第27章 ガンスリンガーガール・冬子(メキシコ編)
私の横にはマリンが震えて伏せている。銃声が教会に鳴り響いているので、子供が恐怖を感じるのは当たり前か……。
私は安心させる為に、口に人差し指を当てて声をかける。
「シッ、声を出すなよ。絶対に守ってやるからな」
マリンが小声で頷く。
「うん」
しばらくすると、シスター達の銃声が消えた。拳銃の弾がなくなったのだ。私は机の横から少し顔を出して、表口のシスター達の様子を見ると、拳銃に装弾をしている。
おそらく、自分の撃った弾の数も数えていないのだ。やっぱり、武器の扱いはチンピラ以下だな。正直、私の敵ではないな。さて、どうやって片づけるとするかな。
私はふと天井を見ると、表口の天井に豪華なシャンデリアを発見した。あれは重そうだな。よし、使えるぞ。私は拳銃でシャンデリアを吊るしている鎖を撃ち抜いた。
すると、1発の銃声と共にシャンデリアの鎖が千切れた。重そうなシャンデリアがシスター達の頭の上に落ちる。
7人のシスター達が叫び声を出す。
「わあああああああー」
絶叫と共に脳天にシャンデリアが突き刺ささる。
7人の内の3人が何とか避けて、4人の頭上にシャンデリアが落ちて絶命した。チッ、全員を倒すのは無理か……。だが、あとは残り3人か……。
その3人はパニック状態になっていた。私の射撃の腕に恐怖を覚えたのだろう。すぐに、表口近くの机の下に隠れた。
残りの3人は大声で叫ぶ。
「おい、話が違うぞぉ。ザコじゃねえのか?」
「全然、強いじゃないかよぉー」
「どうするよ? 顔を出したら殺られるぞ……」
隠れても、声を出したら意味がない。自分の場所を伝えているようなものだ。これだけで、仲間と連携が出来てないのが分かる。金でルビーが寄せ集めたチンピラ連中って所だろう。
たいした戦闘経験もない感じだ。しばらくすると、1人のシスターが机から飛び出した。おそらく、ストレスて痺れを切らしたのだ。こっちに走りながら拳銃を乱射してきた。
大声で叫びながら、拳銃を撃っている。
「出て来い、出て来い。この賞金稼ぎぃー」
パニックを起こしており、弾は明後日の方向へ撃っている。
私は上半身のみを出して、素早く拳銃でパニック状態のシスターを撃った。シスターに2発の弾丸が体にめり込む。
すると、首と胸のあたりから血が噴き出した。
「ゴッガッああぁー」
叫び声と共に、前のめりに床に崩れて死んだ。それから、私は机の下に隠れた。拳銃の弾がなくなったので、ポケットから弾を装填していた。
この愛銃のM629は何度も命を救ってきた相棒だ。マグナム弾を撃てるのが素晴らしいけど、リボルバーなので装填数が少ないのが問題だよな。でも、100年以上前の拳銃でも現代に通用するのだ。
残りは、あと2人か……。敵も冷静になって、声を出さなくなっていた。だが、負ける気はゼロだ。死線をくぐってきた者しか分からない感覚がある。
あのルビーは修羅場を潜って来たタイプだ。確実に分かるのは、私が倒しているザコよりは強いだろう。ナツの方は大丈夫かな? いや、ナツが苦戦している所は見た事ない。
いや、私と戦った時は苦戦していたけどね。今頃はルビーと対決をしている頃か……。




