戦闘準備期刻 其ノ四
「う、うーん・・・・・」
初めて町に来たのだが・・・・・
「何このバラバラ景観・・・・・」
和洋折衷って知ってる? と思わず言いたくなるような景観
ローマっぽい建物の横にフランスっぽい建物やら、それでいて本通りの道が和風でなんとも言えないキメラティック感がある町だった
「うん、やっぱりそう思うよね・・・・・」
「それはオレも同感だな」
俺のつぶやきに肯定する二人
「・・・・・やっぱ異世界なんだなぁ、ここ」
もう一度当たりを見渡して、
「周り人の形をしたやつしか居ねぇや」
周りには人が居なかった 妥協しても人っぽい人しか居なかった
人間に一パーツ加えただけのような者もいれば、全身もふもふの、ケモナーが大歓喜しそうな二速歩行の狐とかもいた
「そこはむしろ凄いところだと思うよ 人間だけでも肌の色だけで差別するのにここではそうゆうのは無いし」
「あー、そう言われると確かにすげぇな」
いや、むしろ肌の色だけで戦争する人間が愚かなだけなのか?
「ま、とにかく、えーと、その、何だっけ?」
ロストがチラリと助けを求めるようにレイを見るがレイも困ったような顔をして、その後二人してこちらを見るが、俺はただ手を肩まであげることしか出来ない
「・・・・・・・・・・・どうしよ?」
まさかの全員店の名前を忘れるというアクシデントである
「えっと、何だっけかなぁ? 何か妙に漢字が難しくて忘れちゃったんだけど・・・・・・」
「うん、マジで忘れちまったな・・・・・・」
「うん、オレは白までは出てるんだが、その先何だったかな?」
うーーーーん・・・・・・ と三人で唸っていると、
「ロストちゃーーーーーん!!!」
「うわ!」
唐突に押し倒されるロスト 何事かと思って見てみると、ロストが狐の耳と狐の尻尾を持った朱い少女(耳と尻尾だけはやした者をワービーストって言うんだっけ それでさっきの全身モフモフがハイビーストだっけ)が尻尾を振ってロストに抱き着いていた
「久しぶりロストちゃん!! もー唐突に居なくなったから寂しかったんだよ!!」
尻尾を思いっきりフリフリしながら顔をこすりつける少女
「・・・・・ん?」
あれ、この子何処かで見たような・・・・?
「あ! この子ロストが見てた小説の表紙の子にそっくりじゃん!」
絵をに釣られて買ったってそうゆう事なの!?
「う、うん、そうなんだけど・・・・・ く、くすぐったいから顔をこすりつけるのは止めてよ深月ちゃん」
「あ、ご、ごめん つい嬉しくて・・・・」
深月と言うらしい子は起き上がり、その後ロストを立たせる手伝いをする
「久しぶり、ロストちゃん!」
「うん、おひさ」
「それに反王さんも」
「やっぱりオレはそれにか」
「それに・・・・・・・」
と、深月はこちらを見て、
「・・・・・誰ですか?」
「あ、こいつは時杯 優鬼、僕の後輩さ」
「ユウキって呼んでくれ」
「は、はぁ・・・・・ 深月です」
どうも曖昧な返事の深月
「・・・・・ねぇ、こうはいって何?」
「え、そこから?」
思わずと言った感じで呆れたように言うロスト
「後輩ってのは学校や仕事場で自分よりも後に入った人の事を言うんだよ」
と、ここまで言って、
「そういえば・・・・この町って学校とかあるの?」
「うん、あるにはあるけど結構行かない子も多いし、それに」
と、深月は少し照れ臭そうに、
「私、親がいないから学校に行けないんだ」
「えっ」
と言ったのは意外にもロストだった
「深月ちゃんって親が居なかったの?」
「うん 何か私赤子の時に捨てられたらしくて ほら」
と、深月は朱い尻尾を見せる
「この毛、色が変でしょ? だから捨てられたみたいで」
明るく言うのは幼い時の事だからあまり実感がない故か、それとも努めて明るくしているか、それともただ単に話慣れているからなのか、どの道良いことでは無かった
「・・・・・ごめん、急に一人にしちゃって」
よくロストを見ると強く手を握っていた
「ううん、気にしないで! ロストはお家に帰らないといけない事情があったって仁さんから聞いたから!」
深月はロストの手を握る
「家族に会わなくちゃいけなかったんでしょ? 家族は大事だから会わなくちゃいけないときは会いに行かないと
それにちゃんとロストちゃんはまた会いに来てくれたんだから、私はそれだけで嬉しいよ!」
「深月ちゃん・・・・・・」
少し目を潤ませて見つめあう二人 とても感動的な・・・・
「な、なぁ、今のセリフに何か変な単語が混じって無かったか?」
「ん?」
唐突に流れを切るように言うレイ
「え? そう?」
思い返そうとしてるのかロストは首をひねった後、
「って、今仁から聞いたって言った!?」
「うん、そうだけど」
そう言われて確かに不自然だと思い返す
「あれ? 仁って確か凄い嫌われてるんだよな?」
そう聞いたはずなのだが・・・
「あ、うん、私も最初店に来た時は怖かったけどね 今じゃ常連さんだからね、よく話すの」
「・・・・常連?」
「うん、今住まわしてもらっている『白錬屋』によく来るんだよ いつもよく分からない物を注文して来るんだよ」
「・・・・・・・・・・・・」
はく、れん?
「「「あ! それだ!!」」」
「え? え? 何??」
唐突に三人していった為に少し飛び上がって驚く深月だった




