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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「シフト・グリニッジ」
33/129

事件開始ノ刻 其ノ三


「うぁぁぁぁぁーーーーーー!!!」


右、左、右 と、マンガみたいにくねくねした穴を滑って(落ちて)行く


「待って待って待って待って!!」


速度はどんどんと加速していき、やがて急に穴が曲がったと思うと ポーン と唐突に投げ出され、


「うぉぉぉぉぉ・・・・・・・・ お?」


謎の浮遊感 


ふとチラリと下を見て、下が水になってるのを確認してもう一度前を向いて


「あぁぁーーーーーーーー!!!」


バシャーン! と大きな音を立ててそのまま真っ逆さまに水へ落ちて行った


「ヴオォォォボボ!!!?」


この水、深いッ!! 


「ブヴォァババ!」


幸いにも金槌(かなづち)では無いので、溺れそうになりながらも懸命に泳ぎ、何とか水の淵にたどり着いた


「っ はぁはぁ・・・・・ し、死ぬかと思った・・・ 」


取り敢えず一命は取り留めた事に安堵(あんど)する


「・・・・・しかし、何だったんださっきの・・・・・・」


さっきの場面、明らかにおかしい事になっていた


俺が落ちた穴 多分落ちたのはさっきロストに引っ張り上げて貰った穴だろう 

引っ張り上げてもらったのに、何故かさっきは、まるで時間が戻ったかのように同じ場面のように見え———


「っ! そうだ、あいつは!!」


ふとロストを、あの幼女を謎のカエルがいるところに置いてけぼりにしている事に気付く


慌てて水から這い上がろうとして、ふと気づく

目の前に誰かの足が見えることに


「・・・・・あ?」


足が見えるといっても死体が転がってて、その足裏が見えるとかではなく目の前に誰かが立っていてその人の足が見えるという事だ

スニーカに何処かで見たことのあるような色のズボン


恐る恐る視線を持ち上げてみると、


「・・・・・・大丈夫か?」


俺と同じ制服を着た人物

「・・・・あ! (れい)!!」


慌てて這い上がり冷の両肩を手に取る


「冷! お前無事だったのか!!」


と、ふと、自分が冷鵺(れいや)の事を冷と呼んでいる事に気付く

あ、また怒られるかな


だからレイって呼ぶな!  そうゆうセリフを予想していたのだが・・・・・


「あれ? えっと・・・・・ 何処かで会ったことのある人かな?」


「・・・・・・え?」


不思議に思いしっかりと冷の顔を見る 

うん、冷だ 紛れも無いレイだ うん間違いない 

しかし・・・・・


「えと、悪い、ちょっと何処で会ったか思い出せ無いんだけど・・・」


困ったような笑いを浮かべる様は、明らかに俺の知っている冷では無かった






記憶喪失 その単語が俺の中から浮かんできた


「取り敢えず服はちゃんと絞って、後は着ていれば乾くかな? と言うよりそれしか方法が無いか ドライヤーも無いし はいこれ」


「お、おう・・・・ ありがと」


絞ってもらった服を着ながら思う


すげージメジメしてる     じゃなくて!


「な、なぁ お前本当に冷か?」


「え? うん、レイだけど?」


キョトンとした表情を見せて答える冷(仮)


・・・・・本当に冷か? どうしても疑いたくなる


いや冷では無いだろ だってさ、俺の知ってる冷はこんな人じゃ無かったぞ? もっと表情が乏しくて、何よりこんなに優しい人では無かったぞ

いや、確かに冷は元から優しい(たぐい)の人だったが濡れた服を絞ってくれるほど優しくないぞ?

俺の知ってる冷だったら確実に「適当に絞っとけ」の一言だけだったぞ


「あ、ケガとかも大丈夫? 何か急にあの開いてるあなから凄い勢いで飛び出して来たけど」


「あぁ、大丈夫だが・・・」


「それは良かった」

と、笑顔で言う冷


「・・・・お前こそ大丈夫か? 何処かで頭を打ってないか?」


やっぱり記憶喪失で人格が変わっちゃったんだな・・・・・・

取り敢えずまずは何処かを打ったのかを心配したが


「いや? 大丈夫だけど」


「ちよっと見せてみろ」


「? うん、いいけど・・・・」


クルリと後ろを向いた冷の頭を確認してみるが目立った外傷は何処にもない


「うーむ となると他には・・・・・」


うーん   他に記憶喪失かを探る方法があったかな・・・?

てか記憶喪失って頭を打つ以外に何で起こるんだろ?


「・・・冷、俺が誰か判るか?」


取り敢えず簡単なところから検査してみることにした

本当に記憶喪失なら俺の事も覚えてないだろうが、と言うより明らかに俺の事覚えて、


「ユウキ君、でしょ?」


「え?」


え、何でさっき覚えてないとか言ってたのに俺の名前は憶えてんの?

そう思ったのと同時に、


「・・・・あれ? 何で君の名前を知っているんだろ?」


はて と冷も首を傾げていた


「うーん・・・ 確かに君とは一度もあったこと無いはずなのに・・・・ 何でだろ?」


「・・・・・・そうか」


ため息を付いて結論付ける

やっぱ記憶喪失か これは間違いなく記憶喪失か・・・・・

さて、どうしたものか・・・・・


「取り敢えず、移動しようか」


「りょーかい」


妙に楽しそうに笑いながら言う冷に違和感を覚える

だがまぁ、この手の事は考えても仕方がない 記憶喪失はきっと時間がどうにかしてくれるとしてもロストの事は時間じゃどうしようもないどころか悪化するまでもある


「とにかく、早く戻って探さないとな・・・・・」


カエルに食われる前に、手遅れになる前に 幸か不幸か謎の時間巻き戻し現象(仮定)によりロストも場所が巻き戻っていた為、逃げることも可能だろう


とにかくまずは手遅れになる前に探さないと


そう思い俺は歩き出す


「ところでさ」


と、冷も付いてきながら話す


「ユウキ君も誰か探してるのか?」


「あぁ ・・・・・・・・って、『も』? 何、冷も誰か探してんのか?」


「うん」


記憶喪失中なのに誰を探してんだ? と、思いふと気づく


もしかしてロストの言ってた『王さま』ってやつを探してるのか?


可能性としては十分ある 俺がロストに出会った時のように冷も王さまというやつに出会ってその後はぐれてしまったとしても何らおかしくはない


「ちなみにどんなやつを探しているんだ?」


また冷とはぐれてもおかしくないので一応その探しているという者の外見を聞いてみることにした

すると、


「ん? えーっとな、 外見は真っ黒な色をしたショートヘアーな髪に紫の瞳をしてて、」


・・・・・・ん?


「それでサイズが大きめでラメ入りの黄色い星が付いてる黒いパーカーとショートパンツを履いてて、」


・・・・・・んん??


「それで一人称が『僕』の幼女」


え、それって・・・・・・・・・・・・・・・


「それ、ロストじゃね?」


「あれ? 知ってるの?」


いや、知ってるも何も・・・・・


「それ、さっきまで一緒にいたから」


「え! 本当に!」


驚いた様子の冷 

むしろこっちが驚きたいんだが


「何? あの子俺に会う前にこの洞窟で冷と会ってたの?」


それなら教えてくれればよかったのに 俺と冷の服は同じ学生服なんだから少しくらい知り合いだと・・


「ん? あぁ、いや? 洞窟では会ってないよ」


「・・・・・・・え?」

いやいやいやいや


「ならどこで知り合ってんの? てか何時からロストと知り合いなの?」


「んー、前から?」


「あぁ? 前からっていつから?」


「だから前から」


「・・・・・・・・・・・・」


全然話しが嚙み合わねぇ・・・・・・


「ま、とにかくまずは人探しを——————————」


「? どうした?」


唐突に立ち止まって振り返る冷

「いや・・・・・・」

と言って首をひねってから「気のせいかな?」と言って再び歩き出す


「何かバシャーン! って音が聞こえた気がするんだけど・・・・・」


「俺には聞こえなかったが」


「うーん・・・ ま、気のせいかな?」


「気のせいだろ」


とにかく手遅れになる前に探してやらないとな



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