9. バーにて
「次の作戦を話すために、、、まずは拠点に移動しよっか」
澱との戦闘の次の日、私たちは時雨さんにそう伝えられた
そこに杏が不安そうな表情で尋ねた
「学校はもう大丈夫なんですか?外見る感じ澱いますけど、、、」
、、、うん
昨日からわかっていたことなのだがあの戦いの後も毛むくじゃら目玉の澱はそこら中にいた
むしろ増えている
「わからない、だから僕の隊のメンバーと合流してどうするか決める」
すでに非難は終わっていてこの高校には私たちしかいないとはいえ
、、、心配だ
/
私たちは学校の裏口から外に出た
そこにも、毛むくじゃらはいた
壁際や草むらの影に隠れて
けれどこちらを見ているだけで襲ってはこない
「好戦的ではないみたいですね、、、」
杏がつぶやいた
「、、、まあそっちの方が都合がいいでしょ」
武器や医療用品などの荷物を抱えているはずなのに時雨さんの足取りは早かった
、、、すげえ
だが
「っ、、、」
傷が治りきってないからだろう
雫君の動きはかなり鈍く、歩くたび呼吸が乱れていた
「雫君大丈夫?肩貸そうか?」
「、、、お願い、します」
その声は低くほとんど息だけだった
肩にかかる体重は思った以上に重い
本当に限界なんだな
、、、私はあの戦いで何ができただろうか
杏はたくさん並べてくれたおかげで早く終わった
そう言ってくれていたが
あれは私が頼まれたことだ
でも自分の力だけでは終わらせれなかった
私は
仲間のために戦うこともできず助けられただけの足手まといだ
裏門から外に出て、隣町へ続く橋を渡りそこを後にした
川の水は澱むことなく透き通っており青く澄んだ空を映していた
綺麗だな
そう感じた
/
隣町の墨谷町はこの付近で一番生活環境が充実している町だ
ショッピングモールや大型病院、高校も町の中心部にある中澄高校と隣町として隣接する心波町の柊木高校の二つから通うところを選ぶことができる
スーパーやコンビニも充実しており本当に快適な町だ
一目見て都会だなーってわかる感じのその町の角の方に拠点はあった
外見はさびれている怪しげな雰囲気のあるバーだった
「ここは元々4番隊の拠点でね、これからは僕の隊がこの事件の担当だからここを使うことになった」
そう言いながら時雨さんはcloseと書かれた板をぶら下げている扉を迷いなく開けた
一見普通のバーのような内装に見えた
でもお酒などは置いておらず音が全くないこの空間は不気味に思えた
「よっくん着いたよー」
「あー長旅お疲れ様です、どうぞどうぞ」
その声が聞こえた後、奥にあったトイレの扉がひとりでに開いた
私たちは時雨さんの後をついていった
「うわぁすごい部屋だ」
杏が言った通りやばい部屋だった
壁一面にモニターが取り付けられており心波町の様子が映されていた
そしてそのモニターの前に
頭がテレビの人間が座っていた
「初めまして皆さん、私刻乃 詠と申します」
、、、え?
頭がテレビ?
/
私、城崎 悠は道に迷った
「んーこのバーでもないっすね、、、」
地図はもらっているし、周りにある建物等も教えてもらっているのだ
しかし見つからない
何か外部からの妨害を受けているのか?
それならば今私は危険な状況に、、
「あ、これ別の地図っすね」
間違って別の町の地図を握らされていたようだ
「誰がこんなこと、、、上層部への連絡のお使い引き受けなきゃよかった」
帰る途中にこんな目に合うとは
すぐに引き返し目的地へ向かう
その時
「ちょいまち、聞きたいことあるんやけど」
「、、、どうしたんですか、七瀬隊長」
緑色の髪に灰色のロングコート
2番隊隊長、七瀬 颯太だった
「上のやつらとの話終わった後すぐ帰るんやから、、、追いかけるこっちの身にもなってくれ」
えー、、、
「知らないっすよそんなの、先に言ってください、ていうか電話でもよくないですか?」
すぐに仲間の元へ向かわないといけないのに
焦る私に彼は言った
「じゃあ質問や、二星 未奈は澱なんか?」
ああ、そのことか
盗み聞きでもしていたのだろうか
「はい、うちの変態テレビが言っていたので間違いないかと」
/
その異様な雰囲気の中、初めに喋ったのは雫君だった
「、、、そのテレビ、寺崎電機の一番初めのモデルの?」
、、、へ?
意味が理解できずにいるとテレビ頭は目を輝かせて、、、いや画面を光らせて言った
「そうです!よくわかりましたね!流通量の少ないモデル、更に今はつぶれてしまった会社のものなのに、、、!」
「リサイクルショップとか行くの好きで、、、いつの間にか覚えてました、そのテレビだけかなり構造が違うとかで」
「素晴らしいですね!あなたとは気が合いそうです!」
、、、なにこれ
思わず誰かに助けを求めようとするが
杏、棒立ち
時雨さん、目を丸くして硬直
どうすればいいんだよこんなの、、、
「おいしょうもねえ話してねえで会議始めろよ」
「ああ、すみません松野さん」
テレビ頭にはアニメや漫画で見るような汗のマークが表示された
あのテレビ、ちゃんと動くんだ、、、
隣を見ると雫君は少し悲しそうな顔をしていた
楽しかったんだろうな、、、
そこに遅れて到着した城崎さんがやってくる
「今着きましたー、遅れてしまってすみません」
狭い部屋がさらに狭くなる
「ちょっと邪魔が入りまして」
「まあ上への報告おつかれ」
どうやらこれで全員集まったらしい
時雨さんがこちらを向き話始める
「んじゃ自己紹介しようか、僕は時雨 龍星、隊長です」
「城崎 悠っす、能力は攻撃力や攻撃範囲を二倍にするって感じの能力です」
「刻之 詠です、役割は指揮官、顕澱は心眼、私が見たものを分析することができる能力ですね」
「松野 大輔、能力はない」
「私は二星 未奈です、能力は自覚はないけど氷の能力があるらしいです、、、」
「私は猫宮 杏です」
「水溜 雫、能力は高速移動、、、みたいな感じですね」
「以上7人でこれからはやっていくんでよろしくねみんな」
あれ
時雨さんは能力言わないんだ
まあまだ完全に信用されてるわけじゃないからな、、、
「じゃあ皆さん自己紹介が終わったことですし」
テレビ頭は手を組んで言った
「次の作戦について話させていただきます」
おまけ
キャラの名前
刻之 詠
七瀬 颯太
松野 大輔




