「馴染む炎」
27話です。イグニス戦も大詰めといったところ。
銀狼が、大地を踏みしめた。
静かな咆哮。
吹雪が広がる。
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その向こうで、炎狼が牙を剥く。
赤と銀。
二匹の獣が向かい合う。
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イグニスは黙っていた。
その視線だけが、カインへ向いている。
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「……ありえん」
小さく漏れる。
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カインは肩を回す。
背後の銀狼が、それに合わせるように揺れた。
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「俺もそう思ってる」
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炎狼が飛び出した。
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轟音。
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銀狼が真正面からぶつかる。
炎と氷。
熱と冷気。
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空気が爆ぜる。
森の木々がまとめて吹き飛んだ。
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セリアが腕で顔を庇う。
「うわっ……!」
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今までと違う。
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カインが押されていない。
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銀狼は暴れない。
カインの動きに合わせて、自然に動いている。
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イグニスが低く言う。
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「獣を従わせていない……?」
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「だから言ったろ」
カインが笑う。
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「押さえつけるの、やめたんだよ」
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銀狼が踏み込む。
氷が走る。
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炎狼の脚を凍らせる。
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イグニスが腕を振る。
爆炎。
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氷が砕ける。
だが。
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その隙を、ルクスが抜けた。
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赤い炎を纏いながら。
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イグニスの目が向く。
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「また来るか」
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巨大な炎が放たれる。
真正面。
避け場がない。
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セリアが叫ぶ。
「ルクス!!」
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だが。
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ルクスは止まらなかった。
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炎へ、そのまま突っ込む。
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「なっ——」
セリアの声が止まる。
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普通なら焼ける。
分かっている。
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でも。
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ルクスには、“出来る気がした”。
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スライムを取り込んだ時と同じ。
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境目が曖昧だった。
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拒絶する感覚がなかった。
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“馴染む”。
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ルクスの炎が崩れる。
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液体みたいに広がる。
赤いスライムのように。
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イグニスの炎へ絡みつく。
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包み込む。
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「自殺か」
イグニスが言う。
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次の瞬間。
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炎が流れた。
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逸れる。
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崩れる。
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巨大な炎が、ルクスを避けるように左右へ流れていく。
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熱だけが通り過ぎる。
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静寂。
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イグニスの目が見開かれる。
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ルクス自身も、一瞬だけ止まった。
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手を見る。
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炎が、自分の周囲を巡っている。
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「……出来た」
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小さな声。
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カインが目を見開く。
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「お前、今のできるって思ってたのか?」
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「いや」
ルクスが即答する。
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セリアが叫ぶ。
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「いや怖すぎるでしょ!!」
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その声に、一瞬だけ空気が緩む。
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だが。
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イグニスだけは笑っていなかった。
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「……何をした」
低い声。
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ルクスは炎を見る。
まだ完全には理解していない。
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それでも言う。
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「流しただけだ」
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炎がルクスの周囲を巡る。
形を失い、揺れ、混ざる。
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イグニスの炎なのに、
もうイグニスのものじゃない。
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「馬鹿な……!」
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初めてだった。
イグニスの声が揺れる。
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「なぜ焼けない!」
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ルクスは淡々としている。
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「お前、押し付けるだけだからだ」
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炎が揺れる。
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「強いほど、馴染む」
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その瞬間。
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ルクスの炎が返る。
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イグニスの炎を取り込み、
形を変え、
逆流するように放たれる。
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イグニスが腕で防ぐ。
爆炎。
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初めて。
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イグニスが後ろへ下がった。
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セリアが目を見開く。
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「押した……!」
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カインが笑う。
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「やるじゃねえか」
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ルクスは答えない。
まだ少しだけ、自分の手を見ていた。
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“出来た”。
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でも、なぜ出来たのかは分からない。
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イグニスの表情が変わっていく。
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理解できない。
そんな顔。
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「炎は支配するものだ」
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「制御するものだ」
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ルクスが返す。
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「決めつけてるだけだ」
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銀狼が飛び出す。
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炎狼へ噛みつく。
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同時に。
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ルクスの炎が銀狼へ流れ込む。
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セリアが息を呑む。
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「え……?」
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炎と氷。
普通なら反発する。
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でも違う。
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ルクスの炎が、銀狼へ“馴染んで”いた。
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銀の毛並みに赤い熱が走る。
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炎狼が押し返される。
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イグニスが目を見開く。
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「ありえん……!」
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カインが前へ出る。
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「お前、制御しか知らねえんだな」
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銀狼が吠える。
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「一緒にいるって選択肢もあるんだよ」
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炎狼が揺れる。
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イグニスの炎が乱れ始める。
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初めてだった。
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“完成された炎”が、揺らいだ。
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セリアが叫ぶ。
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「右!」
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ルクスが動く。
カインが合わせる。
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初めてだった。
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三人の動きが噛み合う。
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イグニスが炎を放つ。
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ルクスが受け流す。
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カインが凍らせる。
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セリアが隙を作る。
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押している。
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確実に。
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イグニスが歯を食いしばる。
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「貴様ら……!」
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炎が膨れ上がる。
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空が赤く染まる。
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炎狼が巨大化する。
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獣の形が崩れ始める。
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制御が乱れている。
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「なら——」
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イグニスの瞳が獣みたいに細くなる。
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「全て焼き尽くす!!」
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轟音。
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巨大な炎が天を覆う。
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セリアの顔が青ざめる。
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「まずい……!」
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だが。
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ルクスは前を見る。
カインも下がらない。
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銀狼が静かに牙を剥いた。
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決着が近づいていた。
27話でした。ここでルクスも炎の使い方を学んでいきます。




