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第70章 ナツ VS ワン・マーメイ

確か、このパンク女は脳波とかで、ドローンを操っていると聞いたな。つまり、ワン・マーメイ自身を殺せば、デス・ドローンが動かなくなるはずだ。


だけど、本人には4台のドローンがガードしており、簡単に近づく事ができない。迂闊に近づいたら、バラバラ死体の出来上がりだ。なんか、ヒントがあるはずだ。よく考えろ……。


そう言えば、私の視界いる限り、デス・ドローンから逃げられないぞ、って言っていたな……。ということは、視界が遮られている間は、俺達に攻撃が出来ないって事だ。それなら、チャンスはあるぞ。俺は冬子と背中合わせになり、2台のドローンに囲まれて対峙する。


そして、俺は冬子に耳打ちをする。

「このままだと、ワン・シャンリンに逃げられちまうぜ」

「そんなのは分かっている。だけど、どうやって突破するよ?」

「そこで、俺に良い作戦がある。だけど、説明している時間はねえ。とりあえず、俺の言う通り動いてくれ」


冬子は珍しく、素直に同意した。

「それで、私は何をすればいい?」

「いいか、今から5秒後に煙幕弾を投げつける。煙が出ている間、パンク女は視界ゼロで攻撃が出来ないはずだ。そのスキに、冬子はエレベーターを使って、ワン・シャンリンの所に行ってこい」

「ナツはどうするんだ?」

「俺はあのパンク女に借りを返しておく。とにかく、冬子はエレベーターまで走り、20Fにいけばいいだけだ。早くしないと、ワン・シャンリンが逃げちまうぞ。この作戦でやるか? やらないか? さっさと決めろ」


冬子は溜息をついた。

「やるよ、ナツ。死ぬなよ、相棒」

「俺は賞金をもらうまでは死なねえよ。じゃあ、行くぜ」

「おう」

そして、俺は煙幕弾をワン・マーメイに投げつけた。


すぐにパンク女が煙に包まれていく。俺達は鼻と口を塞いで、確認したエレベーターの方に走り出した。全部で、5台のエレベーターがあり、冬子はその全てに上のボタンを押した。


ちょうど、タイミングがよく、すぐに1台が開いた。おそらく、今日は俺達しかいないし、パンク女が降りて来たエレベーターだと思う。まあ、とにかくラッキーだ。冬子はすぐに乗り込み、そのまま20Fに向かった。敵を討ってこいよ、相棒。


そして、俺は全てのエレベーターの下ボタンを押した。しばらくすると、A棟の10Fフロア全体が煙に覆われた。この行動を見抜けなかったワン・マーメイは、目をこすりながら、咳をゴホゴホしていた。


そして、怒りながら大声を出した。

「ゴホ、ゴホッ……。くそ、ふざけやがってぇー。この煙がなくなったら、お前らは終わりだからな。ゴホッ、ゴホッ……。西太后みたいに、手足を切り落としてやるぅーー」

よし、ドローンはまったく動いていない。後は俺がケリをつけるだけだ。


一方のワン・マーメイは咳をしながら、何やら文句を叫び続けていた。バカめ、場所が丸わかりだぜ。俺は息を吸い込まないように、ワン・マーメイが叫んでいる声を頼りに近づく。


そして、声のする下の方を見ると、奴の履いているスニーカーが見えた。それを目印に、ワン・マーメイの後ろにまわり込んだ。そして、徐々に煙が少なくなり、視界がなんとなく見えるようになっていた。


その瞬間、下に降りるエレベーターが到着した。チーンと音が鳴ると同時に、エレベーターの扉の一つが開いたのであった。俺はそれをサッカーのゴールポストをなぞるようにして、ワン・マーメイの背中を蹴り飛ばした。


すると、パンク女がサッカーボールのように吹き飛び、そのままエレベーターの中にゴールインした。俺もそのエレベーターの中に、パンク女と一緒に入った。こうして、俺は扉をすぐに閉じて、ワン・マーメイを密室のエレベーターの中に閉じ込めた。


そして、俺は1F行きのボタンを押した。もはや煙はなく、お互いにの顔が良く見える状態になった。俺はワン・マーメイを見ると、背中のダメージがあったのか、地べたに座りこんでいた。おそらく、背中にヒビが入っているはず……。


しかし、ワン・マーメイは強気な目で俺を睨みつけてきた。

「キャハハ……。私にダメージを与えたからって、勘違いして調子にのるなよ。すぐにドローンで、お前の両手足を切断してやる。楽には死なせないからな、赤毛女」

そう言う、ワン・マーメイは勝ち誇った顔をしていた。視界が見えるようになった自信なのだろう。コイツ、バカだな。


俺はケラケラと笑い出した。

「おいおい、本当にIQ180かよ? ここは密室だぞ? どうやって、ドローンをココへ入れるんだ?」

「あっ……」

その言葉にワン・マーメイはようやく気が付く。ここはエレベーターの中であり、いるのは自分と俺だけという事に……。


そう、頼みのデス・ドローンは10Fに放置されているのだ。今から呼んでも、絶対に間に合わないのだ。なんとか頑張って、エレベーターの鉄の扉を切るか? 


いや、丸ノコギリで鉄の扉を切るのには、どうやっても何十分もかかってしまう。ようするに、ワン・マーメイとしては、俺にすぐに攻撃をできない状態なのだ。つまり、将棋でいえば詰みである。


それに気が付いたワン・マーメイは顔を真っ青にする。

「まっ、待て……」

「はーい、地獄行きの直行便が出発しまーす」

「おい、私に近づくな……。やめろ、来……」


俺はエレベーターが1Fにおりるまでの間に、ワン・マーメイの右腕、左腕、右足、左足を蹴り潰して、すべての骨を粉砕した。エレベーター内に絶叫が反響する。


そして、ワン・マーメイが何度も泣き叫ぶ。

「うがぁーー」

俺がふと見ると、ワン・マーメイの左腕の骨が飛び出ていた。こりゃ、痛いはずだわ。俺はとどめのケリをパンク女の腹へ食らわした。そして、更にエレベーター内に絶叫がこだました。


エレベーターが1Fに着く頃には、ワン・マーメイは小便を漏らして気絶していた。そして、手足は人形のようにダラリとしており、もう再起不能の状態だった。コイツがダルマ女になったな。


フフフ、俺様って強すぎだろ。頭もいいし、顔もいいし、性格もいいしな。これを見たら冬子も惚れちゃうだろ? さてと、冗談はこれ位にして、冬子を手伝いにいくとするか。


そろそろ、ボスキャラと出会っている頃だろうな……。

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