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最弱テイマーは総てを溶かす  作者: コクトー
揺らぐ世界は誰の為に
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40/52

「揺らぐ帰路」

40話です。今回はセリア視点から始まります

森を抜ける風が、セリアの髪を揺らした。



王都への道。



懐かしいはずの景色だった。



だが。



足は妙に重かった。



遠くに見える王国旗。



以前なら、それだけで安心できた。



けれど今は違う。



セリアは無意識に視線を逸らす。



「……何やってるのよ、私」



小さく自嘲する。



王国騎士。



それが自分だったはずなのに。



今は、王国へ近づくほど胸の奥がざわついていた。



その時。



道の先から複数の足音が響く。



セリアの目が鋭くなる。



反射的に木陰へ身を隠しかけて――止まった。



「……違うでしょ」



小さく息を吐く。



逃げる必要なんてない。



そう言い聞かせるように、道へ戻る。



やがて現れたのは、王国騎士団だった。



鎧。


王国紋章。



見慣れた姿。



だが向こうは、セリアを見るなり足を止めた。



「……隊長?」



若い騎士が呆然と呟く。



「生きて……」



別の騎士が慌てて駆け寄った。



「セリア隊長!」


「ご無事だったんですね!」



敵意はない。



純粋な安堵。



その顔を見て、セリアの胸が少しだけ痛む。



「ええ」


「なんとかね」



騎士達が安堵したように息を吐く。



だがその直後。



一人の騎士が周囲を見回した。



「……隊長」



「ご一緒だった二人は?」



空気が少し止まる。



セリアは答えない。



その沈黙だけで、騎士達の表情が変わった。



警戒。



だがまだ、剣は抜かない。



その時だった。



騎士の一人が腰の魔導端末を押さえる。



淡い光。



通信。



次の瞬間。



騎士の顔色が変わった。



「……は?」



周囲の騎士達も息を呑む。



「どうしたの?」



セリアが問いかける。



騎士は困惑したまま、震える声で答えた。



「王都からです」



「命令が来ました」



嫌な予感。



セリアの背筋が冷える。



騎士はゆっくり読み上げた。



「セリア・アルヴェインを保護後」


「同行危険対象二名の確保を最優先とせよ」



沈黙。



森の音が遠くなる。



騎士達が顔を見合わせた。



「……待て」



「まだ報告してないぞ」



「何故分かった……?」



困惑。



理解できていない。



それはセリアも同じだった。



何故。



どうして王国は知っている。



ルクス達が一緒だったことを。



まだ誰も報告していない。



なのに。



まるで“見ていた”みたいに。



セリアの指先が小さく震える。



王国が分からなくなる。



自分が信じてきた場所が、

急に知らないものへ変わっていく。



その時だった。



森の奥から、重い音が響いた。



騎士達が一斉に振り向く。



「何だ……?」



木々の影。



そこに。



巨大な黒い影が立っていた。



石みたいな身体。



赤く光る瞳。



「……ガーゴイル」



誰かが震える声で呟く。



騎士達が一斉に剣を抜いた。



だが。



その肩へ、細い指がそっと触れる。



闇の奥から、一人の女が姿を現した。



淡い桃色の髪。



柔らかな笑み。



だが、その瞳だけは妙に冷たかった。



女は静かにセリアを見つめる。



その瞬間。



セリアの胸の奥で、何かが脈打った。



「見つけたわ」



優しい声。



なのに。



焚き火へ水を落とされたみたいに、

背筋が冷えた

40話でした。現れるガーゴイルと謎の少女。果たして目的は

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