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第19章 最悪の朝食(メキシコ編)

次の日、私は寒さで目が覚めた。

いつのまにか、足が布団からはみ出してしまったようだ。寝相はいつも良いはずなのに……何故? 時計を見ると6時半頃だった。たしか、朝食は7時頃だったな。


私は近くの洗面器、でバシャバシャと顔を洗うと目が覚めた。窓からは光が差し込んでいた。私は窓を開けて空気を入れ替える。

小鳥がチュンチュンと鳴いて、心地のいいメロディのようだった。


しかし、それをぶち壊す寝言が聞こえて来た。

「ムニャ、ムニャ、金、メシ、金、メシ…………スヤスヤ」

ベッドでナツが爆睡していた。まったく、コイツは金と飯の他に興味ある事はあるのか?


まあ、仕方ない。とりあえず、ナツを起こそう。寝起きが悪いから嫌なんだよな。私は2段ベッドの梯子を上ると、ひどい寝相のナツがいた。枕を親の仇のように抱きしめていた。


寝ているナツを揺らす。

「おい、ナツ。朝だぞ」

無反応なので、頬を突っつく。

「ナツ起きろ。今日から仕事だぞ」


無反応なので、私はポケットからコインを落とす。

コインが床に落ちると、同時にチャリ―ンと音が鳴った。

すると、ナツがキョンシーのように上半身を起こした。

「冬子、お金の音がしたぞ。何処だ何処だ……」

そう言いながら、ナツは2段ベッドから、ヒラリと飛び降りてコインを探していた。


しばらくして、ナツはコインをみつけたようであった。

「あっ……あった。ちぇっ、1ギルかよ」


私はナツに向かって言った。

「ナツ、1ギルなんてほっておけ。今回の仕事は200万ギルだぞ。さあ、頑張ろうよ」

「冬子、分かっているよ。とりあえず、メシ食べようぜ」

「だけど、その前に布団を直しておけよ」

「おう……」


返事はしたが、布団は直す事はなかった。そして、スタスタと食堂に歩いていった。マジでワガママな奴だなあ。本当にイラつくわ。


食堂は大広間だった。大きな暖炉があり、その上には絵画が飾ってあった。長いテーブルがあり、左右には何脚ものイスがあった。ルビーが一番奥の席に座っていた。


他にも若いシスター達が座っており、テーブルの上にはスープとパンが置いてあった。


私達はルビーの前の2席が空いていたので座った。座るなり、ナツは文句を言っていた。

「これだけかよ。少ねーな。ケチだろ……くどくど」


ルビーは咳払いをする。

「ゴホン」

私は慌てて、肘でナツを突っつく。ルビーが怒っているって事を教えるためだ。


しかし、ナツはエルボーを肩に放ってきた。私の肩に衝撃が走った。思わず、私は声が漏れた。

「ぐえっ、いてえ……」


そして、ナツの顔を見ると、1発は1発だろって顔をしていた。そういう意味じゃねえよ……バカ。


ルビーがみんなに挨拶する。

「皆さん、おはようございます」

みんな朝飯には手をつけない。どうやら、食べる前に神への祈りをするみたいだ。


ルビーはロザリオを握って呟く。

「天にまします我らの父よ願わくは御名を……」


他のシスターも祈りをしている。

ナツは既にスープを食べていた。

「ズーズー…。おっ、スープはまあまあだな。冬子はどう思うよ?」

そう言うと、ルビーがギロリとこちらを見ていた。


いやいや、空気読もうぜ……ナツ。さすがに、常識がなさすぎるだろう。しかし、シスター達は気にもせずに、天に向かって両手を合わせて祈っている。


最後にルビーが言った。

「アーメン」

よく分からないが、無事に祈りが済んだみたいだった。


すると、ルビーが皆に声をかける。

「それでは、朝食を食べましょう」

一礼して、若いシスター達も食事に手を付けた。


私もそれを見て、食事に手を付けた。まあ、普通の味だな。教会の食事だしこんなもんだろう。ナツは既に食べ終わっているみたいだ。


食べるのは早いな、仕事も早くしてほしいもんだ。私達は食事が終わると部屋に戻った。

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