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第6章 2100年の歌舞伎町事情

柏木警部と小田原は黙って席に座っていた。先程の件で、周りの客がチラチラと見てくるからだ。


しばらくして、柏木が苦い顔をして、沈黙を破るように煙草に火をつけた。

「だから、言っただろ? 次は勝手に動くなよ。歌舞伎町は警察とヤクザしから知らない暗黙のルールがあるんだよ」

「すっ、すいませんでした。自分のせいで柏木警部まで迷惑かけてしまって……」

「まあ、いいよ。少しずつルールを覚えろ」


それから、柏木警部が歌舞伎町のルールについて話を進めた。歌舞伎町は稼げる街である。だから、悪い外国人の移民も集まるようになっていった。普通なら、警察が対処するのだが、外国人に対する締め付けが厳しく出来ない状態だった。それを説明しよう。


例えば、外国人の犯罪者によっては、何個も国籍を持っていた。なので、日本で逮捕しても、罪の軽い国に強制送還され、逃亡できる条例も認められていた。それに、怪しい人権団体がいくつも作られ、ヘイトスピーチだと外国人を守る声が大きくなっているのだ。


そして何よりも、絶対的に警察の数が少なく、どうにもならない現実があった。そこで、警察は天王洲会に協力を得るように交渉をした。関東移民学生連合会を潰した時と一緒である。


犯罪者は犯罪者同士で殺させておけばいいって考えだ。そして、手を汚すのは天王洲会の若い衆である。これだと、天王洲会にはメリットはない。


しかし、交換条件として、暴対法を緩めて、ある程度の犯罪なら見逃すようにしてあるのだ。天王洲会はその条件を飲んで、歌舞伎町のトラブルを解決しているのだ。もちろん、警察も自分の部下を死なせる確率が減ったので満足しているようだった。


つまり、第二次世界大戦後の日本と同じ状況である。警察とヤクザが裏でつるんで、治安の維持をしているのだ。


小田原はその話に驚く。

「こんなこと、法治国家の日本で許されるんですか?」

「まあ、お前の気持ちも分かるよ。だけどよ、外国人の犯罪者なんか、国籍を何個も持っているから、警察官を刺すことなんかためらいがないぞ。日本人とは考え方が違うんだ」

「確かにそうですけど……」


柏木は冷めたコーヒーに口をつける。

「俺達が危険な目にあうより、クズ同士で殺し合ってくれた方がいいだろ? たださえ、警察のなり手が少ないのによ。野党なんか、警察を民営化なんかしろとか、バカな事言っているし……」

「これが歌舞伎町のルールですか?」

「ああ、そういう事だ。あと覚えておけよ、歌舞伎町で発砲音を聞いても、煙草を1本吸ってから行けよ。その間に天王洲会が片づけてくれるからよ。すぐに駆け付けても、殺されたら意味ないからな。俺達はそんな高い給料もらっているわけもねえしな。先月も刑事ドラマに憧れて入った奴が殺されているからな、お前も気をつけろよ」


小田原は自分もそうならないように肝に銘じた。

「分かりましたよ。柏木警部、もう警察に正義はないのですかね?」

「俺達の仕事は悪人を捕まえる事じゃない。日本の治安維持が仕事だ。だから、全てに割り切れよ。神様じゃねえんだよ、警察は……」


柏木はコーヒーカップを机の上に置く。

「まあ、これからは日本人で団結しないと、国の治安がもたない。たとえ、協力する相手がヤクザでもあってもだ。もう、日本は限界が近いって現実を受け入れろ。もはや、移民の国であり、外国人の声は無視できねんだよ」

「はい、分かりました。もうちょっと、天王洲会について詳しく教えてください」

それから、柏木警部は天王洲会の話を続けた。

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