表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

155/163

episode 155

総務部には大きなモニターがあり、年頭の挨拶や訓示なんかでよく使われている。

アップで映ったのは、やはり玉田ゼネラルマネージャー。そこにジェインの姿はなかった。

「おはようございます。今朝のお知らせはビッグニュース過ぎて、皆さんマジで驚かれたことでしょう。うちのCEOだった草壁ジェインはこの度、辞任に加え辞職することになりました。私が後任を任され、CEOに就任します。これからもどうぞよろしくお願いします」

深々と頭を下げる。その間、総務はしんと静まり返っている。驚きを隠せない人々。二の句を告げられない雰囲気は続く。

壱花はそろっとモニターから視線を外した。

すると営業部の面々の中の弥一と目が合ってしまった。弥一はなにかを言いたそうにして、口をぱくぱくさせている。どうやら今回のジェインの辞任劇を知っていたのか? と訊きたいようだった。

ふるふると首を横に振った。

「そんなわけですが、皆さんにはこれからのSOTの発展のためにも、力を貸してもらいたい。私ひとりではなにも出来ないし、なにも成し遂げることはできない。今の今まで高い志を持ち、仕事に邁進してきてくれてありがとう。そしてこれからも同じ道を歩く同志として、お互いを尊重し高め合っていきたい、そう思います」

ぴりっと空気が変わった。

「お互い、かっこいい人間になりましょう!」

わははと玉田がおおらかに笑い、そしてそれに合わせるように拍手が上がった。

(ジェインさんがどうされたのかの話はあるのかな)

心配は続く。玉田の話も続いていった。

「ただ。我がSOTには、以前から大きな弱点がありました。それは、企画力の弱さです。みなさんも知っての通り、うちは営業部が企画を兼任していて、腰の重い思いをされていると思います」

ざわっとした。もちろん営業の人たちの方からだ。常日頃からの指摘や不満が表面化された瞬間だった。

「そこで我が社はフットワークをさらに軽くするためにIT企画会社、J-Planningと提携を結び、企画はそこに任せることにしました」

さらに、ざわりと声。

「J-Planning? 聞いたことないな……」

「企画を外注できるなら、俺らは助かるけど」

玉田が、ごほんと咳払い。それから意味深にニヤリと笑いながら、鼻を掻いた。

「それでは、J-PlanningのCEOを紹介します。草壁ジェインだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 玉田さん スピーチ上手い。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ