40話 いざ、監獄島へ!
オルガの泳ぎに引っ張られ、振り落とされそうになりながらも、俺たちはなんとか
レヴィアス海賊団の海賊船、ブラックカルディス号までたどり着いた。
そして、海賊船のクルーの手も借りてどうにか海賊船に乗り込むことができた。
「おいオルガ!振り落とされるところだったじゃないか!俺は片腕しかないんだぞ!その辺考えてくれ!」
俺は船に上がって早々オルガに苦情を言った。
本当に危ないところだった…
途中からオルガに触手を巻きつけてしがみついたが、恐らく片手のままだったら、今頃海のど真ん中に置き去りにされていただろう。
「ほんとだよ!急いでたのはわかるけど、危ないじゃん!」
「ぜぇ…はぁ……死ぬかと思った…」
スズカは顔に疲労を滲ませながら怒鳴り、クロウは今にも死にそうな顔色で四つん這いになっていた。
そうだそうだ、もっと言ってやれ。
アイズなんて、疲れ果てて端に座り込んでいる。
言葉を発する余裕もなさそうだ。
「グハハハハ!悪ぃ悪ぃ!あの姿で泳ぐのは久しぶりだったんでよぉ!気合入りすぎちまったぁ!」
なにわろてんねん…
こっちは死ぬところだったんだが?
「まあ、生きてるんだからいいじゃねぇか!それより、俺の仲間たちを紹介しがてら、船を案内する。ついてきてくれ」
そう言ってオルガは俺たちに声をかけ、歩き出した。
誰のせいでこうなったと思ってるんだ…
…マイペースな奴だ。
俺たちは身体に鞭打ってオルガの後に続いた。
◇
船内は思ったより整理されており、清掃も行き届いていた。
海賊っていうものだから、もっと散らかってるものだと思っていたが、そうでもないようだ。
やはり偏見はよくないな。
船内の案内とクルーとの顔合わせも終わり、俺たちは船長室に来ていた。
「んじゃ、監獄島の位置について説明しておくぜぇ」
オルガはそう言って、海図を広げた。
おお、知っていたのか。
正直、これはありがたい。
知らなければレイジア教の監獄島への輸送船を襲撃しなきゃいけないところだった。
「前にレイジア教の輸送船を襲撃したときに、奪った物資の中にこの海図が紛れ込んでたんだ。それで、監獄島の位置は…ここだ」
オルガは海図の一点を指さした。
そこには、ギルドの図書館にも書かれていなかった位置に島が確かに表記されていた。
そして、オルガはさらに説明を続ける。
「ここから監獄島までは大体5日といったところだ」
そのオルガの発言に俺は違和感を覚えた。
現在位置から監獄島までそこまで遠く離れているようには見えない。
せいぜい2日で到着できる距離だ。
「……カルラは気付いたみたいだなぁ。そう、距離的にはそこまで大したことない。問題は、監獄島周辺は海流がかなり入り乱れていてなぁ、普通の船と操舵の腕じゃまずたどり着けないんだ」
「おいおい、それじゃあどうするんだ?」
オルガのまさかの発言に俺は思わず問いかける。
たどり着けないんじゃ意味がない。
いや、5日かかれば到着可能ってことはその海流をどうにかする手段を知ってるのか?
オルガは俺の発言を聞き、焦るでもなく、不敵な笑みを浮かべて答える。
「その辺は大丈夫だ。俺の船の頑丈さと、俺の仲間を舐めてもらっちゃ困るぜぇ。普通の船と操舵技術じゃ無理って話だ。この船と俺と俺の仲間たちの操舵技術があれば海流なんか問題ない」
「ゴリ押しかよ!」
俺は思わずツッコミを入れてしまった。
てっきりレイジア教の奴らから秘密の航路とかを聞き出してるのかと思ったじゃないか!
「大丈夫だ!まあ見てろ、じゃあ行くぜ、監獄島へ!」
そう言ってオルガはにこやかに笑った。




