さ、そろそろ時計の針を戻そうか
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」
大声で泣きじゃくるロスト
・・・・・うるせぇ・・・・・・・・
「てかお前中身高校生だろ! いい加減泣くな!」
「わぁぁぁっぁぁぁぁぁぁん!!!!」
「よしよし、大丈夫だから、ロストちゃん強い子だから」
頭を撫でてなだめようよしてるが一向に泣き止まない
「流石に強くドツき過ぎだよユウキ君 あの時文字通り切り盛んで飛んで行ったじゃん ・・・・・まぁ、流石に今回はロストにも非があけどさ」
呆れ顔で言うレイ いつもロストの味方のレイだが流石に今回は弁護をしなかった
「てか、殴りたい気持ちはお前にもあるからな、深月」
「そ、それは止めて・・・・・」
深月 そう深月である あの死んだはずの深月である 正確には死んだフリした深月である
「ったく・・・・ とんだブラックジョークだったぜ・・・・・・」
「実は深月死んで無いの」
「「は・・・・・?」」
唐突な言葉にポカンとする俺とレイ
そしてその言葉を肯定するようにムクリと起き上がる深月
「うん私死んで無いの」
「・・・・・・・・・・」
テヘ、と言いながら特に何とも無しに言う しかもいつの間にか血も無くなっていた
「深月の血もあの狼の全部僕のホログラ 「脅かすんじゃねぇーーーーーーー!!!!!!!」
そして俺の能力、時間移動、もとい『位置移動』を全力で駆使してノーモーションで俺はロストに殴りかかったのだった
「ったく・・・・ たちの悪すぎる冗談だったぜ・・・・・」
「ひぐ・・・ だってぇ・・・・ 仁がやれってぇ・・・・ 仁がやれってぇ・・・・・・」
まだグズグズ泣きながらも何とか言葉を言うロスト
「僕も反対したんだよぉ・・・ たちが悪すぎるからって、 でも仁がられって・・・・・」
「あー、もう分かったから泣くな」
てか、主犯格仁なのかよ まぁ、確かに仁ならやりかねない発想だよなぁ・・・ それに無理やり脅されてやらせられていたのか これは少し悪い事したかな・・・・・
「ま、私もロストちゃんも買収されてやったんだけどね」
「よしもう一発殴らせろ」
「わぁぁぁぁ! 止めてぇぇぇぇ!!」
咄嗟にレイの後ろに隠れるロスト
「まぁまぁ、この辺にしときなよユウキ君」
「よくねぇよ! こいつやりすぎな事したんだぞ!」
「まぁ、確かにやりすぎだったけどさ、」
とレイは真剣な顔になって言う
「やりすぎだったけど、笑い話になるからまだ良かった方なんだよ? 考えてもみろ、これがもし本当だったら、深月が本当に死んだらどうなってた事か」
「う・・・・・・・」
「第一能力を持ってユウキ君傲慢になってたのも事実で、一番効くやり方で教えられたんだからこれを機に今度から油断しないようにね」
「はい・・・・・・・」
この事ばかりは強く言い出せない 事実あの場面は俺が時間移動出来ると過信して、油断したために深月が死ぬハメ(死んで無いけど)になってしまったのだ
あの時に死んだ少女の事をしっかり胸に刻んでおけば絶対に驚くよりも先に引き金を引いていたはずだ
驚くよりも先に、行動していたはずだ あの時のコンマ数秒の悲劇さえ忘れていなければ
「結局さ、ユウキの願いって『手を届かせる事』、『間に合わせる』事であって決して時間が戻って欲しいって事じゃ無いんだよね」
レイが味方に付いてようやく調子が戻ったのかまだ目を赤くしながらも言うロスト
「もっと早ければ、もっと遅ければっていうのはつまり、『少しでも何かの時間がズレていれば』って事でしょ 少女が飛び出るタイミングがズレていれば、車のスピードが遅ければ、自分が早く気付ければ、 決してやり直したって意味じゃ無かったんだよね」
「・・・・・そうだな、お前に言われるまで気付かなかったがな」
全く滑稽な話だ 自分の事も何も知らなかったのだ 自分だけが、自分の事を知らなかったのだ
「まぁ、そんな物だよ 僕も王さまに本当の願いを教えられた訳だしね」
「お前は二人に分かれるくらいだからな そりゃ相当ややこしい勘違いでもしたんだろうな だってそのせいで仁に殺されかけたんだろ?」
「うん、あれはかなり壮絶な・・・・・・・ ん?」
と首をかしげるロストを見て、 あ、やべ言っちゃった
「ち、ちょっと待って! それ何処で聞いた!?」
「えーと、 レイさん、から・・・・」
責め立てるようにレイを睨みつけるロスト
「・・・・何処まで言ったの?」
「ロストが嘘の罪によっていじめられて不登校になったところまで」
「もろじゃん! 全部じゃん!!」
わざわざ飛んでレイの首元を締め付けるように掴むロスト
「ユ、ユウキ、 ぼ、僕は別に・・・・・」
「何も言うな冷鵺」
あえて俺はロストを冷鵺と呼ぶ
「どっちにしたって冷鵺は冷鵺だ お前にも悲しい過去があった、はいそれでお終い それでいいだろ?
何たって親友なんだからな!」
「ユウキ・・・・・・・・・・」
再び泣きそうになるロストだったが直ぐに顔を背けて、
「親友じゃなくて後輩だろ! てか前々から思ってたが何で先輩の僕にため口なんだよ!」
「そうだよ! ロストちゃんの親友はこの私なの!」
「そこ張り合うんだ・・・・ オレはそもそもロストだから張り合う必要は微塵も無いけどね」
最後はみんなで笑いながら帰るのであった
結局は何も変わらずに、今回は何も事件は起きずにこのお話は幕を閉じるのでした お終い
あ、ちゃんとエンドロールトークには入るから、最後までご清聴くださいね
映画見るときにスタッフロール見ずに帰るとかもっての他だからね もしかするとその後に次回予告が流れるかもしれないから
周りの人と見た物ががズレるなんて、イヤでしょ?




