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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「シフト・グリニッジ」
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城壁の吸血時計 其ノ二


「うーん、えっと・・・・・・?」


えーと、つまり・・・・・


「ロストは内面は冷で?」


「うん」


「んで、レイは外見が冷で?」


「うん」


「そうなるとロストが本物だけど事実上偽物(じじつじょうにせもの)で? レイは偽物だけど()()(じょう)本物で?」


「そうゆうことになるね」

「だな」


困ったように苦笑いを浮かべるロストとレイ(ややこしくなるからカタカナにして欲しいとロストに言われた 意味はよく分からないが)


・・・・・・・・うん


「何かとてつもなくややこしいな・・・・・・・」


もう訳が分からなかった


「で結局どっちが本物な訳?」


「だから、どっちも本物な訳 正確に言うと僕は本物の偽物で、王さまは偽物の本物って事」


「いや余計に分かんねぇよ!」


もうなぞなぞに思えてきた

なんだよ偽物の本物って 結局偽物じゃね? でも本物の偽物も偽物じゃね?


「成る程、つまり二人とも偽物と言う訳か」


「う、うーん・・・・・ 何だろう (あた)らずと(いえど)(とお)からずって、感じかな・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


もう訳が分からん 

もう考えるのを止めるとロストがレイの頭の上で頬杖(ほおづえ)を付きながら、ついでにため息もつく


「別に僕らも困らせたくてこんなややこしいようにしてるんじゃ無いんだよ?」


「むしろ・・・・・」と、どこか遠い目をしながらため息をついて、


「僕自身が思いっきり振り回されたからね・・・・・・」


「あー・・・・・・・」


魂が抜けそうな表情のロストと相変わらずの苦笑いのレイ


「本当に何があったんだよ・・・・・」

と言うか、

「そうなった理由ってアヴァロンに居るから、つまり願いが叶ってるからって事だよな? ロストは、いや(れい)はどんな願いが叶ったんだ」


「・・・・僕を呼ぶときは冷鵺って言って」


久しぶりに聞いたようなセリフを言った後、ロストは少し陰りがある笑みで、

「それについてはいつか話すから今は聞かないで 君には知られたくなんだ 僕と、冷鵺としていつも会ってる君には」


「・・・・・・・・・・」


本当に何があったのだろうか?  そう思うも流石にこの不陰気で深入りは出来なかった


「ま、その代わり僕らの能力は教えてあげるよ」


「え、ロストやレイも何か超能力的なの持ってるの!」


「うん」


「マジでか!」


一体どんなものなのだろうか 俺のは時間を移動できるみたいな能力だったが、ロストやレイはもっと凄いものだったりするのだろうか

もしかして火を噴くとか!!


「僕のはこんな感じで、」


と、ロストが手を横に構えて、


空飛ぶ(ホログラフィック)影鳥(フライングバード)


という声と共に手を薙ぎ払う その軌道上に沢山の黒い鳥が現れ、そして、


「って、え! まて待て!!」


その黒い鳥が俺に向かって飛んでくる


え! 何、見せる(物理)って事なの!? そんなに俺怒らせることした!?

と、とりえず殺されはしないよな  しないよな!!


思わず意味があるか分からないが顔だけはガードして、そして黒い鳥が  通り過ぎ、


「え?」


後ろでパキンと氷が割れるような音がした


「え? え?」


後ろを振り返ると足元には氷が散乱していた それ以外は特になく、ただ暗くて先が見えない道が続いているだけだった


「え? な、何だ?」


何で氷が? てかロストは何をした・・・・?


「・・・・・あ、暗くて見えないのか」


首をひねったのち何か分かったのかその後パチンと指を鳴らすと、


「って! 何だあいつ!!」


暗がりが無くなり、代わりに針が氷柱になったハリネズミが道をふさぐように居座っていた


「あ、あれ確かアイスホッグだったかな」


「なにそのド直球な名前の化け物! てか何でお前冷静なんだよ」


スライムにエンカウントしたかのような気軽さのレイ

普通こんな大きな化け物に出会ったらもう少し驚いていいと思うんだが


「だって、シルエットに出会うのは初めてでは無いし」


「え? 何? シルエット?」


「解説はの後程 もしくは一章参照! とにかく今はこいつを何とかするよ!」


「りょーかい!」


そう言って戦闘態勢を取るロストとレイ


ずいぶんなれてんな・・・・・・

何と言うか年季のようなものを伺える 前からよくこの異世界に来てたんだな・・・・・


と、そんな思考をよそに、


「八ッ!」


と、いつの間にか持っていた黒い刃でネズミに切り掛るロスト

しかしその動作は俺から見てもかなりぎこちないというか、慣れていないような有様で、簡単に避けられてしまう


「ギリリリリリリr!」


ネズミが何処か笑うように鳴く


「くっ! この!」


ロストは何とか切りつけようと刃を振るうが大振りで、またもや簡単に避けられる


「ダメじゃんあいつ!」


大見え切っといて全くダメじゃん!

そう思っていたが、


「あー、そうゆうこと」


と、レイが何処か納得したような声を上げる


「ん? え、そうゆうことってどうゆう事?」


「あぁ、いや、何かロストの動きがおかしいと思ったんだけどね、」

と、レイは俺の方をチラリと見たのち、ニヤリと笑って言う

「あれ、約束通りオレの能力を見せる気だな」


「・・・・は?」

一体何を・・・?  と、聞き返すよりも前に、


「グギリリrグリ!!!」


勝利をもう確信したのか、一気に仕留めんばかりに体の氷柱をロストめがけて数十本同時に射出するハリネズミ


「あ! ロスト!」


まずい当たってしまう! オレはまだ微妙に使い方の分からない時間移動を・・・


「あ、何もしないで」


「え?」


遮ってレイは言う


「今度はオレがカッコつける番だから」


氷柱がロストのほぼ手前に来る するとロストは

「じゃ、後は頼んだよ!」

と言って地べたまでしゃがんで氷柱をかわす


「・・・・って! お、おい! 氷柱こっちに来てんじゃん!」


さっきまでロストに注目して気付かなかったがよく見ると俺たちはハリネズミの真正面に立っていて、いつの間にか俺たちがあいつと対峙しているような形になっていた


ヤバくね? そう一瞬思ったが、ふと違う事に気付く


レイは今さっき『約束通りオレの能力を見せる気だな』と言っていた

つまり、こっちに氷柱が飛んできたのは意図的にそうした・・・・・・?


「ま、見てろって」


そう言いながら一歩前に出るレイ


段々と氷柱が近づく そして残り数メートルとるになったところでレイはさっきロストがとったように構えて、


「よっと」


そして手を横に薙ぎ払う だが特に何も起こらなかった


別段氷柱が無くなったわけでもなく・・・・・・・


「って、あれ?」


何か、氷柱が遠くなって無いか?


それは錯覚ではなく、

「グギリリrグ!!」

いつの間にか氷柱の棘の部分が反転しており、そして

「グリャャァアァァァァァ!!!」

 氷柱がネズミに刺さり、断末魔と共にネズミは息絶えた


「ナイス王さま!」

「ロストも」


パチンといい音を立ててハイタッチをする二人


「ま、僕らの能力はこんな感じだね」


「いやこんな感じと言われても分からねぇんだけど・・・・・」


何か手品のタネを見せないで今やった手品を真似してみろと言われた気分である

全く何が起こったかさっぱりである


「僕の能力は『偽る』事、もしくは『偽造』することなんだ」


いつの間にか手に留まらせている黒い鳥を見せてロストは言う


「これは空飛ぶ(ホログラフィック)影鳥(フライングバード)、長いから影鳥でもいいんだけど、この鳥、実は生きて無いんだ」


「生きて無いって?」


「文字通りの意味さ これに意思は無い いわばロボット、いや一応生き物の形してるからクローンと言った方が近いかな?」


ロストは全く動かない鳥の背を撫でる


「つまり言うとこの鳥を生きてると認識、誤認させてありもしない物を生み出す それが僕の能力だよ」


「成る程」


手品のタネを言われても全く意味が分からなかったが、ま要は黒い鳥が出せるという事らしい


「言っとくけど別に黒い鳥しか出せないとかそうゆうのじゃ無いから、決して僕をただの手品師みたいな能力だと思わないでね」


「いやそういうのとか思って無いから!」


鋭いな・・・・


「あと、オレの能力だな」

と、レイは言う


「オレの能力は『反発』すること『跳ね返す』こと さっきみたいに氷柱を、正確には物理的な現象以外を跳ね返すことが出来るんだ」


「・・・・・ん? あの氷柱は物理的じゃね?」


化け物に生えてる氷柱と言ってもあれは物理法則に従って飛んできた氷柱だ ならそれも物理的現象になると思うのだが・・・・・


「あ、確かにそうだな・・・・・・」

認めたよ


「んー、多分あの氷柱はアイスホッグの力と言うか、能力によって(しょう)じたから大丈夫なんじゃない?」


「そ、そうか・・・・・・」


何か雑だな・・・・


「あ、あと、シルエットってのは何だ?」


「ん? あー、それは・・・・・・」


と、ロストは考え込んで、


「めんどくさいから次話の最初に歩きながら話した(てい)でざっくり解説を入れるという事で」


「は、はぁ??」


「もしくは第一章の『王と  』を参照で そっちの方が多分分かりやすいから」


「え? え? 何の話し? さっきも変な事言ってたけどそれ何の話なの??」


「気にしない気にしない さ、早く次行くよ」


そう言って歩き出すロストと、俺の横を通り過ぎ間際に肩をすくむめ「しょうがないよ」とアピールするレイ


ほ、本当に何の話をしてるんだ・・・・・・???


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