「王と城壁 ~endroll~ 』
「さて、どうだったかな? 嘘が付けない王さまと偽善の城壁のお話は」
パタン、と大きな本を閉じ、真っ黒い猫又みたいな少女は言う
「・・・・・ところで、ワタシの事忘れてないよね? 登場したの最初だけだからと言って」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ん? 何その何か言いたげな顔は ワタシが登場したのは最初だけだよ?」
わざとらしくニヤニヤと笑う少女
「それよりも、どうだったかな? いやー、中々面白く語ることができたんじゃないかな? しっかし、中々予定通りとは行かない物だね 何か当初想像していたのとかなり違う終わり方したなー ま、そこが面白いところなんだろうけど
・・・・ん? どうして予定通りにならなかったのかって言いたそうな顔をしてるね
そりゃ予定通りに行くはず無いでしょ ワタシは物語の作り手じゃ無いんだし、何より、物語の作り手でも想像通り何て中々出来ないでしょ」
少女は肩を竦めながら言う
「世の中ってのは沢山の視点で出来ているんだ って、言うと一人一つしか視点が無いように聞こえるけど勿論そんな事は無いからね 一人にも沢山の視点があるから 言い換えれば一人の中に沢山の人が居るんだから そんな沢山の人を想像通りに動かすなんて中々出来た物じゃないよ」
いつの間にか本を抱き枕にしてベットに寝転がって少女は続ける
「あのロスト、いや亡神君の方が良いかな? それで亡神君は沢山の視点を持ち過ぎたんだろうね 沢山の本を読み過ぎて、沢山の視点に触れすぎて、沢山の物を想像出来るようになったが為にあんな歪な、二人に分かれて嘘を付いて反発して嫌って好いて勘違いして、最終的にはただ簡単な一言で終わってしまって
最初に言ったように目的は同じでも道が違えば目的地は全く別の物になるのかな 逃げようとして頑張って飛び回っていたらいつの間にか逃げようとした場所が安楽の地になってしまったり、飛び回っている鳥を助けに向かおうとしたら飛び回っている原因が助けにきた自分だったように、目的は安寧と一緒だったはずなのに、妙に結末が変わっちやうよね」
「よっ」 と言いながらベットから飛び起きる少女
「ま、ぐちぐち長々と話すのはこれくらいにしておこう ワタシの感想よりも読んでくれている君の感想の方が大事だから
あ、今このお話を聞いた感想は言わなくていいよ 何せ視点は人それぞれだから、その視点を大事にできるのなら、ワタシは褒められようが貶されようがどっちでもいいから
・・・・・・・いや、正直に言うと褒められるとプレッシャーで、貶されると卑下感で押しつぶされそうだから聞きたくないだけなんだけど・・・・・・ 沢山の視点を言われても戸惑うだけなんだろうね
ま、もう締めますか!!」
そういって少女はぺこりと一礼
「ワタシこと未夜が贈った『日記のような感覚のお話』! ご清聴ありがとうございました また、次のお話で遭いましょう
黒い猫が歩き去り、カーテンコールを告げるしろいねずみが舞台に上がった テイルはこれにて幕を下ろす
それじゃ、またね!」
そういって最後にさりげなく名前を明かした黒い少女、未夜は歩き去る
その時に、
パラ
と、持っていた大きな本からページが一つ落ちた それに気づかなかったのか、はたまたわざとなのか、未夜はいつの間にか姿を消していた
・・・・・・・・・・・・・
ページを手に取りその内容を見てみる すると、そのページにはこんな事が書かれていた
「ねぇ! どうゆう事なの仁! またすぐ帰って来るって!」
「そのまんまの意味ですよ」
ここでネタバレは面白くない 答えはまた次に取っておこう
それにしても・・・・・・・・・
「予想通り、居ましたか・・・・・・・・」
ロストがこの池に付く前に重要な事を言っていた
「ん? あぁ、ロストたちを此処に連れてきたっていう子の事?」
「・・・・ええ、そうです」
ロストはその時、こんな事を言っていた
『僕をこの世界、理想郷の楽園に連れてきたのは真っ黒い毛で尻尾が二つある、猫又って言うのかな? その猫なんだけど、名前は確かミャアって名乗っていたよ』
そして更に重ねてこんなことも言っていた
『それから、多分クロウがいきなり町中に現れたり、氷のハリネズミ、だっけ? みたいな奴が突然火をふいたりしたのも多分その猫が原因なんじゃ無いかと思うよ』
「ふむ・・・・・・・・・・」
そのミャアと言う猫は、一体・・・・・・・?
次へと続く・・・・?




