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結果よりも過程を望みます。  作者: 量産三型
第一章

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第1話 助けに来ました

突然の言葉に竜人は目が点になる。

いきなり肩を掴まれ、押され、そして自分しか知らない情報を知っていたかのように言われた事に体と頭が固まる。

その姿を見たイーグルは、ハッと意識を戻し、慌てて掴んでいた手を離す。


「すみません」


その言葉に、竜人は意識を戻した。


「大丈夫です!それよりも…何で自分が異世界人だと?」


イーグルは気まずそうにする

竜人は辺りを見回し、翼人兵士達とイーグルを見比べる。


「それと…貴方だけ、人間のような顔立ちですね」


イーグルはその答えに不思議に思うがが、ハッと思い出す。

この竜人が、異世界人だということに


「我々、亜人は人間に近くなる程、魔力が高く成り、スキルを覚えることができやすいんです。

そういう貴方も、人間の顔立ちをしていますよ」


そういう事だと竜人は理解する。


「あっ、そういえば名前を言っていませんでしたね、自分の名前はフウマです。翼人共和国の援助として来ました」


「イーグルです。今回はありがとうございます」


イーグルは、東部方面が上手くいったことに安堵した。

互いに手を伸ばし、握手する


ドン!


ワイバーンが敵に対して攻撃を開始した。


「そういえば、ここは戦場か…今の状況はどうなってますか?」


「現在、マロ帝国の増援がこちらに向かっており、確認できる全ての兵士は正規軍です」


その言葉は淡々としているものの、絶望的であると、顔を伏せている事から読み取れる。

だが、正規軍の強さを知らないフウマは気にせず、今からでも戦えると思っていた。


「敵の数は何人ですか?」


「数は2万ほどいます。対する我々は500人ほどしかありません」


先程の戦いで翼人兵士達は、大幅に数を減らしていた。

圧倒的不利な状況に、イーグルや兵士達の顔は暗くなる。

その姿を見た、フウマは考え、ある結論に至った。


「…勝てますよ、今からでも」


ありえない状況に、頓珍漢な言葉が出たことに、イーグルは顔を上げ、フウマを見る


「今はワイバーン達が攻撃して、敵の数が減っていている今なら…」


「…今は、魔石が底をついているので、大規模な攻撃が出来ません」


「魔石?」


「ええ、魔道具の燃料や魔法を強化するだけでなく、衝撃を加えることで爆弾としての役割もあります。…まあ、我々のような小国は爆弾しか、使い道が無いのですがね」


フウマはふと、竜人帝国から飛び立つ前に、翼人共和国の援助物資の項目で、一番上に魔石の文字があったのを思い出す。


「それなら」


フウマは後ろを振り返る。

ゆっくりと飛ぶ、胴体が大きく、翼が4つある竜がこちらに向かってくる。


「あれは?」


「物資を運ぶ為の竜らしいですよ」


ドシンと地を揺らしながら降り立った。

竜の背中には大きな木の箱が載っていた。

フウマは竜の背中に乗り、木の蓋を開け、中身を取り出す。


「これが魔石ですか?」


片手で魔石を握り、イーグルに見えるよう掲げる。


「ええ、それです」


竜は頭を下げ、大きな木の箱をゆっくりと降ろす。


「この中にあるのは全て魔石ですか?」


フウマは頷き、魔石を渡す。

イーグルは魔石を受け取った。


(これだけあれば戦える)

「では準備を開始しますか」


「準備?」


イーグルは微笑み、魔石を握りしめる。

イーグルは敵がいる方へ視線を向ける。そこには、戦っているワイバーンと、火の玉が飛んでいる光景であった。


「今は彼らが戦っているので、時間はあります」


-----


「はぁ」


フウマは魔石を埋める重労働にため息を漏らしていた。

そこに魔石を抱えたイーグルが近づく。


「まだまだ埋めますからね」


フラフラと、フウマは魔石を受け取る


「何処まで埋めるんですか?」


「とりあえず、ここら一帯は」


周りには、兵士達がバラバラに魔石を埋めていた

フウマは遠くにいる兵士を指さす。


「あそこまで…ですか?」


「ええ、あそこまで、です」


ガックシとフウマは頭を下げ、シャベルを土に押し当てた。


-----


夕日が辺りを照らす。


「はぁ」


兵士達が少しずつ魔石を埋めるのを終わらせ、村に向かい、柵を作り、作り終わった物から布を被せていた。


「お疲れ様です」


イーグルはタオルをフウマに渡す。

フウマはタオルを受け取り、汗を拭う


「短時間とはいえ、汗が出ますね」


イーグルは微笑む


「援助とはいえ、この様な重労働は申し訳ありません。ですが、これもマロ帝国から身を守るためなのです」


フウマは頷く


「大丈夫ですよこれくらい」


「ありがとうございます」


遠くの爆発音が止む。ワイバーンは、魔石を埋めている間にも戦っていたのだ。


「敵がこちらに来ますね」


「ワイバーン達は…」


イーグルは首を横に振る。

その様子にフウマは顔を伏せる。


「彼らは勇敢に戦いました。今度は我々です」


イーグルは、フウマの持っていたシャベルを持つ


「さあ、行きましょう」


「何処へ?」


「村です。村で敵を待ちましょう」


2人は村へと歩き出した。

村に近づくと、布が掛かった柵の間から、木のカタパルトが3基、石に布を包み込んでいる物がカタパルトに装填されていた。

その石に火をつけようと、1人の兵士が火打石片手に苦戦していた。


「彼は何をしようとしてるんですか?」


フウマはイーグルに聞く


「彼は布に火をつけ、地面に埋まっている魔石に少しでも衝撃を強め、爆発させる為にやっています。」


「なるほど」


火をつけるのに苦戦している様子を見て、彼に近づく。


「大丈夫ですか?」


翼人兵士は突然の声に、肩を震わせ、振り返る。

相手が竜人と確認すると急いで敬礼する。


「は、大丈夫であります」


「良ければ、火をつけましょうか?」


「はい?」


フウマは息を吸い、口から火を吐く。

火を吐くと、瞬時にボォッと布全体に火が周る。


「おお!」


その様子に兵士は喜ぶ


「ありがとうございます!」


「他の2つもやりましょうか?」


「よろしくお願いします!」


兵士は二つ返事で返した。

フウマは、2つのカタパルトの間に向かうと、2つのカタパルトに乗った球に、火が着いた。


「素晴らしいですね」


照れ隠しにフウマは頭を掻く


「これくらいしかできませんよ」


イーグルは手と首を振り、否定する


「いえいえ、我々、翼人は空を飛ぶ事しかできませんから」


イーグルは敵がいる方へ振り返る


「どうしました?」


「敵が来ました」

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