8. 非日常
、、、体が痛む
澱との戦いを終え俺は動けずにいた
彼は何のために、誰のために戦っていたのだろうか
今となっては知ることはできない
自分の理想を貫くってことは誰かの理想を壊すってことなんだと気づいた
夏の明るい日差しが俺のことを祝福するかのように照らす
生きる理由を見つけたんだ
俺の生きる理由は誰かの理想を壊してでも妹を守ることだ
そのために俺はこれからも
殺し合う
、、、土が舞う音が聞こえる
俺に誰かが近づいてくる
二星か猫宮か、城崎だろうか
音のする方向に俺は顔を向ける
、、、空気が止まったような気がした
「雫君お疲れ、勝てたんだね」
「、、、時雨さん、なんで」
そこに立っていたのはさっき死んだはずの男
時雨 龍星だった
「僕、死神だから」
/
「未奈ちゃんは澱じゃないっす」
「だが気絶している状況での能力の発動を確認した、お前はそう言ったな?」
「それは間違いありません」
「顕澱は感情によって作用するものだ、気絶しているのであればそんなことできるはずがない、なのに何故彼女が澱でないと言い切れる」
「私たちのために命を懸けて役目を果たそうとする彼女を、私は澱だなんて呼べませんから」
/
「未奈おはよ、体痛まない?」
、、、さっきも見た光景だ
さっきの任務で私はまた気を失ってしまったらしい
「うん大丈夫、ほかのみんなは?」
実際そこまで痛くないのだ
水の澱にやられた傷も残っているはずなのに
「雫君がかなり怪我しちゃってたけどみんな生きてるよ」
よかったあ、、、
心の中で、そして声にも出して安堵する
みんな生きて、それでいて任務も終えれたんだ
「お、未奈ちゃん起きた?じゃあ伝えたいことがあるから来てくれないかな?」
部屋の前を通りかかった時雨さんに伝えられる
「わかりました、杏また後で」
少しだけ痛む体を動かし私は彼のもとへ向かった
未奈が役割を果たしてくれていたおかげで鏡の設置はすぐに終わった
後から聞いた話によると雫君がこれで助かったらしい
、、、臆病な私でもできたんだ
未奈と一緒にこの世界、5番隊へ踏み入れてしまったけど私にも皆の支えになることはできる
、、、でも未奈には、まだ言えないことがある
それを解決するまで私は逃げ出しちゃだめだ
まだまだ向き合わないと
私自身の問題に
/
「上層部との会議の結果、君たち3人を正式に5番隊として迎え入れることになった」
そうだった
私と杏は監視という名目でこの部隊にいたんだったと
これからも監視はされる
でもこれからは本当の仲間としてもらえる
そう決まったみたいだった
「わかりました、じゃあこれからもよろしくお願いします、時雨さん」
/
私はこれから向き合っていかないといけない
澱のこと お父さんのこと
私は何のために戦うのかということ
これは壊れた日常の中で引き返せなくなった三人の記録だ
オマケ
2話の東雲との会話
「ごめん、東」
「ん?どうした?」
「俺初めてお前とあったとき回文みてえな名前だなって思っちゃった、俺の名前女みたいなって馬鹿にしてきたやつらと同類だなって思っちゃって」
「あー、でも俺のことに興味持っててくれたってことだろ?むしろうれしいくらいだけどな」
「、、、お前ってほんとにいい奴なんだな、、、こんなポジティブになりてぇ」
「なれるよ、お前なら」




