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結果よりも過程を望みます。  作者: 量産三型
第一章

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第2話 覚悟

イーグルとフウマは敵が来るのを柵の中で待っていた。


「ちなみに、この作戦は効果があるですか?」


フウマの問いに、イーグルは指を指しながら話す


「貴方達が来る前に一度、この作戦を行い、魔石によるクレーターが出来ているので、クレーターではない場所から進軍する為、敵の侵攻速度を遅くするか、魔石が埋まっている場所を通るしか方法が無いため、防衛側としてはこの作戦しかありません」


イーグルが辺りを見回す。


「それに、ここは平原しか無いので、地形は自分達で変える他ありませんから」


イーグルは指を指す


「…来ましたね」


カタパルトを扱う兵士に準備の合図を行う


「今更なんですけど、あれに松明は使わないですか?」


フウマはカタパルトの球の方を指さす


「ああ、言っていませんでしたね、村全体に油を撒いているので、松明が使えないですよ」


「!?」


「もし、この戦線が崩れた場合、西と東で戦っている仲間に挟撃される訳にはいけないので、少しでも迂回させるように、村全体に油を撒いているです」


そんな事を話していると、マロ帝国兵達が歩いてくるのが見える。


「覚悟は大丈夫ですか?」


イーグルの問いに、フウマは俯く

その様子に心配そうにフウマにだけ聞こえる声で話しかける


「無理はしなくて良いですよ、貴方が来たところは、私には分かりませんが…その様子だと、戦いとは無縁の場所から来たようですね」


「…」


フウマはゆっくりと口を開く


「分かってるんです、戦わなければ死ぬって…相手は人間、自分は竜人…だからこそ殺されるんですよね。分かってるんです、分かってはいるんですが、気持ちではやりたくないんです……それに、自分の所では殺すなんて単語すら、禁句ですから」


「…フウマ、貴方は逃げてください。」


イーグルの声にフウマは顔を上げる。


「逃げてもかまわないんですよ。貴方は竜人帝国から来た援助なのですから」


フウマは周りの兵士達を見る。皆、覚悟を決め、敵を睨みつけていた。

そんな光景に、フウマは今の自分の立場が情けなく思った。戦いに行く彼らを尻目に、にげる度胸が無かったのかもしれないが…


「…何かする事はないですか?」


フウマの問いにイーグルは考え、安心させるよう、微笑んで話しかけた。


「…カタパルトの球に火をつけてもらってもいいですか?」


「分かりました」


フウマが行こうとすると、イーグルが肩を掴んで留まらせる。


「この様な状況に巻き込んでしまい、申し訳ありません。だからこそ、全ての責任は私が背負います。貴方を巻き込んでしまった責任として」


「…」


フウマは暗い笑顔をイーグルに見せ、カタパルトに向かった。


「敵が指定の場所に着きました」


近くの兵士が、イーグルに話す。

イーグルはカタパルトの兵士に合図を送った。

兵士はレバーを引き、カタパルトの球を発射する。

火の玉は空を飛び、落下と共に地面を抉った。


ドドン!


その衝撃に魔石は反応し、大きな爆発を連鎖的に起こした。

魔石の上にいたマロ帝国兵士達は半数が爆発にのまれた。

イーグルはカタパルトに向かって叫んだ。


「装填急げ!」


カタパルトに布をくるんだ石を装填し、油をかける。


「お願いします!」


フウマは空気を吸い、球に火を吹きかけた。

球は一瞬で燃え広がり、火の球に変わった。


「発射!」


兵士はレバーを引いた。

火の玉が、敵兵士達に降り注ぐ。


「1、2、5!」


兵士は敵の損害を報告した。


「敵の魔術師を確認!」


一人の兵士が声を上げる。

イーグルは敵の魔術師を確認した後、声を上げた


「突撃!」


布が掛かった柵の後にいた兵士達は、柵を蹴破り、イーグルと共に敵に向かって走り出す。

カタパルトにいる兵士は、フウマに火をつけるよう声をかけた。


「お願いします!」


フウマは球に火をつける。

火を着けたカタパルトから、レバーを引き、球を発射する。

火の球は、イーグル達の頭上を通過し、敵に降り注ぐ。

イーグル達は火の球が敵に当たるのを確認すると、翼を羽ばたかせ、一気に距離を縮め、敵に斬りかかる。

そんな様子にフウマは苦虫を噛み潰したような顔で、見ていた。


(これが戦場?)


辺りは爆発した煙が残り、火が所々で燃えており、それはまるで…


(まるで、戦争映画で見た光景)


「お願いします!」


兵士の声に、体を震わせる


「は、はい!」


フウマは口から火を着けた。


(あの人達が戦ってるのに、自分は、自分は…)


フウマはその場の空気にのまれ、罪悪感を出していた。

ふと、小さな布が落ちているのを確認した。

一方、イーグル達は窮地に陥っていた。


「技:連撃」


「ぐっ」


イーグルは敵兵士の攻撃に防戦一方であった。


「おらよ!」


「ぐは!」


イーグルは蹴りをもろに食らい、後ろに倒れた。

その様子に敵兵士はニヤニヤしながら近く


「奇襲を仕掛けても、こんなに弱いんじゃなぁ」


敵兵士はしゃがみ、倒れているイーグルに話しかける。


「なあ、あんたの羽、俺にくれよ」


イーグルは顔を上げ、敵兵士を睨みつける


「そしたら、お前らを助けてやるよ」


「どうゆう意味だ?」


「あんたも分かってんだろ、負け戦だって。生き残りと戦っても勝てない事ぐらい」


敵兵士はイーグルの片方の翼を持ち上げる


「だからよ、交渉だよ。あんたらが、誇りに思ってるこの羽を俺らにくれれば、あんたらを翼人()とは思わないからよ」


ニヤニヤとイーグルの翼を揺らす


(我々の翼を取れば、助けてやるだと?冗談じゃない。奴らは我々を飛べなくし、逃げる手段を無くすつもりだ……だが、もし、逃がしてくれるのならば…)


イーグルは睨みつけながら考えていた。

すると次の瞬間


「熱っ!」


敵兵士の額に、小さな火の球が直撃した。

敵兵士の視線の先には、投球ポーズのフウマがそこにいた。

フウマは、手をはたき、敵兵士に指をさす


「ちゃっちゃと逃げないと、もう一発食らわせるぞ」

(何やってんの!?自分は!?)


イーグルはその隙に、敵兵士と距離を取り、フウマに話しかける。


「どうして逃げなかったんです?」


「…分からないです。でも、あそこで逃げたら、ずっと後悔するんじゃないかと思って」


「私が責任を取ると!」


「そうじゃないんです。2度目の人生は後悔したくないと、天使様に言ったから」


イーグルはフウマを見る


「クッソ、火傷しちまったじゃねえか」


頭をさすり悪態をつきながら、敵兵士は剣を構える。


「助けてやろうと思ったが、気が変わった、ぶち殺してやる!」


イーグルは敵に振り返った。


「来ます!」

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