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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「シフト・グリニッジ」
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事件開始ノ刻 其ノ四


「うーん、全く見つからないね」


「そうだな・・・・・・」


岩、岩、岩 何処まで行っても青く輝いた岩だらけでロストどころか出口すら見つからない


「ったく、本当にどこなんだここ? どっかに宝箱に入った地図か、せめて次の階へと続く階段とか無いのかよ」


「それ完全にゲームだよね RPGかもしくはダンジョン系のゲームだよね」


似たような会話を何回しただろうか もうかれこれ一時間は歩き続けてるのではないだろうか 

とにかく景色が全く変わらない道を歩いていた


「本当にどうなってんだここ? 真面目な話、ここが山の洞窟なのか地下の洞窟なのかも分からないからな」


「水があるのと妙に肌寒いのからして多分地下洞窟だと思うんだけど」


「・・・・・お前記憶喪失してんのに妙にそうゆう知識は残ってんだな」


何故豆知識系はしっかりと記憶にあるのか

そう思っていると


「ん? いやオレは記憶喪失になんかなってねぇけど」


「・・・・・・・・・・・・・・」

思わずため息を付いてしまう

何で俺と冷の立場逆転してんの・・・・・・? いつもは冷の方がため息をつく側なのに


「・・・・俺の事忘れて何処が記憶喪失では無いって言うんだよ」


「いや、君とは本当に初めて会ったんだよ 名前は何故か知ってるけど」


「なにその見たことのあるけど誰だっけ状態は いい加減認めろよ」


「いやいや、記憶喪失じゃ無いって前に」

「あーはいは 分かりました」


ったく、しょうがねぇな・・・・・

何でこいつこんなところで頑固なんだ?


「なら、いくつか質問するぞ」


「うん」


これで答えれなくてきっと自分が記憶喪失なんだって自覚するだろ


「一問目 お前の通っていた学校名は?」


夕日向(ゆうひなた)高校」


・・・・・・あれ?


「二問目 いつも俺たちと一緒にいた女の子の名前は?」


「、芝埜河(しばのがわ) 沙里香(さりか)ちゃん」


あれれ?


「・・・三問目 今日の昼にお前が読んでた本のジャンルは?」


「異世界転生物だよね?」


あれ? 何かかなり覚えてるんじゃん


「最後 お前の名前は?」


「レイ」


「・・・・・・・・」


あり?


「フ、フルネームで・・・・・・・」


「だからレイだけど」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


いつもは名前を忘れていたが、今度は遂に名前の改変までするようになったか・・・


俺の態度か不審に思ったのか悩むような顔をしてから


「あ、もしかして」 といった(のち)、こんなことを言った


「もしかして『ロスト』って事?」


「は?」


何でここでロストの名前が出てくるんだ?


「いやだってロストは———————————」


と冷が何か言おうとした時、


ズドン!!


「・・・・・ん?」

「・・・・・あ?」


洞窟の奥の方から何かが落ちたような大きな音 そしてしばらくすると、


ゴロゴロ・・・・・・

というような低重音と共に地面が揺れ出す


「・・・・・・な、なぁ、冷?」


いや、そんなわけないよな・・・・・?


「うーん やっぱりこの洞窟はゲームだったわ」


と、清々しい笑顔で俺の思っている事が正しいと肯定する冷 すなわち・・・・・


ゴロゴロゴロゴロ!!


「あらら・・・・・・・」

首筋をかきながら苦笑いを浮かべる冷


「・・・・・・うぉあぁぁぁぁぁぁぁ!」


今日で何度目の絶叫だろうか・・・・・・

マンガやゲームでしか見たことのないような洞窟の広さ一杯の大きさの岩が転がって来た


「逃げろーーーーーーー!!!」


慌てて元来た道を全速力で走る


「何でだよ! なんでこうも唐突にこんなデッカイ岩が転がってくるんだよ!」


「何でいつもいつもこう唐突に展開が進むのかなぁ・・・・」


「いっつもって何だよ!! 日常的に岩が転がって来てるのか!?」


こんなやり取りをしながらも懸命に走る


あ、そういえば・・・・ いや忘れよう 考えるな!


「てかさ! ここってほぼ一本道だったよね!」


「言うな!!」


聞きたくも無い現実をイキナリ言われた

さっきから通ってたこの道はずっと一本道だった 詰まる所逃げる場所がない

正確には無いわけでは無いが、そうなるとさっきの水辺の辺りまで走らなければならず、とても体力が持つような距離ではない


「ねぇ! ユウキ君は何か出来ないの!」


「何かって何だよ!! まさか岩を素手で壊せとか言うんじゃないんだろうな!」


「出来ないの!?」


「出来るか!!!」


てかその言い方だとお前は出来るみたいだぞ!


「本当に何もできないの!」


「くどいな! だから何も・・・・」


と、言ったところで、

「物理的にじゃなくて!」

と冷が言い出した


「そうじゃなくて、何か能力身に着けて都合よくこれどうにか出来ないかって聞いてるの! ロストと会ってるなら異端郷の話しも聞いてるでしょ?」


「は、はぁ?」


何言ってるんだ? と言いかけてふとロストの言葉を思い出す


『多分内面的、つまり能力付与みたいな形になっているのかな?』と


ロストは俺の願いの叶い方を能力付与のような形で叶えられているのではないかと推測していた


そうなると、もしかするとさっきの謎のワープは俺自身が起こしていたのかもしれない


手遅れになる前に、そうなる前に気付けたら そうなる前に助けられたら

手遅れと言う時間が針に到達する前に、もしくは到達しないように


「・・・・・やってみるか」


俺は立ち止まり岩を見やる 相変わらずゴロゴロと転がってきている


どうせ出来なかったらどのみちお終いだし、やるだけやってみるか!


「やり方はとにかくイメージだから」


と、何時の間にか一緒に止まっていた冷が言う


「とにかくどんな感じでどのようになるかをイメージすること いいね?」


「・・・了解!」


言われた通りイメージする

時間を速めて、岩だけが時間を超えて(シフト)通り過ぎ去るイメージ


「・・・・・・っ! ハッ!」


腕を前に出しそう念じてみる すると・・・・


ゴロゴロゴ        ロゴロゴロ・・・・・・


と、俺たちが居る所だけ編集でカットされたように通り過ぎ、そのまま転がっていった


「なんだ、何か出来るじゃん」


「・・・・・出来たな」


思わず手が震えあがる

何だが悪落ちヒーローが強大な闇の力を手に入れた気分だった


「・・・・すげぇ」


思わず言ってしまう


「すげぇぜこ「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 ・・・・・あ?」


俺が言おうとしたところを被せて何故か聞こえる悲鳴

どうやら岩が転がっている方から聞こえてきたようだった


「・・・・・って、あれ?」


てかこの声、何処かで・・・・・・


「待って待って待って待って!!!! 岩とか聞いてないよーーー!!!!!!」


女の子の悲鳴がこだまする


「・・・・・・な、なぁ?」


ふと、あることを思い出し冷に聞く


「お前さ、さっき何かバシャン! って水に何か落ちる音が聞こえたんだったよな?」


「・・・・・・そうだね」


どうやら冷もこの声に聞き覚えがあるようで、お互い顔を見合わせたのち、


「「・・・・・・安らかに眠れ」」


二人して、手を合わせていた



惜しい人を亡くした・・・・・・・・・・・


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