ウサギは追いかける為にある 1ページ目
「ウフフ、ほらほらこっちよ?」
いつも通り小馬鹿にしたような口調で黒いウサギと逃げながな言う金髪の少女
「くっそ、てめ・・・・!」
俺はどうにかして少女を捕まえようとするが地面にちょこまかと動く怪物、シルエットの『スクラット』が邪魔で追いかけられない
スクラットは暗い色が多いシルエットの中では珍しく白色でネズミのような形をしている、ていうかほぼネズミだ
別にそこまで脅威では無いのだが如何せん数が多い上に建物を齧ったりして迷惑極まりないのだ
「くっそあいつ害獣呼び寄せてんじゃねぇよ!」
このネズミを無視して少女を追ってもいいがネズミをここでネズミを無視すると後々被害に悩まされる
あーもう! このちっこいのをハンドガンで一匹一匹潰さねぇといけないのかよ! めんどくせぇなもう!
「時杯、ネズミは同胞たちで何とかする おr・我とお前はあいつを追うぞ」
「分かった、頼むぞレギオン!」
今回は一緒に付いてきてくれた人形の集団、叛軍人形にネズミは任せて人形の指揮官的な人形、ディスティニードール・シザース、通称シザースと一緒にこの俺、時杯 優鬼は一緒に少女を追う
「あら、あのスクラットたちはいいの?」
「害獣駆除はレギオンに任せてきた! てかいい加減に捕まりやがれよお前!」
「キャー、変な人に追いかけられてるー 捕まえられて酷い事されるー アタシもうお嫁に行けなくなっちゃうー」
すっごいわざとらしく、しかも身振りまでつけて言うのが相変わらず腹が立つ それに同調するように跳ねるウサギにも腹が立つ
「て言うかそんなにアタシを追いかけるのが好きなの? まぁアタシの美貌に惚れて追いかけたくなるのは仕方ない事なのだけど、いい加減止めてくれない? そろそろケイサツに訴えるわよ?」
「この世界に警察居ねぇだろ! あと止めて欲しいならまずお前の迷惑行為を止めろよ!」
迷惑行為 この少女は毎回突然現れてはシルエットを町の近くに放つという大変極まりない行為を繰り返してる常習犯、それでいて愉快犯である
犯行の動機がただ楽しそうだからという理由でこんな事やっているのだあの少女は
「嫌よ 折角アタシの可愛さを見せつけるチャンスなのに」
「それならこんな事をしなくていいだろ!」
「ならどんなことをすればいいの? アイドル活動でもやった方がいいの? それならプロデューサーはアナタね」
「あー,もうこいつめんどくせぇな!!」
何で俺がプロデューサーやんないといけないんだよ! てかよく俺をプロデューサーにしようとか言えるな!こっちはお前を捕えようとしてる身だぞ!
「時杯、後であいつのサインを貰ってくれ、後にプレミアム化するかも知れない スポンサーは仁がなってくれないか交渉しておこう
それと初ライブは何処でやる やっぱり最初は路上ライブからか、それとも盛大にステージでやるか、どっちがいい」
「お前もお前でめんどくせぇな! プロデューサーは絶対やらねぇからな!」
「えー」
やっぱりこの人形もめんどくさいな! てか周りにめんどくさい奴しか居ねぇじゃねぇか!
せめてもう一人ツッコミ役か良識人いてくれよ・・・・
「あら、そういえばアタシがアイドルをする事には反対しないのね そんなにアタシの事を気に入ってくれてたの ふぅん、案外可愛いところあるのね」
「ちげぇよ! こんな迷惑行為されるよりかはアイドルしてくれた方がマシだからだよ!」
と叫ぶものの正直この少女がアイドルしててもおかしく無いとはつい思ってしまう それくらい、わざわざ自分で自称できるくらいその少女は可愛く、いやあの性格で可愛いは違うな・・・・
そう、美しかった ・・・・美しいだとアイドルっぽく無いな・・・・・
「あら、目指すならモデルの方が良かったかしら?」
一番目立つ金髪の髪を手でなびかせながら言う少女
「いや、でもお前その格好が妙に似合ってるからな・・・・・ その格好だとモデルよりはアイドルなんだよな・・・ うーん、でもやっぱお前の口調と性格のせいでアイドルには妙に見えないんだよな・・・」
少女は常にメルヘンチックな服をしていた その格好の名前はよく知らないのだが
「あの格好はエプロンドレスと言われる物だ
従来は衣服の上に作業着を重ねるという婦人用作業服なのだが『不思議の国のアリス』の主人公アリスが着ていたこともあり、また汚れがエプロン部分にしか付かない為に子供服、今ではロリータファッションのような立ち位置とされているな」
「・・・・・あぁ、だからなのか」
だからあの少女は
「って! 話しがそれ過ぎだろ! 俺たちがあいつを追いかけてるって事忘れてるだろ!」
追いかけられている方と追いかけてる方がこう仲良く走りながらしゃべるってどんな絵面だよ!
トムジェか!? トムジェなのか!? ワンチャンマジでこんなシーンあるだろ!?
「まぁそうね、アタシもそろそろ走るの疲れてきたし、そろそろ逃げましょうか それでいいわよね? クロクちゃん?」
「ウー」
チョッキのような服装と小さい懐中時計が目を引く黒いウサギ、多分アリスのウサギに似せてるのだろう でもあれ白ウサギじゃ無かったか?、クロクはピョンと大きく飛び跳ね少女の肩に着地する
「時杯、大発見だ ウサギはウーと鳴くみたいだぞ」
「今それ言う!? ・・・・まぁ俺も初めてウサギの声を聞いたが」
鳴くんだな、ウサギって
「そうね、アタシも初めて聞いたわ・・・・ クロクちゃん、アナタ鳴くのね・・・・・」
「お前が驚いてどうするんだよ! 飼い主だろお前! ちゃんとエサとかもやってるのか!?」
「失礼ねやってるわよ! ちゃんと朝と夕方に三種類くらいの野菜を混ぜてあげて、たまにおやつにリンゴをあげてるわよ!」
「お、おう・・・・ それは失礼・・・・・・・・」
意外のもクロクに対しての愛が凄かった それなのに鳴き声聞いたのは初めてなのか・・・・・
むしろ何でクロク今鳴いたんだよ
「まぁいいわ、じゃ、そろそろアタシは帰るから 中々楽しかったわよ、プロデューサーの件は考えといてね」
そう言って町の路地裏へと姿を消す少女
「だからプロデューサーは・・・・・」
俺は後を追って路地裏へと入るが、
「くそ、また唐突に居なくなりやがった」
すぐに壁になっていて逃げ場など無い路地裏へと入ったはずなのに何故か少女の姿が無い
「逃げられたか」
「・・・・あぁ」
今日も今日とて捕まえる事が出来ず俺は思わず舌打ちをしてしまう
「ったく・・・・ いつもどうやって消えてるんだ、あの『アリス』は・・・・・」
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・・・・・そのノリどうしたのアリス?
アイドルの練習よ いつでもオファーが来ていいように
・・・・・・そのぶりっ子キャラは似合わないぞ・・・・・・




