偶然はほぼ必然と同じだろう 9ページ目
「それは面白い偶然ですね」
わざとらしくニヤニヤと笑う仁
「確かに中々の偶然、にしては出来過ぎだと思うのだけどなぁ・・・・・・」
いくらオレでも流石に分かる
今仁の部屋に居るのは仁とオレだけだった
普段は現実世界では全く出てこないオレだが一応の記憶はある と言ってもほぼ夢で見たような感覚でうろ覚えなのだがアリスに似た少女、リアスが同じ学校に現れ、散々振り回されたのだけは覚えている
「そうか、三回も視点を変えたら説明も三回いるのか・・・ 何か妙にくどく見えるな・・・」
「え? 何の話し?」
「アリスがアイドルになった時の曲をできれば三種類くらい欲しいって話し」
・・・明らかにはぐらかしたが、気付かない振りしてツッコミを入れれば、ファーストライブで三曲は多すぎないか?
それとも普通なのか、三曲
「まぁ話しは戻すとして確かに偶然にもほどがありますね」
ふむ、と考え込む仁
「うーむ、それだと実に厄介ですね・・・・」
頭を掻きながら仁は言う
「アリスの愉快犯、もしくは計画犯行か余計に分からなくなりましたね・・・・」
「そうだな」
「せめてリアスと言う少女とアリスの関係が分かればなぁ・・・・ 赤の他人なのか、本人なのか、もしくは二重人格とか・・・・・」
ぶつぶつと例を挙げていく仁
「レイはどう思います?」
「んー、そうだな・・・・・」
唐突に振られたが取り敢えず考えて
「オレはアリスとリアスは無関係だと思うかな」
「理由は?」
「んー、何と言うかな・・・・・」
オレはおぼろげな記憶をたどりながら言う
「何と言うか・・・ リアスって子はアリスっぽく無かったんだよ 何と言うか、妙に嘘っぽかった」
「嘘っぽい」
オウム返しに仁は言う
「これはオレと言うより多分ロストが思った違和感だと思うんだけど、リアスって子は妙に愛想良かったんだ 何と言うか、自分から作って人当りをよくしてるって感じで・・・・・」
自分でもよく分からなくて妙にあやふやになったが仁には伝わったようで
「成る程、要は作り笑いをしてる感覚があったって事ですね アリスの自分を見せびらかすような態度と違って、逆にリアスちゃんは自分を隠すような態度を取っていた、と」
そう言い終えると仁は少し渋い顔をして、
「それだと別人と言うより、あ、いや一応別人なのか・・・・・」
「? どうゆう事だ?」
「要はそれは別人格じゃ無いのかって事です」
仁は深く椅子に腰かけながら言う
「君、と言うよりロストと同じ要領ですね 自分に無い物を望んだ為に人格が変わる、ロストがレイを望んだ様に、リアスちゃんは自信過剰の愉快少女、アリスを望んだのかもしれませんね」
「・・・・・・・・」
ロストと同じ様に、今ある自分から逃げ出したかったから
「自分を解放したかったって方が正しそうですね いや、あえて不思議の国のアリス風に言えば、不思議の国に迷い込みたかった
それだといつもウサギを連れている理由にもなりますしね、不思議の国に迷い込む要因になったウサギをずっと追いかけてる、ずっと迷い込む為に」
ここら辺は流石にわかりませんね と仁は考えることを止める気なのかタブレットを手に持ちゲームをし始める
「もうそこまで来ると本人ですら動機が分からなくなりますからね」
「・・・・そうだな」
オレはロストの事を思い出す 逃げ出したくて、けれど逃げ出せなくて、やっとの思いで逃げ出しても鳥籠が捨てられなくて、そんながんじがらめな思いの末に叶ったのが二人に、レイとロストに分かれる事だった
当時はオレには何一つ記憶は無く、ロストは間違った願いの解釈をしてしまった為に色々と大変な事になった
「君たちの場合だと見事に分裂しましたが、アリスの場合だと多分二重人格にあるでしょうね 現実世界ではアリスは眠り、異端郷ではリアスが眠る
片方が起きる度に片方の世界が無くなる、本の方のアリスが目が覚めると不思議の国は無くなったように、片方が目覚めれば片方の世界が壊れる
ある種ジギルハイドみたいな感じなのでしょうね お互いがお互いを壊しあう 流石の僕も人格が入れ替わる時の気持ちは分かりませんからね
・・・・・変わると言えば、よく体が変わってるロストに意見を聞きたいのですが、・・・何処行ったんですか? あとユウキも」
「あぁ、ユウキは弾薬補充で、ロストは仁に会いたくないからって何処かへ隠れたな」
「・・・・・・・まだ怒ってますか・・・・・・」
本当にどうしようか・・・・ と頭を抱えて悩む仁を横目にオレは考える
ロストはいつもどんな思いで冷鵺からロストに変わっているのだろうか、体が入れ替わるってのはどんな気持ちなのだろうか、と
同じ自分のはずなのに、こんなんにも考え方が違うってのは、ロストにはどう見えているのかな・・・・・
話しは変わるけど今日(10/31)ってオーバーラップ大賞の締め切りよね
あぁ、そういえばそうだね
キャー、明日から正確な審査があるのね! 勿論アタシたちの小説が大賞受賞よね!
・・・・・無理なんじゃ無いかな?
んもう、意気地なしね! そこは当然だと言わないと、当たる物も当たらないわよ?
それはそうなんだけど、ほら、この小説って妙に独特じゃん? こんなに独特だと加筆も難しいから多分通らないんじゃない?
・・・・・さり気なく凡人には良さが分からないアピールをするのは流石ね
ま、落ちたところでまた別のに応募してみるだけさ、幸いにも何かまた別の応募やってたし
そのめげない気にしない心はとてもいいわ! がんばりなさいよ! 未夜!
落ちるのは前提! 落ちるのが確定ならそれ以上失うものは無し!
・・・・・とことん後ろ向きね、ある意味尊敬するわ・・・・・




