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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「シフト・グリニッジ」
38/129

城壁の吸血時計 其ノ四


「うわ、すげぇな・・・・・・」


目の前のは古めかしい大きな館

叛軍人形(レギオンドールズ)と呼ぶらしい彼女ら(人形を彼女と呼んでも良いのだろうか?)の道案内のおかげで洞窟からは脱出し、ロストが一足向かったと思われる謎の館へとたどり着いた


「何か怖いな、ここ」


館の古さと太陽が山の向こうにしか見えないための暗さもあって中々に迫力がある


「ま、実際怖い子が住んでるからね」


「え、マジで? それどんな見た目なんだ?」


もしかしてあの怪物以上の奴が住んでんのかな 何となく在り得そう


「想像してみろ」


悪戯っぽく笑い大きな玄関扉に手をかけるレイ


やっぱり(いか)ついやつが住んでるのかな 機嫌損ねてイキナリ殺されたりしないよな?


「こんにちわー」


挨拶をしながら扉を開ける すると、


「あ! 久しぶり、レイ!」


「・・・・やべかわいい」


思わずそう呟いてしまった


見た目は中学生くらいだろうか 銀色の髪に椿(つばき)の飾りがついた(かんざし)を付けていて、桜の絵が描かれた和服を着て、まるでゲームに出てきそうな少女が笑顔で出向かて来た


「あー、久しぶりなの?」


「まぁ確かにたかが半年ぶりくらいだけど人間にとっては久しぶりでしょ?」


「いや、そうじゃなくてだな・・・・・」


とどう説明すればいいか悩むように頭を掻くレイの肩を引き寄せ、


「な、なぁ あのかわい子ちゃん誰?」


「ん? あぁ、そうか 紹介するよ このかわい子ちゃんは魂桜(こんろう) 刹那(せつな)だ」


「よろしくお願いします」


可愛らしく首を傾げて言う刹那


「で、レイ、この人間は誰なの? 友達?」


「うん、そのはずの、」


時杯(ときつき) 優鬼(ゆうき)、気軽にユウキって呼んでくれ」


「よろしくね、ユウキ君」


そしてお互いに握手する


「てかレイ、何で『はず』なんだよ 先輩後輩って意味の方がいいって事ならはずでもいいけどさ」


「いや、オレユウキ君とはさっき会ったばかりじゃん?」


「あー・・・・・・」


そういえばレイは俺と今日が初対面で、いつも会ってたのはロストか ややこしいな


「っと、それよりも、何か仁がタイヘンなことになってるらしいが」


そうだった 確かロストが全速力でここに来た理由が仁とやらが何か大変な目に遭っていて、それを解決するのにロストが必要だったからなはずだが・・・・


「あー、それね・・・・・」


「ん? どうしたんだ?」


刹那が困った様な笑みを浮かべていた


「正直言うと困ってたの仁じゃなくてこっちの方なんだ」


「ん? 刹那がか?」


「うんそう」


そして更に苦笑いと共にため息を付いて


「それに今大変な目に遭ってるのはロストなんだよね・・・・・・・」


「「は?」」






「い、いや やめ・・・・ あっ、 ちょ、あっっ!!」


「「・・・・・・・・・・・・・」」


「たはは・・・・・」


絶句の二人ともうそれしか出来ないのか苦笑いの刹那


沢山ある部屋の扉の前 その中の一部屋の扉の前にいるのだが・・・・・


「・・・・・・帰る?」


もうそれしか言う言葉が見つからない


「これ、マジで中でなにヤラレてんの? これ入っても大丈夫?」


明らか部屋から漏れ聞こえてくるロストの声がヤバいんだが・・・・・


「う、うん・・・・ 別段やましくはない、と思うよ・・・・・・?」


自信なく答える刹那


「いや入った方が良いだろ」


「いやレイお前・・・・・」

そんなにみたい

「中で血を吸われてるかもしれないぞ」


真剣な顔で言うレイ


「いや、吸血鬼じゃあるまい」

「いや、仁は吸血鬼だよ?」


刹那は一度言ってからもう一度「吸血鬼だよ」と言ったのだった


「・・・・・・・・・・・」


成る程、これがレイの言ってた怖い子と言う訳か・・・・・


「ようするに今ロストはヤられてるか殺られてるかのどちらかという事か・・・・・」


「・・・・・あの、妙にこっち方面に引っ張ろうとするの「よし開けるぞ!」


刹那の言葉遮り扉に手をかける


さて、一体ロストはどう食われているのか


そして意を決して扉を開け、そして見えた光景は—————


「や・・・・ も、もうやめ・・・・・っ!」


「「・・・・・・・・・・・・」」


再びの絶句、を通り越してもはやポカンとする


目の前の光景は予想通り、全て予想通りだった


確かにロストは物理的に食われていた 赤いパーカーをして首にヘッドホンをぶら下げた少年に首筋を食われていた


「ガジガジガジガジガジ・・・・・・」


・・・・・・正確には、齧られていた 齧られてるだけだった


喰われてなくて良かったのだが・・・・・


「も、もぉ くすぐったいから・・・・・・ も、やめて・・・・・」


顔を赤らめてそんなことを言うロストの姿は、何と言うか・・・・・


「・・・・・これ、アウトかな・・・・・」


「いや、多分ギリギリだと思うよ・・・・・・」


「ま、とにかく・・・・・・」


と、俺はため息を付いていう すなわち・・・・


「このまま眺めてようか」


「いや助けてよ!!!!」


泣きながら助けを乞うロスト


「ていうか何で仁は僕を齧ってるのさ!!」


「最近仁のストレスがたまりまくってて、そのストレス発散によく何かを齧ることが多くて」


「ネズミかよ!!」


もっともなツッコミである


「・・・・・・こいつが吸血鬼なんだよな?」


「正確には人間と吸血鬼の混血なんだけどね」


「うむ・・・・・」


もう一度仁とやらの少年を見る


「あむあむあむあむ・・・・」


至福そうにロストの首筋を齧る少年


「俺の知ってる吸血鬼のイメージと違う・・・・」


もっとこう、吸血鬼ってもっと気高いというか、怖いイメージがあるんだが・・・


「ま、今のところはそうだろうね」


と、肩を竦めながらレイは言う


「今のところは?」


「まぁ見てなって」


そう言うとレイは仁に近づき、


「レイよろしくねっ!」


何故か刹那は扉の奥で身を隠す


「え? え? 何で身を隠してんの刹那?」


そう刹那に聞いたと同時に、


「ほら、もう止めてやれよ、仁」


レイは仁の肩を揺さぶる  と、


「あぁ?」


仁はロストから口を離す すると、


「っ・・・・・・・!」


ビクッと肩を竦めてしまった 仁は俺を睨んだが、それはきっとただ最初に視界に入っただけだろう

ただたまたま睨まれただけなのに、


な、何だこの威圧感は・・・・・っ!


殺されるとすら感じられない程の感覚


暫く俺を睨んだのち、今度はレイを睨む


「よ、また会ったな」


平然と言葉をかけるレイ どうやらレイには怖くないらしい


あいつすげぇな・・・・


「・・・・・・・・・・・」


仁は数秒レイを睨んだのち、 そして、


「あ!レイ君!!」


ぱあぁぁぁ・・・・  という表現が正しいくらいに満面な笑みをしていて、もうさっきの面影など一切なかった


「やっと戻って来たのですか!」


ぶんぶんとレイの腕を振り再開を喜んでいる仁


「あぁ、戻ってみたいだな」


と言うレイと


「あぁ、良かった・・・・ やっと平穏が戻って来た・・・・・」


何故か泣きそうになりながら扉から顔を出す刹那


「・・・・・・大変だったんだな」


もはや何故仁がタイヘンだったかは聞くまでも無いのだろう


「それで、ロストは!? レイが居るならロストも居るでしょ?」


「「・・・・・・・・・・」」


「たはは・・・・・・・」


冷たい目の俺と刹那と苦笑いのレイ


「?」


疑問符を浮かべる仁にツッコミを入れたのは、


「何処じゃないでしょ!?」


ようやく解放されたロストだった


「いきなりベットに押し倒した上に齧「ロスト~~~!!」ぎりゃん!」


折角起き上がったのに再び仁によってベットに倒されるロスト


「もーずっと会えなくて寂しかったんですよ!!!」


「や、やめて・・・・・」


「もうこのまま放しませんから! さぁ、大人しく服を脱がされ「待て待て待て!!!!!」


唐突に危ない展開に入りそうになり、それに待ったをかけるロスト


「別に恥ずかしがらなくてもいいのですよ!」


「恥ずかしがってないから止めろ!!! てかお前らも見てないでこいつをどうにかしろ!!!」


「どうにかって言われても・・・・」


仁の目を見ていると何かぐるぐる回っているような気がする


「あれ、嬉しさのあまり完全に錯乱してるみたいだね・・・・・・」


「・・・・・・・あれ、止めれる?」


「無理でしょ」


「・・・・・・そうかー」


無理ならしょうがない


「頑張れロスト」


俺は部屋を出る


「え? え? ちょ、待って!」


「いざとなったら仁を殺しても大丈夫だから」


そう言って刹那も部屋を出る


「え、マジで言ってるの!?  お、王さま! 君は僕を見捨てないよね!?」


「えー・・・・・と・・・・・・」


レイは俺たちを見たのち、ロストを見て、


「・・・・・・強く生きて?」


レイも部屋を出て、


「え、ま、、ま・・・・・・・・・」


パタン と扉を閉めたのだった・・・・・・










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