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日記のような物語(ダイアリーテイル)  作者: ミハヤ
「シフト・グリニッジ」
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事件発生時刻前 其ノ二


「ふーむ・・・・・・」


やっぱりあいつの言っている事っていつも不思議だよな・・・・・


帰り道、俺は昼休憩に冷鵺が言っていた異世界について思い出す


現実世界がローファンタジーってどうなったらそういう考えになるんだ?


亡神(なくしがみ) 冷鵺(れいや)と言う男は出会った時から不思議な人だった

何処か物事に何も関心を示さないような態度をとっている割にはしっかりと関心を持っていたり、しっかりしていると思えば何処か抜けていたり、俺と芝埜(しばの)の言い争いを止めてくれたり、何故か何時も下校がくそ早かったりと本当によく分からない人だった


「・・・・・・・・はぁ」


『異世界なんて無い』 今日冷鵺はそう言っていた


全く、本当に夢が無いなあいつは


この世界に無い物を望んで何が悪いと思う 無い事を夢見る事の何が悪いのかと思う


まるであいつはこう言っているように俺は聞こえた


無い物は無いんだから諦めろ 無理なものは無理と割り切れ と


「・・・・・・はぁ」

二度目のため息


別に冷鵺の事を悪く言いたい訳では無いのだが、少し腹が立つ


だったら、あの時は無理だったから割り切れと? 戻せる訳無いのだから諦めろと?


「・・・・ちっ」


冷鵺にそういう気持ちが無いのは分かっている 事実あいつは優しいからな

だが、分かっているからこそこの怒りを何処に向ければいいか分からない


だからつい、芝埜に手を挙げちゃうんだよな・・・・・・


そんなことを思っていると、


「・・・・・・ん?」


珍しく、下校中の冷鵺の姿があった

何故かT字路の先を見つめている 何かあるのだろうか


「おーい、れい・・・・・・」


俺が声をかけようとした時、冷鵺はそのままT字路の先を歩いて行った


「・・・・・・どこ行くのだろうか」


行き先が気になりT字路の角に隠れながら冷鵺がいった道を見やる

すると今度は住宅街の裏道に入るところが見えた


「・・・・・本当にどこ行く気なんだ?」

あの道が家の近道なのか? ・・・・そういえば俺はほとんど冷鵺の事知らねぇな 住んでいる区画も知らねぇし

これはもしかしてチャンスなのでは?


「・・・・・ついて行って見るか」


そう思い、俺は冷鵺の入って行った裏道を進む事にした




「ホント、どこ行く気なんだ?」


入り組んだ道、と言ってもほぼ一本道なので迷う事は無いが、を進む

一本道のくせに曲がり角が異様にあり、冷鵺の姿が見えては消え、見えては消えを繰り返していた


「こんなところあったかなぁ・・・・・」


自分の住んでいる地域の知らなさを実感しながら俺は後を追いかける


ここでまた直角に曲がった角を冷鵺が曲がり俺もその後を、

「で、いつまでついていけばいいんだ?」


慌てて角で身を隠す

まさかバレた! 一瞬そう思ったが、


「ならここまでにしてあげようか?」


女の子だろうか 声色は幼いのに妙に凛とした声が響く


誰と話してるんだ?


頭を出して冷鵺と話している者を確認したかったがバレるのが怖いので止めておいた


「と言うか、何でまた僕の前に? それもこのタイミングで」


「このタイミングだからこそ、だよ」


・・・・何故か女の子の声を聞くだけで分かる この子、人をからかうのが大好きだな

妙に言葉に人をあざ笑うかのような含みを感じる


・・・・・・もしかして、冷鵺がこの女の子に虐められていたとか? いや今から虐められるとか!?


そんな事態になったらただ事では無い 勿論そうでないかも知れないが念のため細心の注意を払って会話を聞くことにする


「それよりも、聞いてたよ! ふふ、異世界が無いだなんて、夢の無い事を言うね」


「事実だろ」


そう淡々とした冷鵺の声が聞こえる


って、昼休憩の会話を知ってるって、もしかして今喋ってる女の子って同じ夕日向高校の人? で、もしかして同年代、二学年の人なのかな


・・・・・もしかして彼女とか!?

「いや違うけど?」


っ! はぁ!? どうして!?(心読まれた!?) えどうして!?(盗み聞きバレた!?) どうして!?(そもそも何で心読めるんだ!?)

・・・自分で言うのも何だが、何この三段構え


「まぁ、確かに異世界はあるな」


あ、単に冷鵺の言葉に返答しただけか    だけだよな?


取り敢えずバレてはいない(仮)そうなので胸を撫で下ろすが即座に ん? となった


異世界はある?


「だが異世界と言うのは無いからこそ異世界なのだろ あの世界をあると認めたらあの世界は異世界にならないと思うのだが」


「昔は未知の土地が今では観光名所になってるみたいに?」


「昔は恐れ多い未知だった物が今では科学技術の一環だったり」


・・・・どうゆう事だ?

二人とも何故か異世界があるとか言って無いか・・・・・?

本当に、異世界があるのか・・・?


「ま、そうやって秘匿しようとするのは君らしいっちゃ君らしいんだけどね、『虚栄の(ヴァニティ・)城壁(キャメロット)』君? あ、それとも『叛王(はんおう)』君の方が良いかな?」


え、ヴぁ、ヴぁにて、 何だって? 


さっきから首を傾げるような言葉ばっかを使うな・・・・


「好きにしろ と、言うか」


と、冷鵺が少し声を低くしてこう言った


「やっぱりアレはお前の仕業だったのか」


「ん? アレっていつのアレの事かな?」


わざとらしい声が響く


アレって何だ? それより、冷鵺は前にその子に何かされたのか?

これは虐めルートの予感がする いやそうだ!


「冷鵺!!」


俺は角から姿を現す 

何かあってからでは遅い! 何か起こるより早く行動しないと!


そう思い角から出て見えた光景は・・・・・


「え、ユウキ!?」


驚いた表情をする冷鵺と、


「・・・・・・・ん?え、あれ?」


驚いた表情をする冷鵺だけだった 


「え、あれ、もう一人は?」


確かにもう一人女の子の声がしたはずなのに何処にも・・・・・


「もー、早いって もうちょっとお話したかったのになぁ」


と、女の子声が何処からか、いや、


「後ろ!?」


後ろから聞こえ振り向こうとしたが、


「ま、いいや 今回の冒頭でまぁまぁ無駄話したし、そろそろメインストーリーへと足を運びますか」


トン と背中を押されて、直後、


「・・・・・・っ!!?」


世界が回った そうとしか表現できないような感覚に陥り、足元が崩れるような感覚に陥る


「・・・・っち これで僕も帰還ルートをやらないといけないって訳か」


目の前が真っ暗になる中、冷鵺の声が聞こえた


「ふふ ま、精々再開を楽しんでおいで あ、ユウキ君も楽しんでくるんだよ!」


そうゆう声が聞こえたと同時に俺の意識が途切れた・・・・・・・・



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