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デモンズ・リベレーション~俺は転生して魔人となり、くそったれな世界に叛逆する~  作者: 宇月ナギ


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27話 迫りくる神威

 商会を後にし、俺たちは宿をとった。


 監獄島の位置が分かったのなら、この町に長居する理由はない。


 スズカと話し合い、ギルドで簡単な魔獣討伐の依頼を受け、

 必要物資の補充が終わった後、町を出る方向で決まった。


 翌日、ギルドに向かおうと歩き出して少し経ったその時…


「ねえ、カルラ。気付いてる?」


 …やはりスズカも気付いたか。


 気配を消して後をつけてくる人間が…1人か。

 わずかに見えたマントから、レイジア教の関係者だということが分かった。


「ああ、俺たちを尾行してる奴がいるな」


「あの商人に告げ口されたのかな?」


 確かに、この町に着いてからの心当たりはそれぐらいしかない。

 しかし、それはないだろう。


「いや、あの商人じゃないな。告げ口したにしても行動が早すぎる」


 だとすれば、可能性は一つ…

 俺が村で逃がした腕利きの兵士。


 奴が連れてきたのだろう。


 その時間は十分あった。


「まあ、さすがに奴らでも住民を巻き込みかねない街中で仕掛けてくることは……」


「死ね、汚らわしい魔人め!」


「っ!!」


 路地の陰からレイジア教のマントを身に着けた暗殺者のような奴が

 一瞬で距離を詰めて俺の首めがけてナイフを突き出してきた。


 俺は紙一重で首を逸らす。


 髪の先端がわずかに切り裂かれ、宙を舞う。


 あぶなかった。


 少しでも反応が遅れていれば

 首を貫かれていただろう。


 いや、それよりも…


 こいつら、住民を巻き込むこともいとわずに襲ってきやがった!

 何を考えてやがる!


「ちっ!仕留めたと思ったのだがな。思ったよりできるようだ」


「あの、すみません。誰かと勘違いしていませんか?俺はただの旅の冒険者ですよ?」


 こういう時は、しらを切るしかない。


 こんなところで戦いたくない。


「いや、その珍しい黒髪に、右腕のない男。間違えるわけもない!」


 そう言って現れたのは…


 忘れるわけもない。

 俺が村で逃がした男だった。


 そうか、やはりこいつか。


「我々はレイジア教の実行部隊"神威"だ。村では随分とやってくれたな。貴様の命、頂戴する!」


 そう言って男は剣を抜き、仲間に合図のような仕草を見せる。


 それに呼応するように俺にナイフを突き出してきた奴と、後ろで尾行していた奴が

 それぞれの武器を手にして襲い掛かってきた。


 おいおい!本当にお構いなしかよ!


 だが、迎撃するわけにもいかない。

 してしまえば、間違いなく住民も巻き込んでしまう。


「スズカ、逃げるぞ!」


「そうだね、こんなところじゃ戦えないよ!」


 俺とスズカは即座に半魔人状態を解放し、町の出口に向けて走り出した。


「ここは通さん!」


 目の前に先ほど合図をした男が剣を構えて立ちはだかる。


「なら力ずくでどかすまでだ!」


 俺は剣を振り上げた男に瞬時に距離を詰め、剣が振り下ろされる前にその腕を掴む。


 そして足を払って後ろに向けて投げ飛ばす。


「おお!そんなこともできたんだね!カルラは引き出しが多いんだね!今度勝負しようよ!」


「言ってる場合か!さっさと逃げるぞ!」


「くそっ!追え!絶対に逃がすな!」


 神威の連中がさらに速度を上げて迫ってくる。


 このまま町を出るか?

 それとも、入り組んだ街中で撒くか?


 このまま町を出れば、恐らく戦闘は避けられない。


 奴らが俺を逃がさないつもりなら、逃げた可能性も考えて

 町の外にも兵を配置しれいるはずだ。


 そうなれば、そいつらに足止めされれば間違いなく奴らに追いつかれてしまうだろう。


 入り組んだ街中で撒こうにも、こうも速いと簡単じゃない。

 うまく隠れたとしても、もし見つかってしまえば街中で戦闘が始まってしまう。


 どうする…


 くそっ!迷ってる時間はない!


「スズカ、このまま町を出るぞ!外で迎撃する!」


「そう言ってくれると思ってたよ!」


 …やっぱりこいつは戦いたかったんだな。


 頼もしいよ。本当に。


 そして、全速力で出口に向かい、町を出ると…


 やはりいた。


 法衣と同じ模様のマントを身に着け、右手に大剣を持ち、肩に担ぐ男。


 それともう一人…同じマントを身に着け、長杖を持つ魔術師のような風貌をした男。

 

「おっと魔人共、逃がしはしないぞ?」


「逃げられるとは思わないことだ」


「やっぱりな。お前らならそうすると思ったよ!」


 俺はマジックバッグから片刃の剣を取り出し、大剣を持つ男に斬り掛かった。


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