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第55章 天王洲会 VS 黒羽組

私は銀座のクラブのキッチンにいた。ここで、カクテルやフルーツの盛り合わせを作ったりするらしい。店内は黒羽達が来ているので、とりあえずココに隠れているのだ。


しかし、ホステスの変装とはいえ、白いドレスは恥ずかしかった。何よりも、スリットが大きく開いており、生足が太ももまで露出しているのだ。


私は横にいるサナエちゃんに意見を聞く。

「ちょっと、これエロすぎじゃない?」

「いいえ、とても似合っていますよ」

そう言う、サナエちゃんは対照的に赤いドレスを着ている。小顔でスタイルが良く、出る所は出ており、グラマーな体系で羨ましい。


しばらくすると、店のママらしき、着物の女性がキッチンに入ってきた。

「サナエさん、黒羽が来ています。全員で4人です。おそらく、全員が武器を持っていますよ。黒羽は腹に銃をさしているみたいですので、気を付けてください」

「情報、ありがとうございます。後は任せてください。あとは、予定通り、ここは戦場になります」

「ええ、分かっています」

「あと、修理代や迷惑料は、後で全てお支払いします」

「はい、それはいつでも結構です。では、私達がこれで失礼します」

そう言って、ママはホステスの女の子を2人連れて、店の裏口から出ていった。キッチンには私とサナエちゃんの2人だけになった。


それから、サナエちゃんはブランドのバッグを渡してきた。

「冬子お嬢様、バッグの後ろに拳銃を隠しておいてください。近づいたら、すぐに撃ち殺してください。こっちが有利なので、慌てずにお願いします」


私は渡されたバッグを見ると、エルメスのバーキンだった。ひぇー、これは数百万はするシロモノだ。汚さないように気を付けないと……。私はバーキンの後ろに拳銃を隠した。


サナエちゃんもバッグを持ち、その裏にコルトウッズマンを握りしめていた。後は、黒羽と3人の子分を殺すだけだ。


しばらくすると、ラウンジから声が聞こえてきた。

「ママ、新しい子を呼んでよぉー」


おそらく、黒羽の声である。サナエちゃんは小さい声で呟く。

「じゃあ、行きますよ」

私は黙って頷いて返事をした。


サナエちゃんが先頭で素早く歩く。私はその後ろを追いかける。店内のフロアに出ると、すぐに人が座っているボックス席が見えてきた。


壁際のソファに黒羽とオールバッグの男が座っている。その手前のソファに金髪のホスト風の男2人が背中を見せて座っていた。私達が明るい照明の下に近づくと、ます、黒羽がこちらを見る。


すると、黒羽は唖然とした表情になった。

「あっ、赤坂サナエ……」

そう呟いて、黒羽は腹にさした拳銃を抜こうとした。


しかし、それより素早く、サナエちゃんが拳銃を抜いて、引き金を引いたのであった。パンという1発の銃撃音が店内に鳴り響いた。黒羽の眉間はぶち抜かれて、そのまま後ろの壁に後頭部をぶつけて、ソファに座ったまま死亡した。壁際には、血の跡が彼岸花のように咲いていた。


となりのオールバッグの男が黒羽に近づく。

「オ、オヤジィー」

そう大声で叫んだ後に、私達に凄い形相で睨みつけてきた。


それから、懐に手を入れながら、再び大声をあげた。

「くそったれぁぁー」


しかし、私はそれよりも素早く、リボルバー拳銃を抜いて、オールバッグ男に銃口を向けた。そして、オールバッグの男に向けて発砲すると、弾丸が側頭部を撃ち抜いた。側頭部からは血がポンと吹き出して、オールバッグ男は黒羽に、膝枕をする形で倒れ込んだ。これで、残りは2人だけだ。


それから、背を向けていたホスト風の一人が走り出した。おそらく、入口に向かって逃走する気なのだろう。私はその背中に向けて、3発の弾丸を撃ち込んだのであった。パン、パン、パン、と激しい銃撃音が鳴り響いた。


男は壁に寄り掛かりながら、そのまま床にドサッと倒れ込んだ。壁には赤ペンキで塗ったような、血の跡が残っていた。まるで、前衛アートにも見えない事もなかった。そして、最後の一人はダンゴムシのように震えながら床にふせていた。


サナエちゃんが近づくと、最後の一人は大声で叫び出した。

「ちっ、違うんです、違うんです。なんか、誤解がありますので、ちょっと待ってください。マジでタンマ、タンマ……」


しかし、サナエちゃん震える男の後頭部を拳銃で撃ち殺した。一発で脳天を吹き飛ばしたので、恐怖も痛みもなかったと思う。


それから、こちらを振り向いて笑った。

「冬子お嬢様、クリアです。これで、シマお嬢様のカエシは終わりました。ボスのいなくなった黒羽組はバラバラになるでしょう」

「うん、そうだね……」

そして、サナエちゃんは黒羽の持っていたスマホを拾った。


どうやら、スマホの中身を確認しているようだった。

「これで、内部の情報が手に入りましたね。えーと、この通話相手は……」

そう言いつつ、スマホを操作すると、午前中に武器を仕入れた事が分かった。


取引相手はロシアンマフィアみたいだ。サナエちゃんは私にスマホの画面を見せてきた。そこには戦場で使うような武器の写真があった。


まず、ソ連が開発した対戦車兵器であるRPG7。これはヘリコプターも撃ち落とせる威力がある。もう一つは、軍用小銃のAK―47である。これもソ連が開発した、アサルトライフルで有名である。世界でも最も多く使われた軍用銃として、ギネス記録があるくらいだ。


これで本家が襲われていたら、こちらも沢山の犠牲者が出たはずだ。早めに黒羽を殺せてラッキーだった。戦いは運とタイミングも重要なのだ。


私はこれらの武器に素直に驚いた。

「こんなもんまで、仕入れているとは……」

「どうやら、近くの倉庫に隠してあるみたいです。私達が貰っていきましょう。次は府中を殺します。情報によれば、籠城作戦に出るみたいです」


籠城作戦という事はターゲットが、確実に事務所内にいるのが分かるので、攻める方にとっては有利だ。でも、府中組はシェルターみたいな事務所だったはずだ。さてと、どうするか? だけど、真一の仇だし、何とかするしかない。


私は血塗れのドレス姿で、サナエちゃんの目をジッと見た。

「サナエちゃん、府中は私の手で殺させてよ」

「はい、分かっています。本家に帰りましたら、すぐに準備をします」

こうして、私達は銀座のクラブから離脱した。

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