不思議な少女から始まる物語
「ウフフ、初めまして」
よく物語の読み手、黒髪猫耳二股尻尾の褐色和服少女(妙に自分で推してる)未夜は初めはこんなあいさつをする
よく動画で見かけるこんにちは、こんばんわ、おはようございますみたいに、相手がいつ、どんなタイミングで見るか分からないから、最初は初めましてと言うのだろう
初めて読んだ人は初めましてだし、今は章の初めなので初めてこの章を読むという意味で前章を読んだ人でも初めましてになるだろう
が、しかし、今回はそんな遠回しな意味合いの初めましてでは無く、本当に初めましてだった
すなわち・・・・・・・
「あら、そんなにアタシ見つめてどうしたの? そんなにアタシがキレイ?」
今回は何故か金色の長い髪にメルヘンチックな青い服、ウサギの耳に見えなくも無いようなリボンの少女がいつも未夜が持ってる大きな本を手にして話していた
「アララ アタシに気を持っちゃうなんて罪な子ね」
ウフフ と、少し蟲惑魔的な笑みを見せながら言う謎の少女
ちなみに少女と言っても小さくは無く、見た目は高校生くらいだ
「いや、この場合はアナタに気に入られるアタシの方が罪なのかしら?」
何と言う自信過剰 たまにクラスにいるお嬢様気質の人かよ
「あら、お嬢様なんて嬉しいじゃない アナタは中々お世辞がうまいじゃない」
・・・・・中々会話が進まない て言うか自分でお世辞って言っちゃうんだ いやお世辞も言ったつもりは無いのだが
「って、何やってるのーー!!」
唐突に響き渡る声 振り向けばそこには二本の尻尾を揺らしながら走る少女、ようやくいつもの未夜が現れた
ちなみに未夜も少女と表しているが謎の少女と違いこちらは大体中学生くらいの見た目だ
「ちなみに少女の年齢定義は小学校に入ってから満十八歳になるまで、幼女の定義は凄い曖昧で見た目が幼いと見えるならそれは幼女というアバウトな定義になってるの ロリはロリだし、十八歳以上でも見た目がロリならロリで・・・・・・
って、そうじゃなくて!」
謎の役に立つか立たないかよく分からない解説を挟んだところで未夜は再び叫ぶ
「何でそれ勝手に持ち出してるの! てかだから早すぎるって! 君が出るお話は今回しようと思ってたのに! だからネタバレは止めてよ!」
どうやらこの金髪少女は今回の主要人物らしい 確かに大きなネタバレだろう 始まる前から出て来るとか、スタッフ泣かせもいい所である
「あら? これくらいでネタバレになるのかしら」
未夜の言葉に少女はどこ吹く風で、こう反論する
「なら、例えば本の表紙とかもネタバレになるのかしら? 多分何処かでアタシが描かれるわよね、表紙かカラーの挿絵か知らないけれど それもネタバレになるのかしら?」
「そ、それは・・・・・・・」
「そもそも、ネタバレがあるから物は売れるのよ? 映画ないし、小説ないし、マンガないし、本の少しの情報、宣伝、口コミ、つまりネタバレがあってこそ娯楽は売れるのよ」
「ぐ、ぐぬぬ・・・・・・」
反論出来ない未夜 確かに言われて見ると世の中はネタバレだらけである 内容を知らせるのがネタバレなら本のタイトルもネタバレになってしまう
他には次回予告やCMとかもネタバレになるだろうか そう思うとネタバレと言うのは促進欲を煽る為の必要な情報なのかも知れない
「とは言え、流石にアタシも過度な情報は流したりはしないわ 人を楽しませるのは何より焦らす事が大切なのだからね 促振させて、促深させて、そして最後に落とすのが何よりも大事な事よ 期待の煽りの振りまきと期待の提供のタイミング、これは人と関わる上では大事な事だからちゃーんと、憶えておくようにね」
投げキッスをしながら言う金髪少女 間違いない、この子魔性の女だ・・・・・
「それより、そろそろ始めましょうか 新しいお話を」
「それワタシのセリフ! てか本返して!!」
「まぁいいじゃない、最初の語りくらいアタシにやらせてもらうわよ」
未夜の事を全く無視して本を開きだす謎の少女
「・・・・・・もう、最初だけだからね それ以降は絶対にやらせないからね」
「分かってるわよ、それくらい 全部なんて疲れるだけでしょ」
もう言うことを聞かないのを諦めた未夜の苦渋の了承を得たところで少女は語りだす
「アタシはこの世で一番——————————————————
アタシはこの世で一番 アタシは次に転校する学校の校長を見ながら思った
「いやー、こんな優秀な子がわが校に入ってくれるなんて光栄ですよ」
「いえいえそんな」
—————ええ、そうよ とても光栄な事よ よく分かってるじゃない、この校長は
そう、アタシは優秀 勉強は常に一位、体育は・・・・・少し苦手だけれども、この優秀さと美しさ、それとも可愛さ? それがあれば出来なところもご愛敬女は少し体力が無い方がモテるのよ
「それより、I・・・・・あ、失礼、私は見た目で分かる通り金髪でかなり目立つのですが、染めなくても大丈夫ですよね?」
「ええ、地毛の色でしたら染める必要はありませんよ」
「それなら良かったです」
ウフフ、やっぱりこの学校は分かってるじゃない 二つ前の学校は地毛でも黒く染めないとダメだと言われて困っちやったわ
それだとアタシの美しさが伝わらないじゃない アタシは金色の髪でこそ目立つのよ
「それでは、これからよろしくお願いします」
「ああ、よろしくお願いするよ」
そう言って握手を交わす その時の校長の少しスケベな目は見逃さ無かったわ
全く、男って単純ね でもそれはアタシが一番って証拠ね
「ふんふん~♪」
学校への挨拶から帰ったらもうほとんど日が暮れていた 帰りに渋滞にハマったせいである
しかし何度も体験した学校への挨拶と言っても流石に疲れてしまう だからいつも挨拶が終わった後は疲れを取るためにシャワーを浴びている
そう、いつも・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・」
少し陰りが生じた思考を頭を振って無理やり逸らす でもその陰りはそう簡単に消えるものではない
どうしても少しまだ心がモヤモヤする
そんな時はいつもやってるあの事をする
シャワーを止めて鏡を見る 湯気で少し見えづらいがうっすらと金髪の人物が見える まぁ、自分なんだけどね
「・・・・・・・・・・」
鏡に映る自分に額を合わせて目を瞑る そしてゆっくりとこう唱える
「Iなら大丈夫、だってIは世界で一番美しい、世界一の美女さんなんだもん・・・・・・」
ゆっくりと目を開けながら額を鏡から離す
そこには蒼い瞳の少女 揺るがないような意志を持つような絶対不屈の金髪少女
「・・・・・・・・・・・・フフッ」
鏡に映る少女は笑う そう、それでいいの それがアタシなの、それでこそアタシなのよ と
「・・・・・・・さ、そろそろ出ちゃおうっと♪」
髪の水気を少し落としながら風呂場を後にする
「以上を踏まえた上で、不思議な物語へ誘われるわよ♪ はい、次はどうぞ」
「やっとワタシが読み手をする番が戻って来た・・・・・」
・・・・すごい振り回されてたね未夜ちゃん
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