表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/118

第33章 冬子先生のヤクザ歴史講座(メキシコ編)

さて、次は私が賞金稼ぎをしている理由について詳しく述べよう。マリンに説明した通りに、自分の姉を探すのが最終的な目標である。それと、もう一つの理由は父の仇である。


冒頭でも説明をしたが、私の祖父は歌舞伎町を仕切っているヤクザの親分である。『天王洲会』と呼ばれる1000人を抱える博徒集団であり、戦後の日本の治安を守ってきたのである。


ここで、ヤクザの歴史について振り返りたい。ヤクザが一番活躍していた時代と言ったら、第二次世界大戦後の戦後であることは間違いない。


戦争に負けた日本は警察の力が弱まり、不良外国人が治安を乱していた。そこで、ヤクザが自警団という組織を作った。この自警団が不良外国人と抗争をして、血を流して日本の治安を守ったのである。


なので、日本政府もヤクザによる、ある程度の暴力事件には目をつぶった。しかし、不良外国人を一掃すると、今度は自警団同士で抗争を始めた。いわゆるヤクザの縄張りを争う抗争である。その結果、戦後はヤクザによる発砲事件がしばらく続くのであった。


そのまま時は流れて、1964年の東京オリンピックも近くなると、当時の池田総理は『暴力犯罪防止対策要網』を閣議した。何が言いたいかと言うと、警察もヤクザに対して厳しい捜査をするようになったのだ。


つまり、日本政府は不良外国人を追い出す目的が達成されると、今度はヤクザを潰す為にあらゆる対策をしたのだ。そこで、ヤクザは合法の堅気の仕事に手を出す事になる。


いわゆる、芸能界、人材派遣、建設事業など様々だ。その後はバブル時代が続き、ヤクザが輝く時代が続いたのであった。しかし、時代は平和になっていき、ヤクザには厳しい冬の時代が訪れようとしていた。


それを痛感したのが、1991年に施行された『暴力団対策法』である。これにより、みかじめ料や金品の要求は禁止されて、ヤクザは弱体化されていく。2008年には『使用者責任』も加わり、末端の組員の恐喝も組長の責任になるようになった。


それでも、2010年頃には8万人のヤクザが日本にはいた。その後も、2020年の東京オリンピックの治安対策に備えて、どんどんと法律は改正されていった。そして、2090年頃にはヤクザは1万人を割っていた。この頃のヤクザは地下に潜ってマフィア化していた。


しかし、ここから日本政府がヤクザを必要とする時代が来たのである。2090年頃、第三次世界大戦が起きた。戦後の日本経済はボロボロになり、再び警察の力が弱まっていた。その頃、移民による学生運動が盛んになっていた。その移民は『関東移民学生連合会』と呼ばれる大学生を中心とした過激派であった。


彼らの目的は労働に対する法律改正が目的であった。理由は外国人技能実習生で過労死した仲間の敵討ちである。だが、就職出来ないストレスを晴らす為に、何となく参加している学生も多かった。新聞には1960年代の学生運動復活など話題になっていた。ただし、武器は角材や火炎瓶だけで済まなかったのである。


なぜなら、海外マフィアがスポンサーとして、彼らに拳銃を与えていたのである。目的は日本の治安を乱して、自分達が日本へ進出する為であった。銃を与えられた学生は、過労死が出た企業に銃弾を撃ち込んだり、そこの社員を闇討ちして嫌がらせをはじめた。


日本人は過労死をしても、遺族は暴力を使う事はないのが現状だ。しかし、外国人は違ったのである。デモなど生易しい日本人とは違い、親が身近に銃がある環境で育っているので、暴力による訴えに出たのである。


これには日本政府も手を焼いたのである。たださえ、外国人技能実習生の過労死で反日運動が続いており、東京の外国人の比率が40%近い状態なのである。


それに学生運動に参加している学生は高学歴が多くて、親も裕福な家庭が多いのである。そこで、鎮圧するのに死者を出してしまったら、反日運動が一段と激しくなってしまう可能性がある。なので、日本政府は移民が一致団結したら、国家が転覆されてしまうのではないかと心配した。


そこで、当時の日本政府は関東のヤクザを集めて起案した。関東移民学生連合会を潰したら、合法カジノのシノギを与えると条件を出した。


すると、関東中のヤクザが集まり、天王洲会という親睦団体を作ったのである。私の祖父がトップに座り、父が抗争の指揮官として、現場で銃を握り締めたのであった。


それは日本政府と海外マフィアによる代理戦争で、天王洲会と関東移民学生連合会が抗争をすることになったのだ。これなら死人が出ても、日本政府は責任を取る事なく、移民達の恨みはヤクザが全部請け負う事になるのだ。


それから、激しい抗争が繰り広げられたのであった。関東移民学生連合会は39人の死者、天王洲会も12人の死者が出た大抗争になった。死人が出ると、遊び半分で参加していた学生は逃げるように脱退していった。


所詮は素人学生の集まりであり、ヤクザとは腹のくくり方が違うのだ。その結果、関東移民学生連合会は解散に追い込まれたのである。


これには海外マフィアもヤクザの気迫に恐れて、日本への進出計画を中止したのであった。こうして、平和な日本になったのであった。しかし、解散した関東移民学生連合会の最高幹部が事件を起こす。


私の父を撃ち殺して、海外に逃げてしまったのである。当時は私の父が斬り込み隊長をしていたので、殺された仲間の報復であったのだ。これには日本政府も申し訳ないと思ったのか、最高幹部に5000万ギルの賞金額をかけてくれたのである。


すると、私の姉は父の敵討ちの為に海外に渡り、その犯人を捜す旅をしている。そして、ここ3年は連絡がないのだ。私は中学卒業後と同時に、失踪した姉を探す旅を始めたのである。早く、姉に会いたくてたまらないのだ。


そして、もうひとつの目的が最高幹部を殺して、私も父の敵討ちに参加することだ。今回はメキシコにいるという情報があったので、来てみれば既に出国した後だったのだ。だが、追うのにも金がいるので賞金首を捕まえて生活をしている。


一方の相棒であるナツの目的は単純である。やはり、目的は金なので、行く場所にはこだわりはないみたいだ。私の行く所についていくって感じのスタイルだ。


しかし、何度も旅を諦めようと思う事もあったが、ナツを見ていると悩むのがバカらしくなるのだ。ナツの明るさは見習うものがあるのだ。私はナツに会えた事に感謝している。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ