19. 氷
「お前の知ってることを話せ、話さなければ殺す」
刀を突き立てそう言う
いつ襲ってくるかわからない
こいつが何者かもわからないからだ
「、、、焦らなくても話しますよ、そうじゃなきゃ今彼女の体を借りてません」
やけにあっさりとそいつは従った
「澱について知っていることを教えろ」
「、、、まあ基本的なことはあなた方の知っていることと同じです あと澱には伍心と呼ばれる他とは違う澱がいます」
伍心、、、
聞いたことがないな
「、、、続けろ」
「肉体を得た澱は知能を得ます しかし鏡は人を映す、言ってしまうとその人間の心を呼び起こしてしまうのです なので澱は鏡、、、いや姿を映すものが嫌いなのです だから澱はあの町から出られない、川に囲まれているのでね、、、しかし伍心は別です」
、、、だからか
澱があの町のほかに侵略を行っていない理由は
「、、、他の澱もその情報は知っているのか?」
「普通の澱なら知らないと思います しかし私は伍心ですので」
、、、は?
こいつがその伍心の内の一人?
しれっといいやがったなこいつ
気味が悪い
「お前は未奈とどういう関係だ、今まで僕たちが見てたのはお前か?」
「いいえ、彼女はー」
、、、少し理解が追い付かない
この事件は思っていたより複雑なものだったらしい
「、、、信用していいのか?」
「まあしていただけると助かります」
今ここでこいつを殺すメリットもない
こいつの言っていることが本当なら猶更だ
「まあいいか 穏便に済ませたいしね」
刀を鞘にしまい部屋を後にする
、、、皆には黙っておくか
/
耳に入ってきた微かな電子音が私を起こす
目覚めてすぐは頭が回らず何も考えずに硬直する
、、、眠い
布団の心地よさに負けそのまま倒れようとしたその時
「みなちー時雨さんから連絡だよー」
杏が勢いよく扉が開かれた音で眠気はどこかに吹っ飛んで行ってしまった
「んぁ!?へ?」
「今日も遅いねー私より遅いのはもう寝坊助の称号はみなちのものだねー」
「いらんわそんな不名誉な称号」
「時雨さん上の人たちに報告に行くからそれまで自由だってさ」
自由、、、つまり休み?
「二日ぐらい帰ってこないってさ、んでどこ遊びに行く?」
杏はきらきらとした目でこちらを見ている
カフェとかゲームセンターとかそういうのを期待してるのだろう
だが
「私は松野さんに戦いを教わってくる」
守ってもらうばかりの私じゃいやだ
それに顕澱がなくても戦えるように
松野さんみたいになりたい
「、、、真面目だねぇ、じゃあ私も!」




