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18/24

18. 、、、忘れた


「、、、ん」

重い瞼を開く

白い壁や消毒液のツンとした匂いが印象的な部屋だ

つまり、病室だ

私は確かあいつを殺した後心臓を喰らって

そして、春花さんの記憶を見た

「あ、起きた?痛みはない?動ける?」

「、、、時雨さん」

部屋を覆っていたカーテンが開かれ時雨さんが顔を覗かせた

「はい、痛みはないです 動けもします」

毒で体が蝕まれている様子もなかった

「よかった、じゃあミーティングするからついてきて」

そう言って彼は外に行く

、、、作り笑いをしていたが心は晴れなかった

春花さんの過去

私の知らないお父さん

もうわけがわからなかった


/


「、、、松野さん?」

会議室には誰一人として欠けることなくそこにいた

そこにはあの時触手に腹を貫かれた松野さんもいた

、、、偽物?

いや、それなら刻之さんがわかってるはずだ

じゃあ本物?

でもあの時

確かに彼は死んだはずだ

「生きてるん、、、ですか?」

「、、、お前が治療してくれたんじゃないのか」

私が?

正直あの時のことはよく覚えていない

覚えているのはあいつを顕澱を使って殺したこと

そしてその心臓を喰らって春花さんの過去を見たことだけだ

、、、あれ

私なんで心臓なんか食べたんだ?

「じゃあ報告会始めますね」

刻之さんの声で皆がそちらに集中する

時雨さんも、雫君も、杏も

そこにいる私以外の皆が会話をやめそちらを向く

「まず、今回の任務としては成功と言っていいでしょう 猫宮君が病院にいた人を避難させてくれ、さらに澱も生け捕りにできたのですから」

生け捕り?

隣を見ると誇らしそうに杏が胸を張っている

「そしていくつかわかったこともあります」

一息おいて彼は言う

「澱は死体を被る」

、、、わかってはいたことだがいざ言葉にすると恐ろしいな

もし私たちが死んだら

もしそれが強靭な人だったら

どれだけ強い澱が生まれてしまうんだろうか

「隊長と城崎くんが八村、有馬隊員を被った澱と遭遇 未奈さん、雫君、松野さんが春花隊員を被った澱との遭遇ですね」

「あ、時雨さんたちもですか」

そっちのほうもか

、、、じゃあもしかして

「お父さんも、、、澱に」

「じゃあ俺の母親もか、、、」

それだけじゃない

この前の騒動で死んでしまった町の住民すべてが、だ

きっと今まで戦ってきた澱もそうなんだろうな

「今回町の方はそれ以外に成果を得ることはなかったのですが病院のほうがいろいろおかしかったんですよね」

深いため息をつきながら彼は言った

「だって通信妨害で途中からずっと連絡は取れないし、とれたと思ったらまた通信妨害くるし、、、はあ」

だいぶストレスが溜まっているようだ

「もしこれでだれか死んでいたら私のせいになってしまうじゃないですか、、、そんなの嫌ですよ、、、」

思ったよりメンタルは弱いらしい

子供みたいにずっとぐちぐち言っている

、、、なんか可愛い

「まあ皆こうして無事に帰ってきてくれてよかったですよ まあ雫君と未奈さん、松野さんは毒に侵されていましたけどそれ以外に目立った怪我もなかったからですね」

誰も何も言わない

誰も何も気づいていない

やっぱり皆、松野さんが怪我を負っていたことに気づいていない

これを知ってるのは私と松野さんだけ、、、

気味が悪かった

その後も刻之さんは何か言っていたが正直頭には入ってこなかった


/


会議が終わった後、私は松野さんのもとへ行った

「松野さん、さっきのどういう意味ですか」

会議の前、あの言葉がどうしても引っかかっていた

「俺が目を覚ました時、横にいたのはお前だった だからお前が何かしたのかと思ったんだ」

「そうですか、、、でも私は何も」

本当に記憶がなかった

、、、何か忘れてしまっているのか

「そうか、、、未奈、ありがとな」

「え?」

思わず顔を上げる

「澱を倒してくれて お前のおかげで避難も安全にすんだ」

「、、、いえ、それは松野さんが私を庇ってくれたからです」

言葉は自然に出た

私が倒れていてもきっと松野さんがあいつを倒してくれていたから

私は何の活躍もしてない

「へっ、じゃあお前を信じた俺の手柄か」

「そうですね 私はそう思います」

松野さんの笑顔を見て思わず私の頬も緩む

その後に松野さんは続けた

「なあ澱の遺体から心臓がなくなっていたこと、どう思う」

「、、、なんですか、それ」

「テレビが言ってたろ、春花の死体を被った澱は心臓がなかったと」

、、、私が食べたやつだ

「あー私が食べました」

口に出した瞬間、自分でも何を言っているのか分からなくなった

「は?」

「いや、、、なんででしょうね、、、あの時の記憶がなくて、、、」

思わず苦笑いが零れた

全然面白くないのに

今の私は彼から見たらただのやばい奴だ

でも

これが事実だった

その時、松野さんが一言呟いた

「、、、薬の澱」

「、、、あ」

頭の中で何かがつながった気がした

「お前、あいつの力を取り込んだんじゃないか?心臓を喰らうことで」

「、、、だったらなんでそんなこと私は知ってたんでしょうか、、、」

それについて考えようとすると頭の奥が重くなる

何かに思考を拒まれているみたいに

「、、、知らねえ、が お前が俺のこと救ってくれたのはほとんど確実だな」

「でも、、、」

本当にそうなのか、、、?

「うるせえ、お前が助けたのは間違いないんだから」

強く言い切られる

その言葉に少しだけ引き戻される

「ありがとな」

、、、何も言えなかった


/


皆が寝静まった頃だろう

「そろそろ行こうかな」

珈琲を机に置き立ち上がる

「時雨さんどこへ行くんです?」

作業をしていたよっくんが聞いてくる

「生け捕りにした澱のとこへ」

「、、、気を付けてくださいね」

、、、まあ嘘なんだけどね


各部屋に繋がる廊下の扉を開け

未奈の部屋へ手をかける

既に電気は消えており彼女はすやすやと眠っていた

「おい、起きろ澱」

、、、数秒たった後何かが起き上がる音がした

「、、、初めまして、ですかね」

未奈だ

しかしその目は赤く光っていた

「お前は誰だ」

「私は、、、」

あたりが少し冷えるような気した

「氷の澱 霜渚です」

オマケ 

学校での出来事

文化祭編2

杏「やだやだやだやだやだやだやだやだ」

未奈「はいはーい出し物の打ち合わせ行きましょうねー」

杏「やだあー!なんでメイド服なんか着なくちゃいけないんだー!」

未奈「だいじょぶだいじょぶー ちゃんと対処法を考えてくれてるってさ」

杏「、、、いやだぁー!」

五分後

杏「い、いらっしゃいませ、、、ご、主人様、、、」

未奈「あ、好き」

杏「、、、、、もう殺す、絶対殺す、どこまで逃げても殺すぅ!」

クラスメイト「やばい猫宮が暴れだしたぞおおおおおおお」

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