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標的の男がバックヤードに入って行った。
マスターは、周りに誰もいないことを確認しバックヤードに入って行く。
中は寒く、両腕をクロスさせて左右の腕を擦りながら追跡する。
目の前に「更衣室」と書かれた部屋があり、バレないように忍び足で中へ入る。
中は更衣室とのこともあり、ロッカーが大量にある。
この中に標的のロッカーがあるはずだ。
苗字は「坂田」だったな。
「坂田」と書かれたロッカーを探した。
「……」
マスターは、その場で考え込む。
「坂田」と書かれたロッカーはあった。
それは良かったんだが、次が問題だ。
「……三つある」
これは……難儀だ。
どうすればいいやら……。
時間が経つにつれ、自分自身の身が危うくなる。
「よし!全部確認するか」
まず一つ目の「坂田」
鍵はかかっておらず、開けると良い香りが漂ってきた。
中を見ると…。
「お?これは……」
女性の私服が入っていた。
ん?女性!?
いや、まさか……。
このロッカーを静かに閉めて、二つ目の「坂田」のロッカーを開けようとした。
今回は、鍵がかかっていた。
「このタイプのロッカーだと、こうだな」
取っ手を両手で掴み、あれやこれやと力を入れる。
すると、ロックが外れ開けることができた。
「お?これは……」
女性物の下着などが入っていた。
マスターは考える。
考えた末に、バレないようにこの部屋から出てプレートを確認した。
「あ……」
たしかに、間違いなく「更衣室」と書かれている。
だが、角度が悪いせいなのか、少し体をずらしてもう一度見てみると「女子更衣室」
別の収穫をゲットしたマスターは、隣にある「男子更衣室」へ入っていく。
やる気に満ちたマスターは、素早くロッカーを確認する。
どうやら「坂田」と書かれたロッカーは一つだけみたいだ。
そのロッカーに近づき、手をかざすと鍵がかかっていた。
もう一度、死んだおばあちゃんの伝授で教わったやり方で、ロックが外れて中を確認する。
中には男性の私服にバックがあった。
バックを漁ると免許証が出てきた。
見てみると「坂田康二」と書かれており、それをスマホで写真を取り、ロッカーを閉めた。
もう一度、あれやこれやと力を入れてロックかける。
これで、あとは戻るだけ。
マスターは、周りを確認しながらバックヤードから出て、そのまま帰路に経つ。
外に出ると夕方になっており、早足で現在進行形で変化を遂げているであろう魔王城の前まで来た。
何かが頭を過ぎる。
なんだ……これは何かの前兆なのか。
そう感じながら、一度立ち止まり考えてみる。
「あ……」




