22. 花の散り跡
「朝か、、、」
雑に開いていたカーテンの隙間から光が差し込む
どたばたという音も少し聞こえていた
「雫くーん、時雨さんから連絡―」
勢いよく扉が開かれた
そしてプライバシーなんてお構いなしに杏が部屋へ踏み込んできた
「、、、ノックぐらいしろよ」
「時雨さん上の人たちに報告に行くからそれまで自由だってさ 二日ぐらいだって」
俺の言葉を無視して杏は喋った
「わかった、じゃあ寝る」
「、、、君もねぼすけかい」
そんなつぶやきが聞こえ扉が閉じる
俺は瞼を閉じ夢の世界へと、、、
、、、寝れない
怪我もあったし昨日早く寝たからだろう
対してすることもないのにどうすればいいのだろうか
、、、いやまだ自分の目で確認していない
あの病院で最後何があったのかを
/
俺は頭にカメラを固定し言った
「刻之さん映像見えてますかね?」
『はい大丈夫ですよ、何かないかしっかりと見ておくので!』
俺一人じゃどんな危険があるかわからなかった
だから誰か連れて行こうとしたが誰も手が空いておらず結局刻之さんに頼み込む羽目になってしまった
まだ仕事が残っていたところを快く彼は引き受けてくれた
「この先の階段の下が地下病棟、だったな」
地下への扉は赤く染まっており誰が見ても何かがあった
そう思わせるような雰囲気を纏っていた
その重い扉を力を籠め開く
その隙間からあの時と同じ、毒のようなにおいが漏れ出た
その空間には無数の花が咲き乱れていた
白い花びらの花だった
しかしそれには見覚えがあった
「、、、これってあいつの姿が変わったときに咲いていた花、、、?」
花びらを取ってみるとすぐに枯れていった
自分の触れた部分から
そして花に意識を持っていかれていた俺は後ろからきている男に気づくことができなかった
『雫君!後ろ!』
刻之さんの声で意識が部屋全体に戻る
後ろに、誰かいる
とっさに振り向くがそこには誰もいない
そしてさっきまで見ていた方向から殺気がした
とっさにその方向へ腕を振る
その気配の主は攻撃を避け言った
「excellent.」
/
黒いスーツに舞踏会などで見るような仮面の男だった
「誰だお前」
刀にて手を添え聞く
するとその男は先ほどまで放っていた殺気をなくし笑顔で話しかけてきた
「いやあやはり素晴らしい、あ、すみません取り乱してしまって 私こういうものです」
そういうとサラリーマンみたいに名刺を渡してきた
先ほどとのギャップで思わず困惑してしまう
「ど、どうも、、、?」
海老名探偵事務所 天空橋 光也
海老名探偵事務所
確か駅の近くにあったやつだ
人が入ってるところは見たことがなかった
「改めまして私 天空橋と申します」
とても丁寧にお辞儀をした
、、、なにこいつ
『えーと、これどういう状況ですかね、、、?』
困ったような刻之さんの声が耳に入ってくる
「俺に聞かないでくださいよ、、、」
俺だって助けてほしい
そこで
「まあ一言でいうなら、交渉しません?」
そいつは手を広げ言った
「は?」
「私、情報屋なのですよ」
そのニヤッと笑った顔
何か裏があると、いやそうとしか思えないような顔だった




