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結果よりも過程を望みます。  作者: 量産三型
第一章

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第18話 デビルフィッシュ

「戦列艦10隻……先程は奇襲が出来ましたが、今度は敵に察知されている為、先程よりも損害が大きくなり、全滅の可能性も考えられます」

イーグルは神妙な面持ちで語る


「……リヴァイアサン君は、敵を殲滅する事はできるかな?」


「了承したい所だが……」

リヴァイアサンは海底を見る


「今ここで、争うとアイツが起きる」


「アイツ……デビルフィッシュ?」

ケルベロスは思い出したかのように聞く


「アイツの事は知っているのか?」


「噂程度だけどね」


「ならば、アイツの危険性は分かるだろう?」


ケルベロスは、デビルフィッシュの噂の内容を思い出しながら、今の状況を打開すること、自軍に被害が受けない様にする為に、顎を撫でながら考える


「………デビルフィッシュは、何処ら辺にいるかわかる?」


「分からんが、アイツの住処は、あっちの方だな」


リヴァイアサンは首を使いながら、敵の方へと顔を向かせる


「戦列艦の下辺り?」


「ああ、その辺りだろうな」


「なら……」


ケルベロスは、フウマに魔石の入った木箱を手渡す


「どれか一隻の船尾にこれを括り付けたら、これも一緒に付けてくれる?」


ケルベロスは、小さな黒い板をフウマに渡す


「これは何ですか?」


「遠隔スイッチの魔道具だよ。 遠くから、爆発させる為に必要な物だから、必ず付けてね」


「おい、そんな事したら、アイツが起きるぞ」


「もちろん、それが目的だよ。 敵側で、爆発音が起きれば、デビルフィッシュはあっちが敵だと、認識させる為に必要な事だからね。 ……まあ、戦列艦を安全に対処出来る事も視野に入れているけど」


「……それと、私はやるとは言っていないぞ」


ケルベロスは、フウマにウインクをする


「……一緒にやってくれませんか?」

耳元でお願いをすると、リヴァイアサンは困り顔になる


もう一声と、ケルベロスはガッツポーズをフウマに向けた


「…やってくれたら……え~と……助かります?」


「……」

悩んだ末に、大きくため息を吐く


「分かった。 やろう…」


ケルベロスは、ニコニコしながら頷いた


*****


「この辺りか?」


フウマとリヴァイアサンは、敵に気づかれずに戦列艦の真下へと移動していた


「ここらへんですかね」


フウマは辺りを見回し、現在の場所が真ん中であると確認する。

戦列艦の船尾に木箱と黒い板を括り付ける


「こんな感じでいいかな?」


「…良いんじゃないか? そんだけ巻いておけば、外れはしないだろうな」


「じゃあ、戻りましょう」


リヴァイアサンは頷くと、ケルベロス達の方へと勢いよく泳ぎ出した


*****


「つけてきました」


「ありがとう。 これで……」

ケルベロスは、手に小さな魔法陣を作ると、その魔法陣を握り潰す様に手を強く握った


パリン…


ガラスが割れる音が小さく響くと、先程、括り付けた戦列艦の船尾が爆発を起こし、連鎖的に近くの戦列艦を巻き込み、一気に6隻の戦列艦が沈む


ドゴーン…


音は小さかったものの、風圧がフウマの顔に当たる


「……」

遠目から見る大きな爆発は、人の存在は確認出来無かったからこそ、精神的な負担は、フウマには掛からず、初めて見る大きな爆発に目を焼き付ける事しか出来なかった


ザパーン……


戦列艦の木々が、海にボトボトと落ちていく中で、吸盤が付いた物が、ウネウネと動かしながら、海から飛び出し、燃えている戦列艦を包み込む様に巻き付く


「来たか……」

リヴァイアサンはため息を吐くかのように、呟いた


「あれは?」


「あれが、デビルフィッシュだ」


吸盤の着いた物は、燃えている戦列艦を海に引き釣り込むと、同じ様な物が、海から2本、4本と飛び出し、大きな波を立てながら、引きずり込んだ戦列艦が浮かび上がる


ゴゴゴゴゴ!


吸盤の着いた物よりも大きな物が、戦列艦を仮面の様に付けているかの様に、姿を現す


「あれは……タコ?」

丸い吸盤、触手の様にウネウネと動く物、その情報だけで、フウマはそう思った


デビルフィッシュは、触手を巧みに操り、鞭の様に勢いよく戦列艦に当て、一撃で戦列艦を真っ二つに割り、全ての触手が違う意志を持っているかの様にビュンビュンと触手を振り回し、他の戦列艦も同様に沈ませる。

バキバキと木を鳴らし、弾薬庫が誘爆し、炎上する


「後はあれに任せよう」

ケルベロスは頷きながらそう言った


リヴァイアサンは、デビルフィッシュを見ながらため息を吐く


「後処理はどうする?」


「後処理?」


「アイツが起きたら、そう簡単には静まらないぞ」


「…つまり、この海域は彼の物となり、君の寝床は無くなるから、撃退せねばならないってことかな?」


「そういう事になるな」


ケルベロスは考えかのように目を瞑り、意を決する思いで、イーグルに振り向く


「デビルフィッシュの弱点はわかる?」


ギュッと目を細め、暫くすると落ち着いた目に戻る


「光ですね」


疑問の目をケルベロス達はイーグルに向ける。

その視線に気付いたイーグルは、説明する


「デビルフィッシュは、明るい光が苦手なようで、頭に戦列艦を被っているのは、光が入って来ないようにする為の様ですね」


「光を浴びれば、撃退できる?」


「倒す……までは行かずとも、撃退する事は可能です」


「…分かった……ルーエ君、竜騎兵達の攻撃をあの、戦列艦に浴びせる事はできる?」

ケルベロスは、デビルフィッシュの頭にある戦列艦に指を指す


「…やってみます」


ルーエは直ぐ様、竜騎兵達に指示する。

竜騎兵達は自身のワイバーンに火球を浴びせる為にワイバーンの首を軽く叩く。

叩かれたワイバーン達は、口の中に火の玉を作り、一斉にデビルフィッシュの頭に向けて火球を飛ばす


ボォ


火球は、デビルフィッシュの頭にある戦列艦に当たり一気に燃え上がる。

突然の出来事に、デビルフィッシュの体は震えるも、触手を頭の近くの水を勢いよく叩き、水しぶきを上げ、火を弱める。

それを2本、3本と触手を増やし、何度も何度も水を叩く事を繰り返した為、数分で鎮火した


「……何回やっても、あの結果になりそうだね」

ケルベロスは深く考え、ある1つの事が閃く


「あの火を維持しなくてはならないね」


「そうですね……少なくとも、視界にはいるまで燃やし続け無くてはなりませんね」


「ちなみに、リヴァイアサンくんはあの戦列艦を破壊できる?」


「破壊は出来るが、また新しい物を持ってくるだろな。 そう何回もやられては流石に、破壊出来る力は残らないだろうな」


「だよね~。 ……じゃあ、近くまで行くことは?」


「可能だが……なぜだ?」


ケルベロスはフフッと微笑むと、フウマにウインクする


「フウマくん、君のブレスをもう一度見せてはくれないかな?」


「……ケルベロス様、それは危険かと」


「確かにね。 だけど、今ここで継続して、火を出せる者は、一人しか居ないから…」


ケルベロスの託すような視線に、フウマは覚悟を決める


「分かりました。 やります」


「ありがとう…」


*****


リヴァイアサンは先程とは違い、加速しながらデビルフィッシュの元に近づく


「作戦は、俺がデビルフィッシュに突っ込んで、フウマは戦列艦に入って、その中で火をつける……これだよな」


リヴァイアサンは確認する様に、フウマに聞く


「はい!」


リヴァイアサンの接近に、1つの触手が気付いた


ギュン!


リヴァイアサンよりも勢いよく、触手は近づくも、リヴァイアサンは首を駆使しながら、進む方向を変え、触手を躱す。

リヴァイアサンは、海上を飛び出し、フウマを戦列艦の甲板だっと所に降ろす。

直ぐ様、リヴァイアサンは海へと戻り、触手らを自身に向ける


「よし…」


フウマがデビルフィッシュに近づくと、ギョロリと、デビルフィッシュの黄色い目が動き出し、フウマを見る。

デビルフィッシュの目の周りには、乾いた木材が散乱しており、フウマはそこに目掛けて火を吐く。

火を目の前で見た、デビルフィッシュは頭を横に振るも、火は木材に移り、徐々に大きく広がっていく。

フウマは、デビルフィッシュの横振りで、海に飛ばされるも、丁度、避けていたリヴァイアサンの背中にしがみつく。

しがみつかれた事を確認すると、勢いよく潜り、ケルベロス達の方へと泳ぎ出す

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