第9話 亜人会議
連れられた先には、大きなドアがあり、係の竜人がドアを開けると、数人の亜人らしき人物が既に座っていた。
ドアは2カ所あり、もう片方のドアから、ぞろぞろと亜人達が入ってくる
「!」
フウマは、片方のドアからイーグルが見えた。
話しかけるか考えていると、肩に軽く叩かれ、振り返る
「ロア様」
「ほほ、様はいりませんよ。ささ、こちらへ」
フウマはロアに促されるまま、席に座る。
ロアは隣に居る、竜人に会釈すると、ゆっくりと腰を掛けた。
暫くすると、徐々に座る数が埋まっていく。
「?」
フウマは、ドアから入ってくる1人のオークに目を奪われる。
体は、此処に居る全ての亜人よりも大きく、存在感を放っていたものの、顔は人間寄りではなかった。
イーグルの話によると、亜人は人間に近くなる程、魔力やスキルが強くなると言っていた為、そのオークの顔や風貌がフウマにとっては異質だった
バタン
今居る全ての亜人が席に座った事を確認した、竜人はドアを閉めた。
会議室に数多くの椅子があるものの、所々空席があり、隣の席に誰も居ない亜人が数多く見られた
(これで全員なのかな?)
フウマは、誰も居ない席を見ると、そう思った
パンパン
「定刻になりましたので、ただいまより、マロ帝国への処罰について、議論します」
1人の竜人が手を叩き、その場にいる全ての視線を自身に集め、会議を進める。
竜人は、役目を終えるとロアやその横にいる竜人に対して、頭を下げると、警備の仕事へ戻った。
ロアの隣にいる、竜人が席を立った
「今回、マロ帝国が我々、亜人種に対して人類を脅かす魔の者として、亜人改め、魔族と呼称するように世界に呼びかけた、この事態に、我々、亜人は、マロ帝国に対して適切な処罰を与えねばならない」
竜人は老人である為、息を整え、声を絞り出すかのように話を続ける
「その処罰を考えるが為に今回、全ての亜人国家が集まってもらった。有意義な会議にしよう」
竜人は、無理に声を使ったが為に咳をしながら、ゆっくりと腰を掛けた
「処罰どころの話では無いでしょう。我々は亜人、相手は人類国家です。スキル持ちが数多くいる人類に勝てるわけが無いでしょう。それに、マロ帝国にとっては人類国家の中でも軍事国家で主要国ですよ、全ての亜人が束になって、攻撃しようとも、負けるのは目に見えていますよ」
糸目をした、猫顔の亜人は呆れるような声を出し、会議の先陣を切った
「負けるはずがないではないか、貴様ら、獣人は腰抜け共しかいないみたいだが、我々、オーク族はスキル持ちが居ようとも我々は勝つ!」フン
続いて、フンと鼻を鳴らすのは、フウマが異質を放っていたあのオークであった。
オークは、自分の種族だけで勝てるのだから貴様らが出る幕は無いと言わんばかりな態度を前面に出していた。
そんな2人が、声を挙げている事に、慌てる者や客観視する者、呆れる者など多種多様であった。
そんな2人を眺めながら、ロアは口を開いた
「では、この会議は無意味だったと?」
「いえ、そういう事では…」
「そういう事になりますな」
猫顔の亜人は、ロアの言葉を否定するものの、オークは、ドッシリとした態度のままであった。
そんなオークの態度に周囲はピリつく
「我々、オーク帝国がマロ帝国を殲滅して見せる!だからこそ、貴様らは処罰なんぞに首を突っ込まず、我々、オーク帝国への感謝を議題にすれば良いのだ」ガハハ
「…では貴方達が、マロ帝国を倒してくれるのですか?」
「そう言っているではないか、ロア殿」
「それはそれは、大変ありがたい話ですね」
ロアは不適な笑みを浮かべた。
そんな会話を聞いていた、1人の獣人が立ち上がる。
「オーク帝国だけでマロ帝国は勝つことはできません。」
「なに?」
オークは先程、笑っていたとは思えない表情で、1人の獣人に、顔を向ける。
それと同時に、居心地が悪かったものの、この雰囲気に力強い声にフウマは顔を上げ、しゃべっていた獣人の顔見る。
体は小さく、顔は人間であった。
だが、人間は耳は髪に隠れ、狼の耳が代わりにあった、また、小さな体を隠す様な、大きな尻尾が存在感を出していた
(綺麗…)
そんな姿にフウマは、獣人の顔を見ると、綺麗な女性の顔しているものの、女性の声でありながら、一つ一つの言葉が力強く感じる
「我々は団結せねばなりません。我々、亜人は一度、人類に敗北しました。その敗因として、敵を舐めていた事にあります。あなた方2人は、過度な情報に踊らされています。だからこそ、我々は団結し、敵に対して、反抗できる存在であると認識させ、同じ悲劇を同じ過ちを繰り返してはなりません」
その獣人のハッキリとした声に、フウマはドキリと胸を打たれた
「貴方は…狼族の皇帝でしたかな?自国のみならず、我々、亜人国家に対して、崩壊させるおつもりで?」
ニヤニヤと猫顔の亜人は、その獣人に対して話しかけた
「…そういう訳ではありません。数少ない我々亜人は、個で動く事は、全滅への通り道となってしまう。ということです」
その獣人はロアに視線を向ける
「ロア様…我々、亜人は、人類に対して脅かす魔の者として、魔族と呼称されています…ここで1つ提案なのですが、誰か1人、我々亜人種をまとめさせるのは、どうでしょうか?」
会議室がざわめく
「1人がまとめるのですか?」
「ええ」
ロアと獣人の会話を聞いていた、オークと猫顔の亜人が口を開いた
「「ならば私が」」
オークと猫顔の亜人は互いに睨みつける
「貴様は、臆病者共と同じで、力強いリーダーが必要だ。そのリーダーは私がなってやろう」
「貴方は、頭は、筋肉が脳を作っているのですから、私のような知識を持つ者がトップになった方が良いのですよ」
「君達は先程、まとめれる様な会話をしたのですかな?」
ロアは2人に問いかけると、2人はバツの悪そうな顔を作り、黙り込んだ
「私は、年をとっている故、別の方に譲ります」
「ならば、私にしては貰えないでしょうか」
獣人はロアに力強い視線を向けた
「…貴方に任せるのは、少し不安ですね…」
ロアは、少し悩んだ後、獣人に提案をする
「もし貴方が、まとめ役になりたいのでしたら、戦果を挙げてきてください」
「戦果ですか?」




