第2話 貴婦人の鼓膜に咲く、芳醇なる吐息の葬列(バーストゲップ)
やっぱり汗がうざうざな為、シャワーを浴びスッキリしたのち、着替えた。
ウチの家は代々曾祖父のその前の前々の前々前々──以下略から続いてる由緒あるお家柄、旧華族と言われる一族の本家。
ついこないだ祖父に家督を受け継がれ、第◯代に襲名した父。結構大変な争いがあったとかないとか。
そんでもってさっそく古ーい家だった為改築し、和洋折衷なシックな仕上がりな家となり、前より遥か快適な住み心地になり、分家の人達が集まった際高評価をいただいてるとか。
あんだけ一族の争いをしたのに仲良いとは、何の争いをしたやら。
「さっぱりだぜ!……あれ?ノアのやついないのか??まぁいいや」
気配がないから遊びに行ったんだろう、と思い、ダイニングのある部屋まで長ーーい武家屋敷のような板張りの廊下を歩く。窓とか一切ないから、心地よい風が火照りを冷ます良い微風だ。
扉を開け入ると、
「遅い!今何時だと思ってるの!?」
と邂逅一番にぞんざいなセリフを浴びせられた。
そこには、三人がけのソファに座ってる少々残念な体型のすらっとしたモデルのような少女、幼馴染の七瀬川早苗がいた。吊り目な感じがキツい。
「誰だ?……って早苗か。どうした、なんか用か?」
「用なんてあるわけないでしょ、暇つぶしにお邪魔してるのよ。おばさんにはちゃんと許可貰ってるから」
「……あっそ」
会話を打ち切り冷蔵庫に何かないか探すと、こないだ買ってあった炭酸水を手に取って飲もうとしたら、
「ねぇ、私のこと見てなんか言うことないの?」
「はぁ…何が??」
と返したら、
「…………この朴念仁、鈍感、ヘタレ、童貞!」
「カッチーン、今言ってはならいこと言ったな!」
俺は早苗が言ってはならないワードを口にしたなら、目に目を口には口をだ。
そのまま無言で手に持った炭酸水の蓋を開け、半分くらい、ゴキュゴキュって乾いた喉を潤すため飲む。そして早苗に接近する。びっくりした早苗は恐怖を感じ、逃げるが壁際まで追い込まれた。
「ちょ、ちょっと何しようとするの!?ええええエッチな事はダメなんだからね!?!?うそ!?ややめてぇええ!!心の準備がまだぁあああ」
超至近距離まで近づき、キスできる寸前でために溜めた秘技を繰り出す。
「喰らえ、秘技・バーストゲップ!!」
放たれた技は音速を超え、微細な振動で鼓膜を突き抜け脳髄を揺さぶり大ダメージを与え、起きたばかりの雑菌と口臭臭さの二段構えの超近接攻撃を早苗はモロに喰らった。
内心淡い期待を寄せた反動と、想定外の遥の行動に、
「ぎぁあああああああ!!」
「ふっ、決まったぜ」
ドヤ顔な遥に対し、早苗は見えてはいけないものを見せて気絶した。
「……ふむ、今日のラッキーカラーは黒のホワイトレースと花柄」
と呟く遥は、ブランチをし、コンビニに出かけるのであった。放置して。




