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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「シフト・グリニッジ」
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城壁の吸血時計 其ノ三


何かよく分からない事をロスト言っていたロストだったが、出口を探して移動している道中、きちんと色々な事を説明してくれた


まずは『シルエット』という化け物について このシルエットと言うのは文字通りの『影』、つまり人の悪徳が具象化したものらしい


何でそんなものが居るのかと聞けばここ、異端郷(いたんきょう)は人間の願いによって形成されているからだと言っていた


「僕なりに解釈すれば、あのシルエットこそが僕らの元の世界で言う人間みたいなものだと思ってるよ」

とロストは言っていた


あのバケモンが人間って 相変わらず怖い発想である


それにちなんでアエン、じゃなくてアヴァロンエデン(ロストはアエンと呼ぶことに決めたらしい)の細かい事についても教えてくれた


アヴァロンエデン、通称 異端郷  人間の願いを叶える理想郷(アヴァロン)である一方、人外を閉じ込める監獄として機能してるるためそのような通称が付いたらしい


そう聞くと恐ろしいところに聞こえるが、凶暴なのはシルエットと呼ばれる怪物だけらしく、街には沢山の優しい怪物、中にはケモ耳たちもいるらしい 

何故かロストはその『ケモ耳』を強調していたが、気持ちは分かる


「・・・・・それにしても、なんで急にそんな親切に説明入れてくれたんだ?」


さっきまでめんどくさいからとか言ってたのに


「ん? ただの暇つぶしと字稼ぎとそろそろ詳しい説明を入れた方がいいかなって」


歩き出した最初は自分で歩いていたのにそのうち疲れて結局また肩車スタイルに戻ったロスト


「詳しい説明をしてくれるのは有り難いが、その前の字稼ぎって何?」


「気にする必要はないよ」


悪戯っぽく笑うロスト


ここに来て謎発言が多くなったな・・・・・・


「て、言うかさ・・・・・・・・」


と、ため息をついてそろそろ言う


「いつまであるけばいいのさこれ」


「知るか」


突っぱねるように言うロスト


「僕だって何処に出口があるのか分からないんだから仕方ないでしょ」


「そうだよな・・・・・・・」


本当に、何時までこの暗い洞窟を歩けばいいのやら

無理やり連れてくるんだったらせめてアクセスが良いところに放置して欲しかったな


「・・・・・そいえばさ、レイお前ロストと一緒になってから全然喋らないよな」


「え? そう?」


少し以外そうに言うレイ


「オレはあんまりそういう風に感じないけどな」


「いや、全然喋って無いぜ ほとんど俺とロストで喋ってるじゃん もはやお前がタダのロスト専用の移動手段にしか見えなのだが・・」


「あー、まぁ確かにそうだね・・・・」


男二人は幼女を見るが、幼女は涼しい顔で、

「ん? どうかした?」

と言った


「「いえ、何でも」」


もはやそれしか言えなかった


「でもま王さま、君も積極的に会話に参加しないと 自分から会話をしないと輪に入れないよ?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

いっつも学校で昼休憩一人でいる奴が何言ってんだ・・・・・・


「な、何? 何か文句あるの?」


自分でも何言ってるのか分かってるのか、少し頬を赤らめて言うロスト

特大ブーメランなのは分かってるんだな・・・・・


「いえ、別に」


それならからかうのは止めとくか


「んー、でもオレはあんまり喋らなくていいかな」


と、レイは言う


「正直言うとオレは喋るよりも聞く方が好きだから だからどうしても話を聞くだけで満足してしまうから、どうしても喋れなくて」


たはは と発言に説得力を持たせるような朗らかな笑みを浮かべて言う


「・・・・・・・・・・・・」


「だから何!?」


「いえ、別に」


この発言をロスト(冷鵺)がしたらきっと何言ってるんだで終わるんだろうな


見た目は同じでも中身が違うだけでこうも変わるんだな


そんな雑談をしながら歩いているとついに


「・・・・ん? あ!あれ!」


と、ロストが指差す先にはほのかな明かりが見えていた


「お! 遂に出口か!」


やっとここから抜け出せるのか!


「行って見よう」


そう言って走り出すレイ 俺もその後を追う


光は段々と近づき、それで・・・・・・・


「やっとでれ・・・・・・・ あ?」


残念ながら出口では無かった

いやちゃと地上には繋がっている だが、これでは出口とは言えなかった


「・・・・・・・縦穴かよ・・・・・」


上を見ると朱い空が見える きっともう夕焼けになっているのだろう

地上は見えている だがその穴は手の届かないような高い位置にあり、つまるところ入り口であって出口ではない


「何だよ・・・・・」


思わずため息が出る


「無駄足だったなロスト  ・・・・・・・ロスト?」


ふとレイとロスト、二人が何かに目を奪われているように茫然と何かを見つめている事に気付く


「どうしたんだ?」


怪訝に思い、レイとロストが見つめている方を見れば・・・・・・


「・・・・・・・・おぉ・・・・・・・」


そこには沢山の水晶があった 地面や壁に突き刺さるようにしてバラバラに置いてあって、そして何より、


「夕日の光を浴びて朱く輝いてるんだな」

感動しているという意味のため息を付いてレイは言う


「これが自然の美しさというやつか・・・・・ 町中じゃあ見られない物だね」

ロストの言葉に頷く俺とレイ


出口を探してた事も、現状遭難している事も忘れてただ見とれる


「輝く水晶、朱く燃える夕日、そして目の前を結晶を持った空飛ぶ数名の小さい人間 中々絵になる景色だなー」


「ホント、来て良かったねー」


もはや観光来た気分で

「ん?」 「え?」 「あ」


今何か違和感を覚えて首を傾げる俺とロスト しかしレイはいち早く違和感に気付いたようで、


「今の、叛軍人形(レギオンドールズ)じゃね?」


残念ながら俺にはそのレギオンとやらはよく分からなかったがロストははじかれた様にレイから飛び降りて

「おーい! レギオンたちー!」


と小さい人形(なんだろうな ドールとか言ってるし)に手を振っていた


初めは人形もチラリとこちらを見てそのまま通り過ぎようとしたがもう一度驚いたように振り返り、結晶を投げ捨てて全速力で戻って来た


「久しぶり、レギオンたち!」


どうやらロストはその人形と知り合いらしい 人形は確かめるようにロストの周りを飛び回った後


クイッ クイッ とせかすようにロストを引っ張っていた


「ん? どうしたの?」


有無を言わずにロストを連れて行こうとする人形たち


「何かあったのか?」


そう俺が訊くと、コクコクと頷く人形


「一体何があったんだ?」


次にレイが訊くと人形は手振りで何かを伝えようとするがよくわからなかった


困った様に考える素振りを人形が見せたのち、人形は何やら剣を振るうような素振りを見せた


「・・・・・剣?」


そう尋ねると手でバツを作る


「それじゃあ・・・(やいば)ってこと?」


そのロストの言葉に今度はマルを作り、その後三角を作る人形


「惜しい? 刃は合ってるって事?」


頷く人形


「うーん・・・・」


一体何が伝えたいんだ?


「刃、やいば・・・・ (じん)、ジン、 あ(じん)!?」


レイの言葉にマルと同時に頷く人形たち


「もしかして仁に何かあったの!?」


今回で一番速い速度で頷く人形たち


「仁って、誰だ?」


俺はそう聞くが


「その話は後! とにかく仁が大変で僕が必要なんだね!」


人形が頷くのを見てロストも頷く


「ここの出口って判る?」


コクリと頷く


「なら数体は王さまとユウキを出口まで案内してあげて 君は僕を案内して 僕たちは上の穴から一緒に行こう」


「上からって・・・・」


かなり高いぞ それこそ飛ばないと


偽造翼膜(フェイク・バード)


ロストが呟くのと同時にロストの背から翼が出てきた


「そんなことも出来たんだ」


少し驚くように言うレイ


「じゃ、後でね! 僕は先に行ってるから!」


そう言い残してロストと人形は飛び去っていった






バタン! と勢いよく扉を開ける


「・・・・・え? あ、ロ、ロス」

何がとかと驚いている刹那(せつな)が居たが今は無視


「仁・・・・・」


僕は人形の後を追う


一体仁に何が・・・・・?


そして連れてこられたのはよく見るいつものあのゲーム部屋


「仁!」


僕は勢いよく扉をあけ———————————————


「—————————————————」


何かがぶつかって来た抵抗共にパタンと閉じられる扉


「え?え?」


よくわからないが何時の間にかベットに押し倒されている自分


「え?え?え??」


更にいつの間にか僕の上に乗っている仁


「え、待って??」


キラリと仁の牙が光る」


「え、待って待って待って???」


段々と仁の牙が近づき、そして・・・・・・・・


「え? ちょ・・・・ あ、 きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



カプリ  と

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