表の白と裏の黒 コイン一枚目
登場人物
深月
朱い毛並みの獣人の女の子
白錬屋の店主、ミユに拾われて住み込みで働いている
「んー、何に使おっかなーっ♪」
ピカピカの金貨を手に・・・・・
「あ、こんな大金手に持ってたら取られるかも・・・・!」
慌てて財布の中に入れてしっかり財布の締める
「ホント、珍しくミユさんがおこづかいくれたなー しかもこんな大金!」
そんな独り言をしながら私こと深月は自分の朱い尻尾を振りながら街を歩く
「・・・・・でも、ミユさんの方がもっと大金持ってるんだよねー」
何となく大人ってズルいと感じる子供の私
・・・それにしても、
「ミユさんっていつもお金どうしてるんだろ?」
ミユさんはお金にめがつい
自分しか作れない物を要求する相手にはぼったくりな値段を要求したり、元の素材の値段以上の売価で物を売ったりして貪欲にお金を集めるミユさん
だが私は一度もミユさんが、素材を大量に買いだめするのを除いて一度も大きな買い物を、と言うよりお金を使っているところを見たことが無い
それでお金を貯めこんでいるのかと思えばミユさんが留守の時に家(お店)中を探しても隠し部屋や金庫どころかお金を隠せそうな場所すら見つからない
「ホントミユさんってお金を貯めてどうしてるんだろ?」
そんな事を呟いていると、
「ホント、気になるよねそうゆうの」
イキナリ自分の呟きに返答が返ってくる
驚いて辺りを見渡すと、
「近しい人の闇ほど覗きたくなる物は無いよね ま、今回は猫なんだけど」
「・・・・・誰、ですか?」
喫茶店のオープンテラスにコーヒー片手に話しかけてくる人、いや猫
「ワタシ? ワタシは・・・・・ あー、どうしよ?」
耳元を掻きながら困った様にする
その猫は少し奇妙な印象だった
「んー、名前言っても良いのかなぁ・・・? ここはミステリアスな猫さんくらいにしとくか? やっぱここは正体不明くらいが良いのかな?」
・・・・言動も奇妙な印象だった
何言ってるんだろ、この猫
そしてこの猫を一言で印象を表すなら、『夜』だった
茶色の肌に真っ黒な長髪、そして漆黒と言っていい様な黒い和服、その真っ黒な出で立ち故に光っているように見える目
正に夜の暗闇を歩く猫のような印象に更に何故か二本ある黒い尻尾が揺れる
「あ、そこまで言っちゃう?」
「え? 何も言ってませんけど・・・・・」
「あー、そこまで容姿紹介されたらもういいか これなら普通の猫の姿でいるべきだったかなぁ?」
何だかよく分からないがそんな事を困った様に言って、
「ワタシは未夜、未だ夜と書いてミヤだ」
「ミャア・・・・・?」
「ミヤ!」
未夜と名乗った少女は声を荒げたのちに手元にあるコーヒーを飲む
「うん、コーヒー片手に謎の少女が話しかける、実に絵になるねぇ様になるねぇ
カフェオレ我慢してブラックコーヒー飲んでる甲斐があるって物だよ」
「・・・・・・・・・・・」
よし帰ろう 私はこの猫を無視して
「あー! 待て待て!!」
慌てて止めに入る未夜
「少しくらい話ししてよ・・・ 何で最近未夜さん振り回されっぱなしなのさ・・・・」
大きなため息をつく未夜
「てか、ミユがお金をどうしてるか気にならないの?」
「それは、気になりますが・・・・・」
「ワタシが怪しいと?「はい」返答はっや!」
今度はため息を付くどころが逆に楽しそうに言う未夜
「いいねいいねぇ! そうゆうネタになりそうな事はどんどんやって行って! 頑張って字数を稼いでくれよ、今回の重要視点者!(予定)」
怪しい!何か怖い! よし帰ろ「だーかーら止めて!」
帰ろうとしてもやっぱり止めに入る未夜
「・・・・そんなに帰ってはダメなんですか?」
「ダメ、今はダメ ワタシは今ここで君の足止めをしなければならないんだ 何せ今は白錬屋はちょっとした修羅場に・・・・・
ってだから止めて!! 天丼(同じことを繰り返すお笑い用語)は最高三回までだからね! ホントにこれ以上帰ろうとするのは止めてね!!!」
今度が静止も振り切って返ろうとしたのだが最終的に抱きついてまで止めに入る未夜
「うるさい! いま白錬屋に何か大変な事が起ってるんでしょ! なら今すぐ行かないと!!」
「行っちゃダメなんだって! 世の中には順序ってのがあるんだよ!? 今君が行ったら余計に大変な事になるんだから!」
と、抱き着いたままで急に声のトーンを落として、
「最悪、君がミユに嫌われるどころか、迷惑をかける事になるよ」
「・・・・・・何?」
その言葉に振り払おうとするのを止める
「世の中にはね、順序ってのがあるんだ」
引きずられて土のついた服を払いながら席に戻る未夜
「間違った情報を先に知ってしまうと後から知った正しい情報を受け入れなくなってしまうように、明確な事実ほど先に知ってしまうと誤解を与えやすいように、順序を気にせず料理してしまうと何か良く分からない物が出来てしまうみたいに、大事な物ほど順序を守らなかった時の歪は大きくなるものだ」
「・・・・なら、順序的にまず最初に知らなければならない事が」
無視も出来ず、仕方なく未夜の向かいに座って言う
「未夜、アナタは一体何なのです? アナタはミユさんの知り合い? それとも・・・・」
と眼光を鋭くして、
「いま白錬屋を修羅場にしている人の知り合い」
「ふむ、確かにそれは大事だ 話しを聞く前に信用を確認するのは順序的にまず最初にするべきことだな
それこそ利用規約の確認みたいに」
そう言ってブラックコーヒーをすする未夜
「先に君の質問に答えておくとどっちの知り合いでも無い」
コト、とコーヒーを置いてニヤリと笑う未夜
「じゃあ、アナタは本当に何なんです?」
「ワタシはタダの小説好きの黒猫さんさ」
パチン と鳴らした指をこちらに向ける
「君にはワタシのお話を盛り上げて貰うためにある程度ワタシの誘惑通りに動いてもらわないと困るのさ
だから、ま、ワタシの事はチェシャ猫みたいな奴と思っておいてくれ 主人公を困らせる反面、主人公に助言を与える猫、とね」
そしてもう一度ブラックコーヒーをすする未夜
「・・・・・・・・・」
確かに様になってるな・・・・・
「それで、君はワタシのお話しで足止めをしてもらえないかな?」
「・・・・・・分かりました」
未夜が悪いヤツにせよ良いヤツにせよ話しくらいは聴いておかないと後々影響しそうな予感がした
「その足止めに乗ってあげますよ」
「そう来なくっちゃ」
と、未夜が足を組んだ後、
「折角喫茶店にいるんだから、というより話しをするんだからお茶ぐらいごちそうするよ
すみませーん、カフェオレ二つ下さーい!」
・・・ちゃっかり自分のも頼んでるし ブラックコーヒー、やっぱ苦かったんだな・・・・
ミハヤ)ロストさんはコーヒー飲みますか?
ロスト)コンビニのくじで当たるブラックコーヒーしか飲まないね 家ブラックコーヒー飲む人が居ないから僕が消化しないといけないんだよね・・・・




