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第4章 恐怖のワン姉妹

テレビ画面の中には、ヘルメットをつけた女性アナウンサーが大声をあげていた。

「ここは都庁前です。先程、都庁で爆破テロがありました。その犯人から、各テレビ局に犯行声明らしき映像が送られてきました。これから、その映像を流します」

そう言うと、犯行声明の動画がテレビに流された。


そこには目の鋭く、若い女性が映っていた。

「私は関東移民学生連合会の最高幹部の王香珠である。再び、過労死によって死んだ同胞の敵討ちのために日本へ帰って来た。都庁の爆破はあいさつ代わりだ。これから、ブラック企業を血祭りあげてやる」


それから、テレビに人差し指を向けて、手で銃の形を作りながら喋る。

「あと、もう一つの目的がある。3年前に同胞が何十人も殺された。だから、天王洲会には借りを返させてもらうぞ。会長の天王洲文太は覚悟しておけ、BANG」

そう言って、手で作った銃を撃つポーズをした。


そこで、冬子がリモコンをテレビに投げつけた。すると、テレビが倒れて画面の映像が消えた。俺は冬子を見ると、今まで見た事ないような殺気を放っていた。

「フフフ、あの女め。まさか、向こうから日本に来てくれるとはな。なめやがって、クソッがぁ。やっと、父さんの仇討ちを出来る日が来たよ。あいつはだけは絶対に殺してやる」

「おいおい……。冬子、大丈夫か? とりあえず、落ち着けよ」


しかし、冬子は返事することなく、拳銃を握りしめて部屋から飛び出した。俺は止めようとするが、腕を振り払われて逃げられてしまった。さて、どうするか……。


俺は部屋で悩んでいると、聞きなれたエンジン音が外から聞こえてきた。マンションの窓から下を覗くと、冬子がハコスカに乗って飛び出していく姿を見た。おそらく、方角的に都庁に向かったな。


もう、犯人はいないに決まっているだろう。いつもの冷静な判断がないな。そうだろ、相棒? 俺はこういう時は家族じゃないから冷静だ。まずは何よりも情報収集が大切だ。


まずはネットでニュースを確認すると、先ほどの映像が色々なサイトに拡散されている。SNSでは関東移民学生連合会が復活したという書き込みが多い。他にも色々な考察もされているみたいだ。王香珠は逃亡中の間に、海外で軍事訓練を受けていたらしい。そして、仲間と一緒に日本へ戻って来たという情報が入っている。


まあ、これだけのテロリストを入国させるには、絶対に国内で手引きをしている仲間がいるはずだ。もしかしたら、日本人の可能性だってある。


俺はスマホを操作して、ワイルドバンチにログインをした。

そして、今回の賞金首の情報を見た。


王香珠ワン・シャンリンは25歳の女性である。賞金額は6000万ギル。

関東移民学生連合会の最高幹部であり、反日運動家の中では英雄扱いである。

日本に帰化しており、通名は王月香おうつき・かおり

二丁拳銃の使い手で、仇名はダブル・ノリンコ。

愛用している拳銃は92式手槍。装弾数は20発+1発のモデルである。

写真を見ると、目が鋭くてロングヘアの女である。最終学歴は東京大学理学部を中退。


主な犯罪の経歴とは以下の通り。

2096年8月、物流会社の丸山物流(株)の会長を拉致して、リンチによる撲殺。

2097年1月、電気メーカーの真田電子工業(株)の人事部長を射殺。

2097年3月、飲食業界の大手であるフードホープ(株)の役員2名を射殺。

などなど、20人以上は殺害している。その中には冬子の父親もいた。

2097年5月、天王洲会の若頭を射殺。(同年にコロンビアへ逃亡する)

天王洲会の若頭か、これが冬子の親父だな。


おっと、先程の情報がもう更新されていた。2100年6月、日本の都庁を爆破する。とは言っても、都庁のトイレ内で爆発したらしくて、死人は出ていないようだ。おそらく、


建前上の目的は、外国人技能実習生が過労死した企業の襲撃だ。だが、冬子の伯父さんの情報によると、真の狙いは別にある。こいつらの真の目的は、中国マフィアの日本進出の手伝いらしい。


まずは日本の治安を乱して、悪い移民を団結させることにより、日本の治安を悪くして警察の力を弱める事だ。2100年頃、日本人が少ないと言っても、警察官に限っては外国人に任せるわけにはいかないのだ。そういう理由があり、警察官の数が少なくて、圧倒的に足りない状態である。


たださえ、100年前もよりも治安が悪くなって、留置所は常にパンパンな警察署が多いのだ。それゆえ、全国の警察官は不急不眠で働いているのだ。その結果、警察官の過労死が多くなり、目指そうとする若者も減っている状態だ。


そんな所に、東京でテロリストが暴れたら、他の事件には手が回らなくなるのだ。だから、警察官の力を分散する事が出来れば、治安維持が出来ない状態になる。そのスキに、中国マフィアが不法入国できるのだ。


まったく、真面目に働いている中国人は迷惑しているだろうな。こいつらのせいで、中国人全体が悪い印象になっちまうのだから……。更に、今回もう一人の仲間が日本に帰国している。


王麻美ワン・マーメイは24歳の女性である。賞金額は4000万ギル。

関東移民学生連合会の参謀委員であり、王香珠の妹でもある。

日本に帰化しており、通名は王月麻美おうつき・あさみ

爆弾の使い手で、仇名はデス・ドローン。

写真を見ると、童顔でシャギーカットの金髪にピアスをしている。東京大学工学部を中退。


大学ではドローンによる研究をしており、IQ180超えの優秀な学生であった。大学の研究室で、障害者向けのドローンの開発に成功する。


従来のドローンとは違い、脳波による電波で操縦を可能にして、世間を騒がせたのである。しかし、そのドローンに爆弾をのせたデス・ドローンという兵器を作ってしまう。


学生運動中にはデス・ドローンによって、30人名以上を殺害したとされている。また、それらを外国のテロリストに販売して、組織の運営資金に充てたとされている。これらの経歴から、妹の方が凶暴という見方をする人も多い。


2人合わせて、1億ギルの大物である。表向きは革命家気取りをしているが、本当の目的は金目当てのクズだろうな。まあ、中国マフィアに雇われたテロリストだと思えばいい。まるで、ダイハードの世界だぜ。


しかし、俺達が1億ギルのバケモノ級の賞金首に手を出す日が来るとはな……。もしかしたら、返り討ちにされる可能性の方が高いかもしれないぜ。まあ、現実的に考えて、こいつらを1人で捕まえるのは厳しいだろう。


あのバカめ、ひとりで飛び出しやがってよ。まったく、俺がいないと何も出来ないんだからな……冬子はさぁ。


日本を混乱させたテロリストであるワン姉妹。この2人と戦った賞金稼ぎとして、のちに俺達は有名人になる。


俺は冬子と一緒に、賞金稼ぎをやる事は人生そのものになっていた。2100年頃の世界は確かに、治安も悪く、経済も最悪で、戦争も絶えない、最悪の時代に生まれてしまったのかもしれない。


だけど、毎日がワクワクして、最高の相棒とムカツク賞金首をぶっ飛ばして金を稼ぐ。これはこれで生きていくのも楽しいぜ。なあ、冬子もそう思うだろ?


まったく、賞金稼ぎはやめられないぜ。



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