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第18章 真夜中の探検(メキシコ編)その2

俺は質問する。

「お前こそ、誰だ?」


年増女はムッとした顔で話す。

「あなたの依頼主ですよ。賞金稼ぎのナツさん」

ヤバッ、教会に入って爆睡してしまったから、依頼主とは会ってはいない。


いや、会っていような記憶があるが、名前までは思い出せないぜ。そういえば、眼鏡女だった気がする。ヤバッ、依頼主に失礼な事をしたら、冬子に怒られてしまう。何とか誤魔化さないとな……。ああ、めんどい。


そして、俺はヘラヘラして言い訳をする。

「ハハハ、ジョークですよ。依頼主を忘れるわけがないでしょう」

「そうですよね、プロですもんね」


年増女がイライラしているのが分かる。

しかし、名前が分からん。確かロビー? いや、ロビーは廊下だな。確かベビー? いや、ベビーは赤ちゃん。あっ、思い出したわ。これで間違いない。


俺は年増女の名前を言った。

「名前はダービーさんですよね」

「………」

「馬面みたいな顔だし、名前にピッタリで羨ましいなあ」


しかし、年増女は静かな怒りを見せた。

「私の名前はルビーです」

「…………」

俺は笑って誤魔化す。

「ジョークですよ、ハハハ」

だが、ルビーの表情は真顔だった。


すさかず、俺は近づき肘でルビーの肩を突っつく。

「シスター、冬子には内緒でお願いしますよ。ハハハ……」

「はいはい」

そう言って、蔑んだ目で俺を見てきた。ルビーは怒ったのか、スタスタと立ち去ろうとする。


学校の国語の女教師って、大体はこんな感じだよな。嫌味でネチネチしている雰囲気だ。そういえば、つまみ食いをしていたガキの事を教えてやるか……。


おそらく、ここに住んでいる子供に違いない。俺が役立つ所を見せておくか。あのガキが説教されている所も見たいしね。正直、生意気なガキとの約束なんてどうでもいいしな。


俺はルビーに話しかけた。

「そういえば、さっきこの物置部屋で……」

しかし、ルビーは会話を遮ってきた。

「正直、あなたと話すと疲れます。何らかの話は、冬子さんを通してください。こちらはミサの準備で忙しいのです。では、失礼します」

早口でそう言うと、廊下の奥へ消えていった。なんだ、気取りやがって……クソッ。


俺は舌を出して、中指を立てた。しかし、ルビーって女は真面目そうな印象に見えた。しかし、あの手のタイプは何を考えているか分からないのだ。ありゃ、裏表があるタイプの女で、本能的に合わない人間だと思った。


俺も部屋に戻ると、急に眠くなってきた。冬子はベッドでスヤスヤ寝ており、寝顔は可愛い女の子だった。普段は大人っぽいのに、こういう所は子供に見えて、ついイタズラ心が出てしまった。


俺は冬子の布団をめくり、足首の部分だけ出した。冬子は寝言で寒がっているようだった。

「うーん。うーん。寒いよ」

俺は冬子が寒がっている顔を見て満足した。フフフ、ざまあみろ。普段から、威張っているからだぜ。さて、俺もそろそろ寝よう。明日から仕事は面倒だよな。


でも、金が欲しいしから仕方ない。働かないと食えないとは嫌な人生だ。ああ、金持ちの家に生まれたかったぜ。なんで、俺は親もおらず、貧乏な生活をしないといけないのだろう。


まあ、考えても仕方ない。俺は2段ベッドの上に寝転がった。さて、もうひと眠りしよう。そして、深い眠りにおちて行った。


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