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デモンズ・リベレーション~俺は転生して魔人となり、くそったれな世界に叛逆する~  作者: 宇月ナギ


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幕間 教皇の決意

 サンクレイ神仰国 王都 教皇の間


 そこの玉座に座るレイシスは、魔人調査の任務から帰還したアイクの報告を聞いていた。


「さて、では報告を聞こうか。アイクよ」


 その言葉に、アイクは跪いたままの姿勢で、報告内容を告げる。


「はっ、アレンシオ王国の商業都市アリステアにて、例の魔人に接触しました。蓬莱帝国出身と思われる女の魔人と行動を共にしておりました」


 レイシスは聞いて早々、頭痛がするような思いだった。


 神威の副隊長が勇者召喚を奏上するような魔人に、あの修羅が跋扈する軍事国家である蓬莱帝国出身の魔人が共に行動しているなど、質の悪い冗談のように聞こえてしまう。


 そんなレイシスにさらなる信じがたい報告が舞い降りる。


「都市内で不意打ちによる暗殺を試みましたが、失敗し、対象が逃亡を図りました。そして、出口で待機していたドラグとゲインが足止めとして交戦し、二人とも瀕死の重体に陥りました」


「な、なんだと!?しかし、であれば魔人の方も深手を負ったのであろうな?」


 これでほぼ無傷で圧倒されたのであれば非常にまずい。


「そ、それが、たどり着いたときには既に勝敗が決しており、遠目に確認した限りでは、目立った傷は負っていないように見えました」


 なんということだ。


 真の力を発揮できていないとはいえ、神威はレイジア教の最高戦力だ。


 それが、鎧袖一触にされたとなれば、とてつもない脅威だ。


「そして、我々も交戦に入ろうとしたところ、裏切り者のクロウの妨害を受け、撤退を許してしまいました。申し訳ございません。報告は以上でございます」


 なんと…さらに元神威の魔人が加わったとは…


 それに、あの男も行動を共にしているとなれば、あの汚らわしい魔術師集団の一人も共に行動しているだろう。


 近いうちに勇者召喚を行わなければ、非常にまずい。


 そうして、アイクの報告が終わり、沈黙が支配していた教皇の間であったが、唐突にその静寂が破られる。


「教皇猊下!緊急!緊急のご報告でございます!」


 サンクレイ神仰国の宰相、アレクシスが息を切らして教皇の間に足を踏み入れた。


「なんだ、申せ」


「はっ、港湾都市アクアポリスの教会からの報告によると、昨夜、件の魔人によって教会が襲撃を受け、聖騎士には被害が出ていないようですが、物的被害は甚大だとのことです!」


「なっ!そこの教会には忌まわしき海賊、オルガを捕らえていたはずだ!奴はどうなった!」


 聖騎士などいくらでも替えが効くが、奴が逃亡したとなればかなり厄介だ。


「そ、それが…聖騎士たちが目を覚ました際には牢は既に破られており、件の魔人の目的は、オルガの救出及び味方に引き入れることだったのではないかと考えられます!」


 ……もはや一刻の猶予もない。


 これはレイジア教始まって以来の脅威だ。


 魔人を束ねる者…


 まさに魔王だ。


 ……やむを得ない。


「すぐに勇者召喚の儀に入る。生贄の準備をしておけ」


「し、しかし、生贄となる魔人が足りておりません!如何致しますか?」


 アレクシスがレイシスを止めるように口を挟む。


 しかし、レイシスはなんてこともないように声を荒げて言った。


「そんなもの、適当に信徒から連れてくればよかろう!レイジア教の平穏の糧になれるのだ!喜んで生贄になるであろうよ!」


 そうしてレイシスは、教皇の間を後にした。


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