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結果よりも過程を望みます。  作者: 量産三型
第一章

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第10話 亜人会議2

「ええ、現在、マロ帝国は翼人、兎人、鹿人共和国に対して攻勢をかけています。この攻勢を止めることが出来れば、貴方をトップとして認めましょう」


ロアは獣人に対して、そう言い放った


「亜人のトップであれば、この不足の事態を掻い潜る技量があり、全ての責任を任せられる存在でなければなりませんからな」


「ええ、理解しています」


獣人はイーグルの方を見る


「翼人共和国は私が助けに入ります」


ガヤガヤ


獣人の言葉に、周りは不可能だと笑う者が多く見られる。

猫顔の亜人が呆れながら口を開く


「第一、貴方が入った所で解決するなら、こんな事態にはなっていませんよ」


猫顔の亜人が、本来、イーグルの隣に座る筈であった、兎人共和国の席を指を差した


「あの席に居ない時点で、マロ帝国の危険性が分からないのですか?翼人共和国は竜人帝国の援助があったからこそ、此処に居るのですよ」


イーグルは苦虫を噛み潰したような顔で俯く


「貴方1人が行っても、助かるわけではありませんよ」


猫顔の亜人が言い終わると沈黙が流れ、獣人は怪訝な顔で手を強く握りしめた


「大体貴方は「自分が!」


話の途中でフウマが立ち上がり、声を上げる。

その声に全ての亜人がフウマの顔を見る。

その視線に億劫になるもフウマは話を続ける


「自分が行きます。今は翼人共和国に竜騎兵達が居ますので、助けに行けます」


「君は…」


フウマの助け舟に獣人は驚きつつ感謝する様に視線を向けた


「貴方は誰です?」


少々怒気を含めながら猫顔の亜人は質問する


「自分は…」

(そういえば自分はどんな役職だっけ?)


フウマが悩んでいると、ロアが助け舟を出す


「この方は、竜人帝国の先遣隊長です。昨日、翼人共和国に援助として向かわせ、翼人共和国を救済した実績を持つ者です」


ざわざわ


ロアの口から、一兵士に対して評価を下していることに、フウマに対して驚きと疑念の目を向けられた。

猫顔の亜人は驚いた顔をせず、自慢の髭を撫でながら、口を開いた


「そうですか……余程、お気に入りのようですね…」


「…それはともかく、貴方様」


ロアはフウマに振り返る


「残念ながら、これ以上、竜騎兵の部隊を動かすことはできません」


「で、でも!」


ロアはフウマの言葉を理解するように、手で言葉を静止させる


「わかっています。ですが、何も成果を得られていない、兎人共和国、鹿人共和国の2つを助ける事は難しいことなのですよ。それにもしこれ以上、援助を続ければ、全人類との戦争が引き起こってしまいます。それだけは避けたいのですよ。ご理解いただけますかな?」


「…もし、2つの国が無くなれば、翼人共和国は出っ張ってしまいますよ」


「ええ、理解していますよ。翼人共和国は挟撃されるリスクがあり、竜人帝国は最前線へと変わりますからね。ですが、何も出来ていない、兎人共和国、鹿人共和国に援助するなど不可能です」


ロアは会議室に居る亜人達に顔を向ける


「良いですか?皆様、我々の援助が欲しいのでしたら、戦果を持ってきてください。1個師団を殲滅するでもよいですよ」


ロアの言葉に、苦々しい表情をする亜人が多く見られた。

イーグルは椅子の音を鳴らしながら、勢いよく立ち上がり、ロアの方へ顔を向け口を開く


「ロア様、お伺いしたいことがあるのですが」


「よろしいですよ」


「では…現在、翼人共和国に駐留している、竜騎兵は、いつまで駐留しているおつもりですか?」


「ふむ……確か…マロ帝国との講話で、解決するまででしたかな?」


「講話をするのですか!?」


「ええ、その講話の内容として、どの様な処罰を下すのかを会議しておりましたが…ご理解はしておりましたかな?」


「す、すみません、てっきり…侵攻し、その処罰を考えていたのかと思っておりました」


「ふむ、どうやらこちらが、事前にご連絡を忘れていたようですな」


悪気がない態度にイーグルは、ギリッと歯を噛みしめる


「…そうですか。では…我々、翼人共和国民を守る為に、駐留してくださるということですね?」


「ええ、そうですね」


「ありがとうございます」


先程とは打って変わって、周りにバレないようにニヤリと笑った。

フウマは、何も出来ていない状態に苛立ちと後々、後悔として残ることを避けるため、思い切って、口を開いた


「…ロア様、自分をあの方に同行させては頂けないでしょうか?」


「貴方様の気持ちは分かりますが、執務をやってもらえると「自分の名前はフウマです!」


「自分は、戦果が欲しくて言っているわけではありません。

自分がもし、翼人共和国に援助をしなければ、翼人共和国は滅んでいたと思います。

これは、自分の力に過信しているわけではありません。

自分の目で見て、そう感じました。

困っている人を助けたいんじゃありません。

我々が助けなければ、亜人という種族は直ぐに終わってしまいます。

ですから自分を行かせてください!

自分が行けば…」

(…自分が竜の男に好かれているなんて言えない…)


フウマが言うのに躊躇っていると、ロアはため息交じりに言い放つ


「分かりました。…行ってきてよいですよ」


「本当ですか!?」


「ええ、そこまで言われてしまえば…」


ロアはチラリとフウマの顔に視線を向けると、ため息を吐いた


「…まあ、良いでしょう、フウマ様は、これからあの方について行ってください…一応、編成はしておきます」


「ありがとうございます!」


フウマは机に当たりそうになるほど、頭を勢いよく下げた

ロアはため息交じりに、近くの係に、手で合図を送った


パンパン

「ここにいる狼族の皇帝が、この戦争を終わらせることに竜人帝国元老院議員が決定しました。よって、この会議は終了します」


係は拍手をしながら、自身に亜人達の視線を向けさせた。

亜人達はその結果に眉間にシワを寄せるも、声を上げることはなかった。

係はドアを開けると、ぞろぞろと亜人達が出ていった


「フウマ様は、あの方と相談することがあるでしょうから、先に外に出てもらってもよいですか?」


フウマはロアにお辞儀し、廊下に出ると、自身を待っていた、イーグルが佇んでいた。

イーグルはフウマに気がつくと、笑顔になりフウマに話しかける


「まったく、翼人共和国を守ってる竜騎兵を動かすつもりだったのに…それに、ロア様の前であんな風に喋って助かった奴は居ないよ。…まあ、スカッとはしたね」


イーグルは笑いながら、フウマの肩を軽く叩いた。

対照的にロアの怖さをイーグルから知ったフウマは青ざめた。

そんな会話をしている中、1人の亜人が近づいてきた


「君はフウマくんだね。さっきはありがとう」

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