番外編短編・猫のミルク
わたしは猫よ。猫のミルクっていうの。ふわふわな白い猫。自分でいうのもなんだけど、すごく可愛い顔してる。
「ミルク! おやつ買ってきた!」
そんなわたし、飼い主のカミルはメロメロ。今日もおやつをくれて、探偵事務所に新しいベッドも作ってくれたわ。
「ミルク! 可愛いね!」
たぶん、カミルって二十歳超えてるよね?
わたしにはそんなメロメロと溺愛していて、とてもそう見えない。子供に見える。
そんなカミルだけど、探偵の仕事はできる。ジークの浮気事件についても、後始末頑張ってた。ジークのパパの薬物疑惑も徹底的に荒い、警察に通報までしているんだから。この男、敵にしたくないわ。
「まあ、ミルクちゃん。こんにちは」
事務員のマーサも撫でに来たわ。この老女もいい方よ。でも、エステルにも会いたいわ。最近、事務所に戻ってきてはくれたけど、学業優先だから毎日は会えないのよ。
「ミャア」
思わず鳴いてしまったわ。カミルもなぜかわたしを抱き上げると、ちょっと遠くを見てる。
「エステル、いつ来るんだ」
カミルの呟き、しっかり聴いたわ。マーサは全く気づいていなかったけれどね。面白い。カミル、わたしと全く同じ気持ちだなんて。
「ミャー」
可哀想だから、少し慰めてあげる。今日は尻尾を触っても怒らないわ。
「ミルク、なんだよ。慰めてくれるんか?」
カミルは苦笑し、わたしの背中を撫でていた。




