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デモンズ・リベレーション~俺は転生して魔人となり、くそったれな世界に叛逆する~  作者: 宇月ナギ


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20話 動き出す機構

 遺跡の奥へ進む。


 通路は不気味なほど静かだ。


 本来なら、こういう場所ほど危険なはずだ。


 罠。

 

 防衛機構。

 

 侵入者を排除するための何か。


 だが……


「なんか何もないね?」


 スズカが天井を見上げる。


 梁。

 

 装飾。

 

 規則的に並ぶ構造。


「それっぽいのはあるけどさ」


 壁の一部を叩く。


 カコン、と空洞音。


「動かないや」


 スズカの声に反応して俺も目を向ける。


 穴。

 

 小さな開口部。


 恐らく射出口だ。


 本来なら、ここから何かが飛び出すはずだった。


 矢か魔術によるものかは不明だが。


 だが、何も起きない。防衛機構は完全に死んでる。


 まあ、はるか昔の機構だし、何も不思議ではないが。


 通路の先。


 床に、円形の紋様。


 魔術陣だ。巧妙に隠されているが

 俺の左目は見逃さなかった。


「ねぇこれ、踏んでいいやつ?」


 どうやらスズカにもお見通しのようだ。


「やめとけ、やばいトラップかもしれんぞ?」


 スズカの足が止まる。


 少しだけ残念そうに。

 そして内心ビビった表情で…


 俺は近づいて紋様を観察する。


 魔力の流れはほとんどない。


 この魔力量では正常に動作しないはずだ。


 これも機能停止してるみたいだな。


 俺は、何が起きても対応できるよう、慎重に踏む。


 …やはり何も起きない。


「ほら大丈夫だったじゃん」


「俺の場合はちゃんと動作してないこと確認してから踏んだんだ」


「つまんないのー」


 スズカが口を尖らせる。


 ……この調子だと敵も普通の魔物しかいない

 可能性がある。


 遺跡を飲み込んだダンジョンであるとわかったときから

 防衛機構を利用したゴーレムがいる可能性を考えていたが

 杞憂で済みそうだ。


 そう思った瞬間。


 違和感。


 地面が微かに振動している。


 地震か?

 いや、違う。


 これは。


 地震じゃない。


 何かが動いている!


「スズカ!来るぞ!」


 短く言う。


 その瞬間。


 奥の闇が、動いた。


 影が持ち上がる。


 いや、壁が“立った”。


 ゆっくりと。


 音を立てて。


 石と鉄が、擦れる音。


「……でっか」


 スズカが呟く。


 俺も見上げる。


 巨大。

 

 それだけで圧がある。


 人間など、指先で潰せるサイズ。


 ……ゴーレムだ。


 間違いない。


 だが——


 古いな。


 装甲は崩れ。

 

 関節は露出し。

 

 一部は欠けている。


 そして。


 腕に握られているのは長い筒状の武装。


 ……銃だ。


 あれだけの口径であれば、撃たれたら

 ひとたまりもない。。


 だが——


 ゴーレムはそれを。

 

 振り上げた!


「――ッ!」


 叩きつける。


 地面が砕ける。


 衝撃が走る。


 鈍器かよ!


 いや、既に壊れていて鈍器としてしか

 使えないのかもしれない。


 しかし、本来の威力を発揮していないとはいえ

 その威力は絶大だ。


「当たったら終わりだねー!」


 スズカが笑う。


 楽しそうに。


 角が強く光る。


「いいじゃん、これ!」


 一瞬で消える。


 踏み込み。


 斬撃。


 金属に刃がぶつかる。


 火花。


「硬っ」


 弾かれる。


「面白い!」


 笑った。


 ……通らないか。


 カルラは冷静に観察する。


 装甲はかなり厚いようだ。


 だが、こういった巨大ゴーレムの弱点を突けば

 勝機はある。


 装甲の継ぎ目。

 つまり、関節部分!


 機械であれば必ずそこが弱点になる。

 

 そこなら。


「スズカ!」


「なにー?」


「奴の足を止めろ!」


 一瞬の沈黙。


 次の瞬間。


「任せて!」


 即答。


 飛び込む。


 連続の斬撃。


 注意を引く。


 ゴーレムが動く。


 腕を振るう。


 スズカが避ける。


 床が砕ける。


 よし!今だ!


 右腕を変形させる。


 砲身。


 魔力を圧縮する。


 そして、火球の魔術を無詠唱で組み上げる。


 集中。


 収束。


 構築完了!


「スズカ!離れろ!」


「はいよー!」


 俺はスズカが跳躍してゴーレムから離れるのを

 視認する。


 放つ。


 ――ドォンッ!!


 轟音。

 

 魔力の塊が走る。


 足の膝関節部へ着弾。


 爆発。


 破砕。


 ゴーレムの動きが鈍る。


「おー!効いてるよ!」


 スズカが声を上げる。


 俺は安堵し、息を吐く。


 ……いけるな。


 だが、次の瞬間。


 ゴーレムの胸部が、淡く光った。


「……んん?」


 スズカが首を傾げる。


 俺は目を細めて観察した。


 ……ゴーレムコア。


 ゴーレムを構成する核。


 それが破損した装甲の隙間から覗いていた。


 ゆっくりとゴーレムが、再び動き出す。


 軋みながら、だが確実に。


 こちらへ向かってくる。


「いいね……!」


 スズカが、嬉しそうに笑った。


「もっと遊べるじゃん!」


 俺は再び構えを取る。


 ……ただの残骸じゃない。


 これは守るために作られたものだ。


 恐らく、元々防衛機構の1つとして製造されて

 長い時間をかけてその内部にゴーレムコアが

 生成されたのだろう。


 そして、ダンジョンの奥で眠ることなく。


 ずっと侵入者を待ち続けていた。


「……壊すぞ」


 短く言う。


「おっけー!私も魔術、使っちゃおうかな!」


 スズカが不敵に笑う。


 そして——


 巨大な影へ向かって。


 二人同時に踏み込んだ。

 遺跡の奥へ進む。


 通路は不気味なほど静かだ。


 本来なら、こういう場所ほど危険なはずだ。


 罠。

 

 防衛機構。

 

 侵入者を排除するための何か。


 だが……


「なんか何もないね?」


 スズカが天井を見上げる。


 梁。

 

 装飾。

 

 規則的に並ぶ構造。


「それっぽいのはあるけどさ」


 壁の一部を叩く。


 カコン、と空洞音。


「動かないや」


 スズカの声に反応して俺も目を向ける。


 穴。

 

 小さな開口部。


 恐らく射出口だ。


 本来なら、ここから何かが飛び出すはずだった。


 矢か魔術によるものかは不明だが。


 だが、何も起きない。防衛機構は完全に死んでる。


 まあ、はるか昔の機構だし、何も不思議ではないが。


 通路の先。


 床に、円形の紋様。


 魔術陣だ。巧妙に隠されているが

 俺の左目は見逃さなかった。


「ねぇこれ、踏んでいいやつ?」


 どうやらスズカにもお見通しのようだ。


「やめとけ、やばいトラップかもしれんぞ?」


 スズカの足が止まる。


 少しだけ残念そうに。

 そして内心ビビった表情で…


 俺は近づいて紋様を観察する。


 魔力の流れはほとんどない。


 この魔力量では正常に動作しないはずだ。


 これも機能停止してるみたいだな。


 俺は、何が起きても対応できるよう、慎重に踏む。


 …やはり何も起きない。


「ほら大丈夫だったじゃん」


「俺の場合はちゃんと動作してないこと確認してから踏んだんだ」


「つまんないのー」


 スズカが口を尖らせる。


 ……この調子だと敵も普通の魔物しかいない

 可能性がある。


 遺跡を飲み込んだダンジョンであるとわかったときから

 防衛機構を利用したゴーレムがいる可能性を考えていたが

 杞憂で済みそうだ。


 そう思った瞬間。


 違和感。


 地面が微かに振動している。


 地震か?

 いや、違う。


 これは。


 地震じゃない。


 何かが動いている!


「スズカ!来るぞ!」


 短く言う。


 その瞬間。


 奥の闇が、動いた。


 影が持ち上がる。


 いや、壁が“立った”。


 ゆっくりと。


 音を立てて。


 石と鉄が、擦れる音。


「……でっか」


 スズカが呟く。


 俺も見上げる。


 巨大。

 

 それだけで圧がある。


 人間など、指先で潰せるサイズ。


 ……ゴーレムだ。


 間違いない。


 だが——


 古いな。


 装甲は崩れ。

 

 関節は露出し。

 

 一部は欠けている。


 そして。


 腕に握られているのは長い筒状の武装。


 ……銃だ。


 あれだけの口径であれば、撃たれたら

 ひとたまりもない。。


 だが——


 ゴーレムはそれを。

 

 振り上げた!


「――ッ!」


 叩きつける。


 地面が砕ける。


 衝撃が走る。


 鈍器かよ!


 いや、既に壊れていて鈍器としてしか

 使えないのかもしれない。


 しかし、本来の威力を発揮していないとはいえ

 その威力は絶大だ。


「当たったら終わりだねー!」


 スズカが笑う。


 楽しそうに。


 角が強く光る。


「いいじゃん、これ!」


 一瞬で消える。


 踏み込み。


 斬撃。


 金属に刃がぶつかる。


 火花。


「硬っ」


 弾かれる。


「面白い!」


 笑った。


 ……通らないか。


 カルラは冷静に観察する。


 装甲はかなり厚いようだ。


 だが、こういった巨大ゴーレムの弱点を突けば

 勝機はある。


 装甲の継ぎ目。

 つまり、関節部分!


 機械であれば必ずそこが弱点になる。

 

 そこなら。


「スズカ!」


「なにー?」


「奴の足を止めろ!」


 一瞬の沈黙。


 次の瞬間。


「任せて!」


 即答。


 飛び込む。


 連続の斬撃。


 注意を引く。


 ゴーレムが動く。


 腕を振るう。


 スズカが避ける。


 床が砕ける。


 よし!今だ!


 右腕を変形させる。


 砲身。


 魔力を圧縮する。


 そして、火球の魔術を無詠唱で組み上げる。


 集中。


 収束。


 構築完了!


「スズカ!離れろ!」


「はいよー!」


 俺はスズカが跳躍してゴーレムから離れるのを

 視認する。


 放つ。


 ――ドォンッ!!


 轟音。

 

 魔力の塊が走る。


 足の膝関節部へ着弾。


 爆発。


 破砕。


 ゴーレムの動きが鈍る。


「おー!効いてるよ!」


 スズカが声を上げる。


 俺は安堵し、息を吐く。


 ……いけるな。


 だが、次の瞬間。


 ゴーレムの胸部が、淡く光った。


「……んん?」


 スズカが首を傾げる。


 俺は目を細めて観察した。


 ……ゴーレムコア。


 ゴーレムを構成する核。


 それが破損した装甲の隙間から覗いていた。


 ゆっくりとゴーレムが、再び動き出す。


 軋みながら、だが確実に。


 こちらへ向かってくる。


「いいね……!」


 スズカが、嬉しそうに笑った。


「もっと遊べるじゃん!」


 俺は再び構えを取る。


 ……ただの残骸じゃない。


 これは守るために作られたものだ。


 恐らく、元々防衛機構の1つとして製造されて

 長い時間をかけてその内部にゴーレムコアが

 生成されたのだろう。


 そして、ダンジョンの奥で眠ることなく。


 ずっと侵入者を待ち続けていた。


「……壊すぞ」


 短く言う。


「おっけー!私も魔術、使っちゃおうかな!」


 スズカが不敵に笑う。


 そして——


 巨大な影へ向かって。


 二人同時に踏み込んだ。

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