第17話 敵艦隊
フウマは口から炎を出す事に成功し、嗚咽が出るも、何回も出す事が出来る様になった
「ちなみに、どうやって上に行くんですか? 自分は泳げないですよ」
「私の上に乗ると良い」
首をフウマの前に差し出す
「直ぐにでも、海上に上がっていけるだろう」
「息継ぎは……どうするんです?」
「? 必要ないだろう、そこまで時間がかかるわけではないからな」
フウマは空を見上げる。
海の中にいるとはいえ、現在の場所から、海上までの距離が遠く感じられる景色が広がっていた
(…大丈夫かな?)
「それよりも、直ぐに行く方が良いだろう。 助けたいのだろう?」
「お願いします」
フウマは力強く頷いた
「それと、飛ばされないよう、しっかりと捕まってくれ」
フウマは喜々とした声に嫌悪感を抱くも、返答するように頷く。
リヴァイアサンは首を低くさせ、頭に乗らせるように促す。
それを理解したフウマは、首に跨り、首に腕を回す
「よし。 では行こう」
リヴァイアサンは、足を巧みに操り、海の中に入り、フウマは口と目を閉じる
「?」
フウマは、耳や体に水の感触が感じられ無かったため、違和感を覚える。
フウマは試しに目を開け、外の景色に驚く。
フウマの周りには、シャボン玉の中に居るかのように、空間が出来ていた。
口をパクパクと開けて、息ができる事を確認する
「これって何ですか?」
「水の中でも息が出来る魔法だ。 さっきの場所でも使っていた魔法だぞ?」
「なるほど……」
「そんな事よりも、周りにアイツが居ないか確認してくれ」
「アイツ?」
「ああ、"デビルフィッシュ"聞いたことはあるだろう? 地上でも有名な筈だが…」
「デビルフィッシュ……。 何処かで聞いたことがある様な……」
「アイツが起きれば、面倒事になる。 アイツの前を通るのは避けたいからな。 周りにいないか確認してくれ」
フウマは辺りを見回すも、海底は暗く、確認出来る事は出来なかった
「面倒事になる程、不味いですか?」
「……体長は、俺の10倍って言ったら分かりやすいか? そんな奴が、俺と同じ速度で動くから、対応するのに面倒臭い」
「……勝った事はあるんですか?」
「ない」
フウマはその一言で、デビルフィッシュの危険性を理解する。
フウマは最初よりも、注意深く周りを見る様にした
「そろそろ着くぞ。 敵はどれだ?」
フウマは上を見ると、海に浮かぶ木々や人が散乱していた。
その間に燃え上がる木々が見え、敵の真下に居る事を認識する
「あの、大きな影の周りにいる、全て影が敵です!」
「わかった」
リヴァイアサンは首を真っ直ぐにすると、速度を上げ、大きな船の周りにいる小船に目掛けて突撃する
ザバーン!
水しぶきを上げながら、リヴァイアサンは小船にぶつかり、小船は、リヴァイアサンと共に勢いよく飛び、船体は空中で分解される。
リヴァイアサンは、近くの小船を目掛けて齧り付き、一度で2つの小船を沈めることに成功する。
敵兵は、上空にいるイーグル達に集中していた為、リヴァイアサンの攻撃に対処出来なかった。
慌てて、リヴァイアサンに攻撃しようと、杖を海に向ける
「…」
その様子をジッと見ていた、ルーエは近くの竜騎兵に突撃の合図をする。
竜騎兵達は垂直に海面目掛けて、急降下し、水面ギリギリで、小船に目掛けて突撃する
「!?」
敵兵の1人が、突撃してくる竜騎兵達に気づくと、周りに声を掛け、杖を竜騎兵達に向ける
ザバーン!
リヴァイアサンは2度目の攻撃を行い、敵兵達は1番に倒すべき目標が分からず、混乱する。
そんな中でも、竜騎兵達は近づき火球を飛ばす
ドン!ドン!
残り小船は火球に当たり沈んでいった…
リヴァイアサンは海面から顔を出す
「終わったな」
リヴァイアサンは周りを見回すと、そう嘆いた
バサバサ
イーグル達は翼の音を鳴らしながら、フウマもとに近づく
「2度も助けてもらってしまったね」
イーグルは、翼人共和国の時を思い出す
「あはは…」
「こいつらは、フウマの仲間か?」
リヴァイアサンの低い声に、驚きつつも頷き返答する
「はい。 それと、助けてくれてありがとうございます」
リヴァイアサンは感謝された、恥ずかしさで、ポリポリと首を掻く
「君は、海の王リヴァイアサンだね」
「ああ、そうだ。 よく知ってるな」
ケルベロスの言葉にリヴァイアサンは、フフンと鼻を鳴らす
「君の武勇伝は良く耳にするからね」
リヴァイアサンは褒められたと思い、鼻を長くする
「それでは、向かいますか?」
「そうだね……。 海の王の力を借りても良いかな?」
「良いだろう」
有頂天になっている、リヴァイアサンは二つ返事で応える。
ルーエは竜騎兵達に合図を送ると、敵の輸送船団に向けて、ワイバーンを飛ばし、リヴァイアサンはそれについて行った
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「敵の輸送船団を確認!」
イーグルは、フウマ達に聞こえるように声を上げ、竜騎兵達は水面ギリギリまで、高度を落とす
「……後方に敵艦隊を確認」
「数は?」
「戦列艦10隻……甲板上に多数の魔術師を確認……」




