実戦闘ノ時間 其ノ一
「いやいやいや! おかしいでしょ!?」
「いや、本当だよ?」
謎の頼まれてた何かが出来上がるまでの時間のロストと深月の会話
ちなみにレイは絶賛ロストの椅子役をしていて(自分に座るってロストはどんな心境で座ってるんだ?)俺は店の中を色々と見ていた
唐突にロストが叫んで少し気になったが、まぁ、女子(?)トークを邪魔するのは・・・・
「仁の部屋にあるパソコンとかゲーム機とか作ったのミユってマジ!?」
「はぁ!!?」
思わず驚いてしまった
「うん、本当だよ」
お茶をすすりながら事も無げに深月は言う
「いやそれは無いって! 電子回路とかを! 一人で!?」
「・・・・その、でんしかいろってのは良く知らないんだけど、本当にミユさん一人で作ったんだよ」
「・・・・・マジで?」
「うん、マジで」
唖然としているロスト その心境は俺も同じだった
てかここって電機の概念無かったの? 深月の発言で初めて知ったんだけど
「ミユさんはね『物の形を好きなように入れ替える』ことが出来るの たとえどんなに硬い鉱石や、掴めないようなドロドロな物だって、生きてるものではない限りどんな固さ、大きさ、厚み、形などを変えられるの」
「な、成る程・・・・・・・」
つまりミユも能力を持っているって訳か って、あれ?能力は人間だけでもじゃ無かったのか?
そう思ったが直ぐにそうでは無いかと思い返す
よく考えれば仁は謎の力によって俺らを行き来出来るようにしてる訳だし、あっても不思議では無いのか
「成る程ね 強いて名前を付けるな『再錬屋』とでも言えばいいのかな?」
「お、それは中々カッコイイ二つ名っスねー」
と、作業を終えたのか少し汚れた姿で現れるミユ
「ただ、再錬とは少し酷いっスねー まるで自分の店がリサイクルショップみたいでは無いっスかー」
「再生じゃなくて再現って意味だよ 錬金を再現する、出来ない事を再現するって意味での再錬屋だよ
これ仁から設計図貰っただけで組み上げてるんでしょ そんなのもはや錬金術の類だから、まず無理だから、設計図だけでこんなの作れるとか天才かよ」
「それはそれは、お褒めに預かり光栄っス」
そう言ってミユはこちらに近寄り、
「って! 何でそんなの持ってんだよ!!」
ミユが手の持ってるものを見て俺は後ずさる ロストも少し驚いたようで一瞬レイから落ちそうになっていた
「え、これが頼まれてた代物っスけど・・・・・そんなに物騒な物なんスか」
「いや物騒すぎるだろ!!」
ミユが持っていたもの、それは黒く光る鉄の塊すなわち、
「M92とか物騒過ぎるわ!!!!」
「・・・・・M92?」
「あ、悪い よくFPSやってるから多少銃の名前の知識があってな」
そう、物騒な事にマジモンのハンドガンと交換用のマガジンがいくつかがミユの手の中にあった
「ま、ぶっちゃけ何でもいいっスよ 自分は金が貰えればいいだけですし」
「よくねぇよ・・・・・」
とりあえず俺はハンドガンを受け取る
「・・・どう? 本物?」
「いやどうって言われても、別に実物は触った事無いしな・・・・」
分かるのは精々鉄の冷たさと重さがあり、何となく銃だとわかるくらいである
「試し打ちしてみる?」
そう言ってロストは的代わりに人っぽい影を作り出す
「・・・・大丈夫? これ貫通して店の品が壊れるとかない?」
「・・・・・大丈夫な、はず・・・・」
自身無さげなロスト
「・・・止めるか」
俺は銃を下ろ
「あ、やってみてもいいっスよ」
「マジで?」
「仁殿の依頼品は毎度ながら使い方が分からず何を作ってるか分からなかったっスからね ちょっと見てみたいという好奇心があったり」
「・・・・大丈夫?」
これはロストにではなくミユに言う
「設計通りに作ったんで設計が間違ってない限りは大丈夫っスよ」
グッと親指を立てて言うミユ
「・・・・暴発とかしないよね・・・・・?」
疑心暗鬼になりながらも取り敢えずマガジンをセット
人型の影に狙いを定め、
「んじゃ、行くよ・・・ 」
ロストとレイは一応手を耳に当てる しかしミユと深月は銃を知らないので何してるのといったような顔
一応耳を塞げと言おうと思ったが、ロストが言うなとばかりにニヤニヤしていたので取り敢えず言わないようする
「3、2、1!」
カチャ と引き金を引く音とスライドの音 そしてその音をかき消すように
パン!!!!
と想像してたよりは少し小さい銃声
耳を塞ぐ程では無かったねとでも言いたげなロストとレイ
「風穴開いたけど、そこで止まったね」
影に穴は開いていたが、威力はそれで止まったようで影のすぐ後方に弾丸が転がっていて、幸いにも店の物には傷か付かなかった
「ふぅ、本当に暴発とかしなくてよかった・・・・・って、ミユ? それに深月は?」
気が付くとミユと深月の姿が無かった
何処に行ったんだ? と辺りを見渡してみるが何処にも居ない
「何処に行ったんだ・・・・・?」
頭を掻きながら呟いていると
「な、なんなんすかそれ・・・・・・・・」
「うぉ!!」
まさかの机の下に二人は避難していた
もはや子猫にしか見えないような怯えっぷりで、二人ともお互いを抱いてガタガタと震えていた
「そんな音がするなら先に言ってよ・・・・」
「ごめんごめん、深月ちゃんがビックリすると思って」
明らかな確信犯のロスト
「うぅ・・・・ 耳がキーンとするっス・・・・・・」
耳を抑えながらようやく机から出てくるミユ
そしてようやく影を見たのか、明らかに顔を真っ青にして「うっそ・・・・」と呟いた
「え、それ、もしかして生き物殺せるような代物だったんスか・・・・・・?」
「と言うより生き物を殺すために作られた兵器だな」
「・・・・・・・・・・・」
もはや唖然とすることしか出来ないのだろう 阿呆けた顔でハンドガンを見つめるミユ
「・・・・これは、仁殿の発明なんスか」
「いんや、人間の発明品だ 誰が作ったのかは知らんが」
「最初の銃は中国の唐で開発されたらしいね 当時は飛発、英名ハンドキャノンと呼ばれたらしいね 元々は火薬を使って火薬の爆発の勢いを使って発砲していたけど今では銃弾をハンマーで押し出して発砲する って構造みたいだね」
「やけに詳しいな・・・・・・・」
「ちょっと先生に聞いてきたから多分合ってると思うよ 銃の知識とか無いから分かんないけど サバゲ―とかも基本バタフライナイフを持って後ろから不意打つスタイルだからあまり銃は使わなくて」
「いや使えよ」
「クソエイムだから使えない」
そんな話をしてるとミユは
「その・・・・今まで作って来たのももしかして、危険物なんスか・・・・・?」
凄い怯えた目で言うミユ やはり初めて兵器を見ると怖いのだな 深月なんか未だに机の下でガクブルしてるし
「あ、それは大丈夫だよ 兵器なのは多分これだけなんじゃない? 基本仁が依頼するのって鉄の箱みたいなやつだよね」
「・・・・・そうっスね、大概小さい何かだったり鉄の箱や薄い何かだったりするっスね」
「なら危ない物はこれだけだね」
「ホッ・・・・ 良かった」
ミユは思わずため息を吐く
「本気で一瞬仁は最悪の吸血鬼なのだなと思ったっスよ・・・・・・ もう顧客として接せないところだったっス」
「気持ちは分からなくも無いが・・・・」
俺は銃を見ながら疑問に思う
「何でイキナリこんな物を注文したんだ?」
「そりゃ決まってるでしょ」
「ん?」
そう俺が聞き返した途端、
「ま、また出たぞーーーー!」
「わ、わぁぁー!!!」
外から大きな悲鳴
それを聞いてロストはニヤリと笑い、
「もちろん、それを使えって事でしょ 仁言ってたじゃんシルエットハントの支給品は白錬屋で、って」
そう言ってロストは店を出る もうポカンとしているミユと深月をよそに俺とレイも後を追う
そして俺らが店を出たところで、
「さ、初仕事を頑張りますか」
・・・・・・妙にノリノリだな、ロスト
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