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結果よりも過程を望みます。  作者: 量産三型
第ニ章

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第4話 裏路地

 何度も来たことがあるかの様に、早足で入り組んだ民家の間を進んでいくトコロシェを、見失わない様に、壁を手で押して方向転換しながらついて行く。

 ゆっくり歩く様に言う事さえ出来ないほど、トコロシェの足は早かった


「はぁはぁ……」


 壁を押しながら歩いていた為、息を切らしながら、少しひらけた場所に出る。

 視界の端には、誰かと話しているトコロシェの後ろ姿が見え、話しかけようとすると、トコロシェと話していた人物は、こっちを見るなりそそくさと離れていく。


「さっきの人は?」


「同業者だ。 気にするな」


 自分だけに聞こえるように呟いた。

 チラリと懐を見ると、小さな紙を握っていた


「それは?」


 紙に指を指しながら聞くと、紙を懐のポケットにしまった


「後で話す。 それよりも……」


 小さな袋を差し出され、それを受け取る


「それは、生きる為の物だ」


 袋の中身を確認すると、銅貨が5枚入っていた


「お金?」


 そう言うと、横から勢いよく子供が自分にタックルしながら小さな袋を持ち去る。

 突然の出来事に声を上げる事すら忘れ、唖然とする。

 視界の端には、頭を抱えたトコロシェの姿があった


「わざと、言わなかったのに……。 いいか? ここでその単語を口にするな」


「すみません……」


 ギロリと睨むトコロシェに謝罪をすると、先程の子供が、一直線に走っていく後ろ姿が見える


「追いかけます?」


 そう言うと、トコロシェは首で、逃げる子供を見る様に促す。

 その子供を見ていると、子供が勢いよく、横に倒れる


「……!」


 子供の耳元に木の棒が突き刺さり、子供は動かなかった。

 その様子を座りながら眺めていた、3人組はゆっくり子供に近寄り、袋と木の棒を引き抜く。

 木の棒の先端には、キラリと光る刃が見え、手斧だと確信した

 

「……」


「納得したか? 取り敢えず此処から、逃げるぞ」


 血を見る事は無かったが、子供を見ている内に、横に倒れる瞬間が何度もフラッシュバックし、言葉を失い、身体が硬直する

 

「不味いな……」


 子供の近くにいた3人組は、ジッとこちらを見ていた。

 トコロシェは、固まったフウマの手を引っ張り、裏路地の物陰に連れて行く。

 着くと同時に、フウマの頬を軽く殴り、目が覚めたかのように、身体を震わせる


「起きたか?」


「あれって――」


「静かにしろ」


 こちらに走ってくる、足音が段々と大きくなってくる。

 足音が裏路地で止まり、先程の3人組がフウマ達の逃げた方角にゆっくりと向かってくる


(終わった……)


 心の中でそう嘆いた。

 自分達の隠れている、木箱を3人組の1人が持ち上げ、明日の方向に放り投げる。

 口から炎を出す為に、空気を吸いながら口をゆっくりと開け――

 

「!?」


 目を閉じながら、自分の口を片手でふさぐ。

 その状況に困惑すると、3人組はその場からゆっくりと離れていく。


(見つかってない?)


 3人組が裏路地から出ていく姿を見ていると、ようやく、片手を離す


「目が悪いんですかね?」


「馬鹿か? 俺がやったんだ」


「どうやってやったんですか!?」


「いいから、さっさと此処から離れるぞ」


 トコロシェは立ち上がると、早足で来た道を引き返す。

 その様子に置いて行かれないように、駆け足で後を追った――


*****


「ここだな」


 トコロシェの後ろをついて行くと、一軒家に立ち止まった


「民家ですか?」


「いや、宿屋だ」


 よく見ると、ドアガラスからカウンターらしき物が見える。

 ドアを開け、トコロシェはカウンターに向かっい、受付と話す


「何で1人、銅貨50枚なんだよ!」


「嫌なら、他を当たりな」


 荷台の爺さんのことを、思い出す。

 それと同時に声が大きくなっていく


「……戦争か?」


「それ以外にあるの?」


 トコロシェはため息を漏らした


「んで、泊まる? 泊まらない?」


 睨みつけながら、銅貨100枚をカウンターに置く


「2階の3番だよ」


 トコロシェは、ズカズカと2階に上がり、自分もその後について行く。

 ドアの上には、数字が書かれており、3番と書かれた部屋に入るなり、トコロシェはベットに横になる。

 対照的にあるベットに腰を掛けた。


「元々はどのくらいの値段だったんですか?」


「……1人銅貨5枚だ」


「10倍……」


 この世界の貨幣の価値が、どのくらいかは分からないものの、10倍という異常さは実感できた


「食料も値段が跳ね上がってるんですか――」


 トコロシェは、ベットから降りると、ベットの下や窓を開け、タンスの隙間を手探りで確認している


「……何してるんですか?」


「盗聴器が無いか確認しているが無いみたいだな」


「盗聴器って、どんなのですか?」


「小型の魔道具だ。 お前の世界には無かったのか?」


「無かっ……!」


 魔道具は無いと否定しようとするも、その後の言葉に驚く


「何処でそれを?」


「同じ部隊に入るんだから、情報は簡単に入るのさ」


「……」


「それに、お前の言動と行動を見ていると違和感しか無いからな、案外早めに分かったよ」


 知られているのは、変えようの無いからこそ、この世界の情報を聞き出すことにした


「この世界の技術は、どのくらい何ですか?」


 トコロシェは、窓の外に指を指す。


「レーダー……?」


 丸い円盤の真ん中に長い棒、そして斜めに置かれている状態に、レーダーの画像が脳内に思い浮かぶ


「あれが、最新技術の魔導探知機だ」


「魔導探知機?」


「あれは、微弱な魔力すらも感知できる代物だ。 そして、破壊目標でもある」


「じゃあ、作戦内容は!」


「……言って置くが、あれだけの作戦じゃないからな。 今回はあれと併用しながら、別の作戦を行う」


 トコロシェは懐から、小さな紙を取り出し、その紙を受け取った。

 紙の内容には、文字のみが書かれていたが、自分は読めなかった


「これは?」


「暗殺計画だ」


「暗殺!?」


「あぁ、その3人が対象だ」


 よく見ると、3つの文には太文字で書かれていた


「さっきの3人組ですか?」


「もしそうだったら、あの時殺していた」


 成程と、首を縦に振った


「とは言え、もう寝るぞ」


「もうですか?」


「これから長丁場になるんだ。 今しか寝れないぞ」


 そう言うと、懐からパンを投げ渡される


「それは、夕飯用だ」


「分かりました……?」


 下の階から、声が聞こえてくる。

 

「さっきの3人組ですよ!」


 小さな声で話すと、トコロシェはベットから降りる


「分かってる。 ベットの下に隠れてな」


「バレちゃいます――」


 裏路地での出来事が思い出される


「裏路地でやった事ですか?」


「あぁ、俺の固有スキル、ステルスだ」


「ステルス?」


「隠れるのに特化した、スキルだ……」


 ドタドタと、階段を上がってくる音が聞こえる。

 2人はベットの下に隠れる


バキバキ!


 直後、勢い良くドアが蹴破られた

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