは黙祷を捧げながら口だけを動かし、言った。


「…知っているさ」


 俺もヒルファに倣って黙祷を捧げた。


 黙祷を終え、俺は墓標に目を向けた。


『カイル・ネメシス 村長 ここに眠る レイジア教の真実を知り、戦おうとした偉大な父』


『レイカ・ネメシス 村長婦人 ここに眠る 夫を支え、最後まで息子と娘を守ろうとした偉大な母』


『ネリア・ネメシス 村長の娘 ここに眠る 心優しく純粋で、かわいい妹』


 一番手前にはこの三つの墓標が立てられていた。


 ネメシス…間違いない。カルラの家族たちだ。


 大事な家族の墓を自分で掘ったなんて…どれだけ心が痛かったものか…


 想像するだけで心が引き裂かれそうだ…


「ん?妙だな…この石碑、なんて書いてあるんだ?読めん…」


 ヒルファは心底不思議そうな声を上げ、墓の脇の石碑を眺めていた。


 小さい石碑だった。恐らく墓ではない。


 俺もヒルファのもとに駆け寄り、石碑に目を通す。


 ありえない…どうして?


 その石碑は、俺には読むことができた。


『レイジア教よ、覚悟しろ。八神慶、いや、カルラ・ネメシスは、貴様らを決して許さない。いつか真実を白日の下にさらし、復讐してやる』


 このように、日本語で刻まれていた。


 もしかして…カルラは転生者なのか?


 そして、八神慶という名前にも見覚えがある。


 召喚される直前、図書館で見た新聞記事。


[特待生の悲劇 父親に殺害される]


 この被害者が八神慶だった。


 なんてことだ…


 前世では父親に理不尽に殺害され、転生してようやく得られた家族をレイジア教に理不尽に奪われた。


 こんな酷い話があっていいのか?


 俺は、溢れてくる涙を、抑えることはできなかった。


「…アラタ、これを読めるのか?」


「…ああ、読める。これは、俺のもとの世界の文字だ。カルラも…そうなんだろう」


 内容もヒルファに聞かせ、驚き冷めやらぬまま、俺たちは唯一焼けていない建物…


 レイジア教教会に足を踏み入れた。


 しかし、目ぼしいものは見つからない。


 大規模魔術に関わる資料も、証拠も一切無かった。


 諦めて出ようとしたその時…


 床に違和感を覚える。


 鳴り響く足音が僅かに違う床がある。


 まるで、下が空洞になっているような…


「ヒルファさん、ここかもしれない!」


 ヒルファを呼び、俺はその床に向けて魔術を放った。


 すると、石畳が砕け、隠し階段が姿を現した。


「でかしたアラタ!よし、行こう!」


 そして、暗闇が支配する地下へ向けて、歩を進める。


 そしてたどり着いた地下室。


 おそらく、隠されていた密会の部屋なのだろう。


 探していたものは、すべてそこにあった。


 俺とヒルファは、真実を手に入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。