23. 情報屋
「お前が情報屋だとしてなんで俺に交渉を?」
目の前の男にそう問いかけた
冷静に考えてここにいる時点でただものじゃない
ここはやつらの巣穴なのだから
彼は顎に手をかけ、そして言った
「あなたの人生を私の目に収めたいので」
「は?」
思わず変な声が出た
その仮面から覗かせる目は気持ち悪く光っており少し吐気を覚える
「人生って美しいとは思いませんか?」
彼の声のトーンは上がり高揚していることが見てわかった
「私は私が美しいと思った人間の生きざまをこの目に残したい、その人間が死ぬまで」
死ぬまで
こいつは俺が死ぬまでその人生を鑑賞したい
そういうことか?
「、、、もし俺が了承したとしたらどんな情報をくれるんだ?」
そう聞くと彼は更に目を輝かせて言った
「あなたたちの中に紛れ込んでいる裏切り者について」
その目は金銀財宝のように印象に残り俺の思考を奪った
/
、、、暇だ
いつものことだがやはり暇だ
隊長は報告に行ったら余計なところにも行くから休暇ができる
でも私は休みなんかより働きたい
体を動かさないとなんか気に食わないのだ
「散歩にでも行くっすかね」
そうつぶやき私は腰を上げた
「このたい焼きうまぁ、、、」
、、、案外休暇も悪くないっすね
/
「裏切り者、、、?お前バカじゃねえの?」
思わず笑っちまいそうになる
「、、、何がです?」
キョトンとした顔でそう言った
、、、気づいてねえか
まあ気づいてたらこんなミスするはずないしな、、、
「裏切り者のこと言ってしまってもいいのかよ」
「、、、?」
気づいてないようだ
『裏切り者が私たちの中にいる、その情報をすでに君は私たちに与えてしまったというわけです その情報さえわかれば裏切り者はこちらで探せますし』
「あ」
その顔が一瞬にして青ざめていく
先ほどまでにやにやしていた口はあたふたしており動揺を全く隠せていない
『雫君、こいつのことはほっといて探索続けましょうか、なんかもう立て直せなさそうですし』
「そうですね、この花採取していきますね」
『お願いします』
「ま、待ってください!ほかにも情報ありますから!」
悲痛な声でそう呼びかけてくる
「そういってもお前のその情報が本当である確証もないし」
正直今のこの状態のこいつじゃ契約しようという気がわかない
「じゃあ私が澱についてもいいんですね!」
その言葉で自覚する
こいつが何者かわかっていない
敵かもしれないと
「まだ私はあなた方の味方でも敵でもありません、もし今ここであなた方が契約してくれるのなら味方に付くと約束します!」
そう真剣な顔で言われた
そんなに俺の人生を見たいのか?
それなら勝手に見ればいいはずだ
意味がわからなくなってきて頭が痛い
「どうします、刻之さん」
先ほどとは違う真剣な声で言われた
『無視して最悪の結末になるくらいなら契約したほうがいいかも』
「、、、わかった契約する」
「、、、よかったです、じゃあこれからよろしくお願いしますね」
初めとは違った顔で俺に微笑んだ
いや、この状況に安堵していた




