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デモンズ・リベレーション~俺は転生して魔人となり、くそったれな世界に叛逆する~  作者: 宇月ナギ


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23話 宿屋での会合

 静まり返る室内。


 静寂がその空間を支配していた。


 俺は先ほどとった宿屋の一室にスズカとヒルファを

 呼んでいた。


「んで、なんだ?話って」


 ヒルファが鋭い目のまま続きを促した。


 そこには普段の不真面目さはなく、真剣に話を聞く姿勢に

 なっている。


 やはり、こいつなら信用できる。


「んー?私にも関係あるのー?

おなか減ったから関係ないならごはん食べにいきたいんだけど」


 …こいつとは違って。


「飯は我慢しろ。俺とパーティを組むなら、当然関係ある。」


「はーい、今はパンで我慢しよーっと」


 もし、スズカがレイジア教との闘いを拒否するなら

 多少惜しいが、パーティは解散するしかない。


「まず、ヒルファ。お前はレイジア教の神官だな?」


「…一応な。神なんか信じてない不良の下級神官だがな」


 ヒルファはなんでもないように答える。


「あんたは、レイジア教が人間の感情を消すための大規模な儀式魔術の

ことを知っているか?」


「…知らん。そんなのがあるのか?」


 …嘘ではなさそうだが、警戒は必要だな。


「俺が魔人になっちまったのも、親父がその秘密を

立ち聞きしたせいで、俺も含めて村民全員が火あぶりにされた

ことが原因なんだ」


「…は?」


 ヒルファの表情に驚きと共に怒りの色が浮かぶ。

 …なるほど、そこに怒るのか。


「いまの話、嘘はないだろうな?」


 ヒルファはより目を鋭くして問いかけてくる。


「ああ、誓って嘘はない。とはいえ、証拠はないがな。

全部焼かれてしまったしな。だが、俺の村の焼け跡なら残ってるはずだ」


「……なるほど、嘘は言ってないようだな」


 …信用はできてもやはり油断はできないな。


 スズカも先ほどのふざけた雰囲気はどこへやら、真剣な表情で

 聞いている。


「まあ、知らないのはわかった。あんたに聞きたいのは、この計画を

知っている人間はどの程度いるのかということだ」


 もし、神官全員が知ってるのではないのなら、神官だからと

 殺すのは間違っている。


 俺の目的はレイジア教を潰すことだが、事情を知らない奴まで

 殺す趣味はない。


 ヒルファも、再び真剣な表情で答える。


「少なくとも、下級神官には知らされていない。下級神官はあくまで

人類救済を目的として純粋に人々を想っている人間もそれなりにいる」


「お前もそうなのか?」


 だとしたら、こいつはなんでこんなに

 飲んだくれているのだろうか。


「…俺の場合、神官の立場でいれば少なくとも俺の目の届く範囲であれば

助けられるから、そのために神官の立場を利用してるってところだな」


 ヒルファは続けて答える。


「結局のところ、人々を救うのは祈りなんて目に見えない

ものじゃなく、飯や金だ。……それと酒だな」


 おい、最後…

 真面目な雰囲気が台無しだ。

 まあ、事実そうかもしれないが。


「まあ、お前さんの目的はなんとなく察しはついたぞ。

レイジア教を潰して、その大規模儀式魔術を阻止するってところか」


「まあ、そういうことだ。だが、下級神官とかの、事実を知らない奴まで

殺すつもりはない」


 俺は簡潔に答える。


「そういうことなら、是非止めてくれ。そんなクソつまらなそうな

計画なんざ御免だな」


 …コイツを選んで正解だったようだな。


「だが、計画の件、無条件で信じるわけにはいかない。こちらでも

調べてみることにする。何かわかったらなんらかの手段で知らせる」


 慎重だな。そうでないと困るが…


「んで、スズカ、そういうわけだから、これからこのレイジア教に

喧嘩を売ることになるわけだが、どうする?」


「んー?別にいいよー!強そうな奴と戦えそうだし、ばっちこいだよ!」


 うん、だと思った。


「というわけで、俺の話は以上だ。聞いてくれてありがとう」


「ああ、いいってことよ。計画の件、真実だったら俺もお前さんに

協力させてもらうが、いいよな?」


 ほう、ここまで踏み込んでくるとは。

 …願ったり叶ったりだ。


「ああ、よろしく頼む」


 そう答えると、ヒルファは立ち上がり

 俺に背を向けて立ち去ろうとする。


「ああ、言い忘れてた」


 その言葉と共にヒルファは立ち止まる。


「レイジア教には、異端者を排除するための"神威(かむい)"って連中がいる。

奴らは魔人狩りを専門に行う実行部隊だから、精々気を付けるんだな」


そう言い残して、今度こそ去っていった。

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